【紫陽花をテーマにした短歌 20選】中学生向けネタ!!一般の方が詠んだおすすめ短歌を紹介

 

梅雨の時期に咲く「紫陽花」は、華やかで存在感があります。

 

紫陽花はハッキリとした色の花なので、暗い雨空の下にあっても空間が明るくなります。また、土の質で花の色が変わるため、同じ紫陽花でも違った色になったりと見る人を楽しませてくれます。

 

 

今回紹介するのは、紫陽花をテーマに一般の人が作った短歌を20首ご紹介します。

 

短歌職人
ぜひ楽しみながら鑑賞してみてくださいね!

 

紫陽花をテーマにしたおすすめ一般短歌ネタ【前半10首

 

【NO.1】

『 生きてると 示すかのように 新芽たち 天へと伸びる 春の紫陽花 』

【意味】生きていると示すように春の紫陽花の新芽が天へと伸びている

短歌職人
紫陽花は初春に新芽を出し、勢いよく伸びて葉を付けます。その様子は正に「生きてると示す」ようです。新芽の勢いが擬人法で表現されています。

 

【NO.2】

『 皐月(さつき)頃 新緑の葉が 雨を待つ 青芽たわわに 陽当たり笑ふ 』

【意味】五月頃に新緑の葉が雨を待っている。たわわな青芽に陽が当たり笑っている

短歌職人

紫陽花の花芽は緑色で、5月頃には沢山の花芽が集まって球状に成長していきます。雨を待つという表現からも、歌のテーマが紫陽花であることが分かります。紫陽花は雨が楽しみで笑っているのでしょうか。

 

【NO.3】

『 雨は降る 窓を開ければ 紫陽花の 豊かな緑 彩りを待つ 』

【意味】雨が降っている。窓を開ければ紫陽花の豊かな緑色が彩られるのを待っている

短歌職人
「雨は降る」が降り続く雨をイメージさせて少し陰鬱ですが、「紫陽花」「豊かな緑」「彩り」でイメージがカラフルになります。もうすぐ色付きそうな紫陽花を思わせて明るい印象を残す歌となっています。

 

【NO.4】

『 風通る 次に咲こうと 紫陽花が 緑の列に 並んで揺れて 』

【意味】風が通る。次に咲こうとして紫陽花が緑の列を作って並んで揺れている

短歌職人
並べて植えられた紫陽花が風で揺れている風景を詠んだ歌です。紫陽花たちが自分が咲く順番を、いまかいまかと待って並んでいる様子が想像されます。

 

【NO.5】

『 紫陽花の 小さき花の 開く時 ポツリポツリと 雨降り始む』

【意味】紫陽花の小さい花が開く時、ポツリポツリと雨が降り始める

短歌職人
「ポツリポツリと」が雨の降り始めを表しています。紫陽花が咲き始めると梅雨もやって来る、その梅雨の始まりを詠んだ歌です。

 

 

【NO.6】

『 梅雨暗き 庭もほのかに 明るみぬ 色づき初めし あじさいの花 』

【意味】梅雨の暗い庭も、色付き始めた紫陽花の花で明るくなった

短歌職人
梅雨は薄暗い日が多く、庭も暗く見えたのでしょう。しかし紫陽花が咲き始めたことで景色は明るくなりました。紫陽花の華やかな存在感が際立つ歌です。

 

【NO.7】

『 ベランダに ぶつかる水の ぱらぱらを 数えていたら 紫陽花の朝 』

【意味】ベランダにぶつかる雨のぱらぱらした音を数えていたら紫陽花の咲く朝だった

短歌職人
「ぱらぱら」という雨の音で目が覚めたのでしょうか。水音を数えるように聞いていたら朝だったという歌です。朝の雨の中で咲く紫陽花という光景が印象的です。

 

【NO.8】

『 街道の 開花紫陽花 青と白 川のせせらぎ 軽やか歩く 』

【意味】街道の紫陽花が青と白の花を開かせた。川のせせらぎを聞きながら軽やかに歩く

短歌職人
開花に気付くということは「街道」はいつも通る道なのでしょう。行き慣れた川沿いの道を紫陽花が彩って、足取りも軽やかという爽やかな歌です。

 

【NO.9】

『 あなたまで 君は明るい などと言ふ 紫陽花を花と 定めたように 』

【意味】あなたまで「君は明るい」などと言う。紫陽花を花と断定したように

短歌職人
紫陽花の一般に花とされている部分は本当は装飾花というガクの部分で花ではありません。本当の自分を紫陽花にたとえて、理解してほしかったのにという失望を詠んだ歌です。

 

【NO.10】

『 晴れた日に 空へと去った 雨にまた おいでおいでと 伸びる紫陽花 』

【意味】晴れた日に空へ去っていった雨に、またおいでおいでと紫陽花が伸びる

短歌職人
他の植物より多くの水を吸収して育つ紫陽花は雨が好きなのかもしれません。紫陽花が雨を「おいでおいで」と呼ぶところを想像すると微笑ましいですね。

 

紫陽花をテーマにしたおすすめ一般短歌ネタ【後半10首

 

【NO.11】

『 その刹那(せつな) 足を止めずに いたのなら 気付かなかった 紫陽花の花 』

【意味】その瞬間に足を止めずにいたら紫陽花の花に気が付かなかった

短歌職人
何かがあって足を止めた瞬間に、そこに咲いていた紫陽花に気が付いたのでしょう。倒置法を使って、紫陽花が咲いていたことへの感動を表しています。

 

【NO.12】

『 朝露に 濡れし紫陽花 つややかに 我のみ知れる 美しさ哉 』

【意味】朝露に濡れた紫陽花はつややかで、私だけが知った美しさだよ

短歌職人
朝露に濡れた紫陽花の美しさに感動したという歌です。早朝でまだ周りには誰もいなかったのでしょう。濡れた紫陽花の美しさを独り占めできた気分がしたのでしょうね。

 

【NO.13】

『 いつか見た 虹の始まり 紫陽花と カタツムリの ランデブー 』

【意味】いつか見た虹の架かり始めに、紫陽花とカタツムリがデートしていた

短歌職人
紫陽花とカタツムリという構図はイラストなどでも多く見かけますね。雨上がり、虹の下で紫陽花とカタツムリが仲良くデートしているという可愛らしい歌です。

 

【NO.14】

『 夏霞(なつがすみ) 朝露浴びる 紫陽花の 花は匂えど 声は聞こえず 』

【意味】夏霞の朝露を浴びる紫陽花の、花の香りはするけれど声は聞こえない

短歌職人
「夏霞」は初夏、夕立があった翌日に出る霧のことです。しっとりと濡れた紫陽花は香りはしてもしんと静かだという歌で、早朝の静けさの中に立つ紫陽花の姿を詠んでいます。

 

【NO.15】

『 一輪の 紫陽花と待つ 待ち合わせ 時計を見ると 僅かに早く 』

【意味】一輪の紫陽花と待っている待ち合わせ。時計を見ると僅かに早かった

短歌職人
待ち合わせが楽しみで少し早く出てきてしまったようですね。「一輪」の紫陽花はプレゼントでしょうか。紫陽花も一緒に相手を待っているのですね。

 

 

【NO.16】

『 気まぐれの 雨に打たれて 七変化 明日の色を 誰にも知らせず 』

【意味】気まぐれな雨に打たれて、七変化する紫陽花は明日の色を誰にも教えない

短歌職人

紫陽花は花の色を変えるため「七変化」という別名があります。降ったり止んだりの梅雨の雨も気まぐれですが、紫陽花もまた気まぐれのようです。

 

【NO.17】

『 紫陽花が 倒れたままに 咲いており 主亡くした 庭の片隅 』

【意味】紫陽花が倒れたまま咲いている、主を失った庭の片隅で

短歌職人

紫陽花は自分の花の重さで倒れてしまうことがあります。紫陽花の世話をしていた人は亡くなってしまったのでしょう。「庭の片隅」が寂しい印象を残します。

 

【NO.18】

『 紫陽花の 色がひとつじゃ ないように 置かれた場所じゃ 君は決まらぬ 』

【意味】紫陽花の色が一つじゃないように君も置かれた場所じゃ決まらない

短歌職人

紫陽花は色を変化させるため、思い通りの色に咲かせるのは難しいとされています。紫陽花にたとえられた「君」はきっと、周囲に左右されない自由な人なのでしょう。

 

【NO.19】

『 初夏の頃 輝き放ち 潤ふた 紫陽花秋の 風に朽ち逝く 』

【意味】初夏の頃に輝きを放って潤っていた紫陽花は秋の風に朽ちて枯れてしまった

短歌職人

秋に枯れてしまった紫陽花を詠んだ歌です。前半で初夏の紫陽花の姿を瑞々しく描写したことで、枯れた紫陽花のもの悲しさが強調されています。

 

【NO.20】

『 紫陽花は 終わり夏が 動き出す タワーのように 高いかき氷 』

【意味】紫陽花は終わって夏が動き出す。タワーのように高いかき氷だ

短歌職人

梅雨の終わり、夏の始まりですね。「紫陽花」は梅雨の象徴として使われています。タワーのように高く盛られたかき氷が夏の熱気と爽やかさをイメージさせます。

 

以上、紫陽花をテーマにしたオススメ短歌でした!

 

 

短歌職人
今回は「紫陽花」について詠んだ短歌を紹介しました。
紫陽花は日本人にとても身近な花で、じめじめして暗い梅雨の季節に鮮やかに咲くこともあって多くの人に愛されています。皆さんも、紫陽花の花がきれいだな、こんな所にも紫陽花が咲いていたんだな、など紫陽花に心を動かされることがあったら、その気持ちを短歌にしてみるのはどうでしょうか。自分で作った短歌はきっと素敵な思い出となって残るでしょう。