2月は1年で最も寒い月です。しかし、節分の翌日は立春、この日から春が始まります。
そのため、2月に詠まれた短歌には、春の始まりやまだまだ続く冬の寒さを詠み込んだものが多く見られます。
短歌「それでいいのだ」(写真付き)
好きなチョコ自分で買って食べてゐるそれでいいのだ聖なる二月 pic.twitter.com/RI1dh9sKQa
— 初音(しょおん) (@sean_tokyo) February 14, 2015
半券のようにあなたが持っていて右半分の虹の写真を
短歌研究2月号
半分の虹/中家菜津子 pic.twitter.com/3wsmLayeNZ— 中家菜津子 (@NakaieNatsuko) June 13, 2016
今回は、「2月」をテーマに一般の人が詠んだ短歌を20首ご紹介します。
2月をテーマにしたおすすめ一般短歌ネタ【前半10首】
【NO.1】
『 山の辺の 社の森の 梢より 鈴鳴る如く 如月の風 』
【意味】山の神社の木々の梢(こずえ)から鈴が鳴るように2月の風が吹いた
【NO.2】
『 梅も咲き 明日は節分 春近し 寒さ残れど 陽は更に延び 』
【意味】梅も咲いて明日は節分、春が近い。寒さは残るけれど陽は更に延びている
梅は春の花の中でも早く咲き、春の訪れを告げる花です。春が近付いてきた嬉しさを詠んだ歌です。
【NO.3】
『 豆撒きて 鬼ども追えば 闇の先 春が微笑む 節分の夜 』
【意味】豆撒(ま)きして鬼たちを追い払えば、暗闇の先で春が微笑んでいる節分の夜
【NO.4】
『 恵方巻き その習慣は いつからか 切って食べます 明日は立春 』
【意味】恵方巻きの習慣はいつからだろうか。切って食べます、明日は立春
【NO.5】
『 恵方巻き 手頃に切って かぶりつく 見つめあった あなたが吉方 』
【意味】恵方巻きを手頃に切ってかぶりつく。見つめ合ったあなたの方向が吉方だ。
【NO.6】
『 寒風に 鬼追い出され 今いずこ 捨てる神あり 拾う神あれ 』
【意味】寒い風の中に鬼は追い出されて今はどこにいるだろう、捨てる神がいる、拾う神もいてほしい
【NO.7】
『 雲ひとつ 無い青空が 広がって 雪解け近き 如月の朝 』
【意味】雲一つない青空が広がって、雪解けも近いなと思う2月の朝
【NO.8】
『 身を閉じて 新年迎えし 葉牡丹も 春一番に 姿ほどける 』
【意味】身を閉じて新年を迎えた葉牡丹も春一番に葉が開き始めた
【NO.9】
『 吹く風を 不快とばかり 覚ゆるも 春一番とは よもや思わず 』
【意味】吹く風を不快だなあとばかり思っていたが、それが春一番だとはまさか思わなかった
【NO.10】
『 風はまだ 冷たく頬を 撫でるけど 春一番が 来る日近く 』
【意味】風はまだ冷たく頬を撫でるけれど、春一番が来る日も近い
2月をテーマにしたおすすめ一般短歌ネタ【後半10首】
【NO.11】
『 渡せずに 賞味期限が 切れたチョコ、こんな形にして ごめん、チョコ。 』
【意味】渡せずに賞味期限の切れたチョコ、こんな形にしてごめん、チョコ
【NO.12】
『 プリントを 配るみたいに 来たチョコの 30分の 1のせつなさ 』
【意味】プリントを配るみたいに渡されたチョコは30分の1でせつない
【NO.13】
『 渡せない 想いぐるぐる 渦巻いて 苦味ばかりだ ひとかけのチョコ 』
【意味】渡せない、想いがぐるぐると渦巻いて苦味ばかりだ、ひとかけらのチョコは
【NO.14】
『 義理チョコも もらえぬ我を 省みて 不義理に生きて きたなと思う 』
【意味】義理チョコももらえない自分を振り返って、不義理に生きてきたなと思う
【NO.15】
『 如月も 半ばになれば 春近し 花もちらほら 咲き始めるなり 』
【意味】2月も半ばになれば春が近い、花もちらほら咲き始めたなあ
【NO.16】
『 雨水待つ 十六夜の月 真白くて 吐息も白い 公園の空 』
【意味】雨水(うすい)を待つ十六夜の月は真っ白で、公園の空に吐く息も白い
雨水(うすい)とは2月下旬の、雪が雨に変わる頃を指す言葉です。とは言っても真っ白な月と息という表現からは、夜の公園はまだ凍てつく寒さだと伝わります。
【NO.17】
『 暦では 雨水となりて 故郷の 海に降る雪 雨にはならず 』
【意味】暦では雨水となったが故郷の海に降る雪は雨にはならない
雪が雨に変わって春になったはずが、故郷に降るのは雪。風景を淡々と詠んだことで、春はまだまだ遠いのだと感じさせます。
【NO.18】
『 如月の 雨水過ぎても 舞う雪は 積もるでもなく 消えるでもなく 』
【意味】2月の雨水を過ぎても舞っている雪は積もるでもなく消えるでもなく
雪が積もる程でもなくなってくると、冬も終わりかなと感じます。しかし春と言うには道端の雪がまだ消えていない、そんな曖昧な季節の変わり目を詠んだ歌です。
【NO.19】
『 菜の花を 食べたら明るい 予感した 君に綴ろう 余寒見舞いを 』
【意味】菜の花を食べたら明るい予感がした。君に余寒見舞いを書こう
「余寒見舞い」は立春が過ぎてから出す挨拶の手紙です。「菜の花」は春を表す代表的な言葉で、この歌には春が上手く織り込まれています。「予感」と「余寒」は短歌の語呂を良くしています。
【NO.20】
『 如月も 残すは七日 矢の如し 追われ過ぎてく 小さなものに 』
【意味】2月も残すところあと7日で矢のようだ。小さな物事に追われて過ぎていく
光陰矢の如しという言葉がありますが、日々の過ぎるのは早いものです。今年ももう2か月経とうとしていることへの驚きと感慨を詠んだ歌です。
以上、2月をテーマにしたオススメ短歌でした!
2月をテーマに短歌を作る際は、2月を感じさせる言葉や風物詩を歌に入れると読んだ人にもテーマが分かりやすくなります。
2月の旧名である「如月」をという言葉を短歌に入れるのも良いですね。ぜひ自分で短歌を作る時の参考にしてみてください!