【2月をテーマにした一般短歌 20選】中学生〜大人向け!!参考になるオススメ短歌を紹介

 

2月は1年で最も寒い月です。しかし、節分の翌日は立春、この日から春が始まります。

 

そのため、2月に詠まれた短歌には、春の始まりやまだまだ続く冬の寒さを詠み込んだものが多く見られます。

 

 

今回は、「2月」をテーマに一般の人が詠んだ短歌を20首ご紹介します。

 

短歌職人
季節感をどのように表現しているかにも注目して鑑賞してみてください!

 

2月をテーマにしたおすすめ一般短歌ネタ【前半10首

 

【NO.1】

『 山の辺の 社の森の 梢より 鈴鳴る如く 如月の風 』

【意味】山の神社の木々の梢(こずえ)から鈴が鳴るように2月の風が吹いた

短歌職人
「山の辺」「森」「梢」と深い山の中を思わせる言葉が並び、そこへ風が吹き下ろす様子を想像させます。更に「社」「鈴鳴る如く」が清らかな印象を残しています。

 

【NO.2】

『 梅も咲き 明日は節分 春近し 寒さ残れど 陽は更に延び 』

【意味】梅も咲いて明日は節分、春が近い。寒さは残るけれど陽は更に延びている

短歌職人

梅は春の花の中でも早く咲き、春の訪れを告げる花です。春が近付いてきた嬉しさを詠んだ歌です。

 

【NO.3】

『 豆撒きて 鬼ども追えば 闇の先 春が微笑む 節分の夜 』

【意味】豆撒(ま)きして鬼たちを追い払えば、暗闇の先で春が微笑んでいる節分の夜

短歌職人
鬼は丑寅(うしとら)の方角からやって来るため冬の象徴とされます。「鬼は外」で冬が去り、にこやかな春が呼び込まれようとしているのですね。

 

【NO.4】

『 恵方巻き その習慣は いつからか 切って食べます 明日は立春 』

【意味】恵方巻きの習慣はいつからだろうか。切って食べます、明日は立春

短歌職人
恵方巻きはいつからか全国的な習慣になりましたね。切らずに食べるのが良いとされますが、切って食べても良いじゃない、という何気なく思ったことを詠んだ歌です。

 

【NO.5】

『 恵方巻き 手頃に切って かぶりつく 見つめあった あなたが吉方 』

【意味】恵方巻きを手頃に切ってかぶりつく。見つめ合ったあなたの方向が吉方だ。

短歌職人
二人で仲良く恵方巻きを食べている様子が想像されます。きっとお互いに「あなたが吉方」と思っているのではないでしょうか。素敵な関係ですね。

 

 

【NO.6】

『 寒風に 鬼追い出され 今いずこ 捨てる神あり 拾う神あれ 』

【意味】寒い風の中に鬼は追い出されて今はどこにいるだろう、捨てる神がいる、拾う神もいてほしい

短歌職人
節分に追い出された鬼がかわいそう、という優しい歌ですね。「拾う神あれ」に、鬼たちにも行く場所があってほしいという気持ちが表れています。

 

【NO.7】

『 雲ひとつ 無い青空が 広がって 雪解け近き 如月の朝 』

【意味】雲一つない青空が広がって、雪解けも近いなと思う2月の朝

短歌職人
天気の良い朝は気持ちが良いものです。冬の晴天はなおさらですね。青空に春の訪れを感じたという爽やかな歌です。

 

【NO.8】

『 身を閉じて 新年迎えし 葉牡丹も 春一番に 姿ほどける 』

【意味】身を閉じて新年を迎えた葉牡丹も春一番に葉が開き始めた

短歌職人
お正月の頃は葉牡丹も寒さに身をぎゅっと縮めていたのでしょう。春を感じて緊張が解けたように葉を開き始めた様子が「姿ほどける」に表れています。

 

【NO.9】

『 吹く風を 不快とばかり 覚ゆるも 春一番とは よもや思わず 』

【意味】吹く風を不快だなあとばかり思っていたが、それが春一番だとはまさか思わなかった

短歌職人
立春の後に吹く強い南風を「春一番」と言います。南風と言っても地域によっては冷たい強風で、確かに春一番だとは思わないかもしれませんね。

 

【NO.10】

『 風はまだ 冷たく頬を 撫でるけど 春一番が 来る日近く 』

【意味】風はまだ冷たく頬を撫でるけれど、春一番が来る日も近い

短歌職人
春一番がいつ頃吹くのかは天気予報などで耳にすることがありますね。春一番がもうすぐ吹くよ、春一番が近付くと嬉しい、という春への期待を詠んだ歌です。

 

2月をテーマにしたおすすめ一般短歌ネタ【後半10首

 

【NO.11】

『 渡せずに 賞味期限が 切れたチョコ、こんな形にして ごめん、チョコ。 』

【意味】渡せずに賞味期限の切れたチョコ、こんな形にしてごめん、チョコ

短歌職人
バレンタインにチョコを意中の人に渡せないまま、かといって食べることもできずに時間が経ってしまったのでしょう。ごめん、とチョコに謝る姿にいじらしさを感じます。

 

【NO.12】

『 プリントを 配るみたいに 来たチョコの 30分の 1のせつなさ 』

【意味】プリントを配るみたいに渡されたチョコは30分の1でせつない

短歌職人
義理チョコが男子クラス30人全員に配られたのでしょう。先生からでしょうか。本当は自分だけ特別扱いしてほしい気持ちと、全員平等にしか見られていない現実が切ないですね。

 

【NO.13】

『 渡せない 想いぐるぐる 渦巻いて 苦味ばかりだ ひとかけのチョコ 』

【意味】渡せない、想いがぐるぐると渦巻いて苦味ばかりだ、ひとかけらのチョコは

短歌職人
片想いの相手へチョコを渡す勇気がない、でも渡したいという葛藤が渦巻いているのですね。苦味はチョコの味だけではなく心の様子でもあるようです。

 

【NO.14】

『 義理チョコも もらえぬ我を 省みて 不義理に生きて きたなと思う 』

【意味】義理チョコももらえない自分を振り返って、不義理に生きてきたなと思う

短歌職人
義理チョコすらもらえないバレンタイン、自分に義理がなかったからだと自嘲気味に、しかしユーモラスに詠んでいます。

 

【NO.15】

『 如月も 半ばになれば 春近し 花もちらほら 咲き始めるなり 』

【意味】2月も半ばになれば春が近い、花もちらほら咲き始めたなあ

短歌職人
2月も後半になると寒さもやわらいできます。少しずつ花も咲いてくるのを見て、春が近いんだなあと感じたことを詠んだ歌です。

 

 

【NO.16】

『 雨水待つ 十六夜の月 真白くて 吐息も白い 公園の空 』

【意味】雨水(うすい)を待つ十六夜の月は真っ白で、公園の空に吐く息も白い

短歌職人

雨水(うすい)とは2月下旬の、雪が雨に変わる頃を指す言葉です。とは言っても真っ白な月と息という表現からは、夜の公園はまだ凍てつく寒さだと伝わります。

 

【NO.17】

『 暦では 雨水となりて 故郷の 海に降る雪 雨にはならず 』

【意味】暦では雨水となったが故郷の海に降る雪は雨にはならない

短歌職人

雪が雨に変わって春になったはずが、故郷に降るのは雪。風景を淡々と詠んだことで、春はまだまだ遠いのだと感じさせます。

 

【NO.18】

『 如月の 雨水過ぎても 舞う雪は 積もるでもなく 消えるでもなく 』

【意味】2月の雨水を過ぎても舞っている雪は積もるでもなく消えるでもなく

短歌職人

雪が積もる程でもなくなってくると、冬も終わりかなと感じます。しかし春と言うには道端の雪がまだ消えていない、そんな曖昧な季節の変わり目を詠んだ歌です。

 

【NO.19】

『 菜の花を 食べたら明るい 予感した 君に綴ろう 余寒見舞いを 』

【意味】菜の花を食べたら明るい予感がした。君に余寒見舞いを書こう

短歌職人

「余寒見舞い」は立春が過ぎてから出す挨拶の手紙です。「菜の花」は春を表す代表的な言葉で、この歌には春が上手く織り込まれています。「予感」と「余寒」は短歌の語呂を良くしています。

 

【NO.20】

『 如月も 残すは七日 矢の如し 追われ過ぎてく 小さなものに 』

【意味】2月も残すところあと7日で矢のようだ。小さな物事に追われて過ぎていく

短歌職人

光陰矢の如しという言葉がありますが、日々の過ぎるのは早いものです。今年ももう2か月経とうとしていることへの驚きと感慨を詠んだ歌です。

 

以上、2月をテーマにしたオススメ短歌でした!

 

 

短歌職人
今回は「2月」をテーマに詠んだ短歌を紹介しました。
2月をテーマに短歌を作る際は、2月を感じさせる言葉や風物詩を歌に入れると読んだ人にもテーマが分かりやすくなります。
2月の旧名である「如月」をという言葉を短歌に入れるのも良いですね。ぜひ自分で短歌を作る時の参考にしてみてください!