4月といえば春本番、満開の桜をイメージする人も多いでしょう。また4月は入学シーズンですので、新年度のスタートでもあります。
今回は、そんな「4月」をテーマに一般の方が詠んだ短歌を20首ご紹介します。
しだれたる枝を揺らして咲き誇る そうか、きみは桜だったのか #tanka #jtanka #短歌 昨年は4月11日に詠んだ歌でありますが、今年はもう満開。みごと美しくあります。 pic.twitter.com/sk6pwKgaps
— もえ えるんすと ぽー (@moernstpoe) March 28, 2013
4月に関するおすすめ一般短歌ネタ【前半10首】
【NO.1】
『 春になる 風はときどき 一瞬で 私のなかの 全てをさらう 』
【意味】春になる、風は時々一瞬で私の中の全てをさらう
【NO.2】
『 エイプリルフール楽しむ こともなく 早くも花散る 卯月の始まり 』
【意味】エイプリルフールを楽しむこともなく、早くも桜が散っている4月の始まり
散る桜を惜しむ歌です。桜がエイプリルフールを楽しめなかったという表現から、4月の頭にはもう桜が散っていたのだと分かるようになっています。
【NO.3】
『 卯月なり 桜並木は 賑やかも ドライブスルー 大渋滞に 』
【意味】4月だなあ。桜並木はにぎやかだけど、ドライブスルーは大渋滞になっている
【NO.4】
『 芝桜 春を支える 縁の下 桜に負けじと さあ咲きほこれ 』
【意味】芝桜は春を支える縁の下だ。桜に負けずにさあ咲きほこれ
【NO.5】
『 卯月の香 よいに誘う 三日月夜 桜の雨に 傘は出逢いし 』
【意味】4月の香りに誘われて出た三日月夜。雨降る桜の下で傘は出会った
【NO.6】
『 木蓮の 花の間を 風そよぎ 春の息吹を 胸におさめる 』
【意味】木蓮の花の間を風がそよぐ。春の息吹を胸におさめる
【NO.7】
『 祖母が漬け 母に継がれた ラッキョウの 甘酢配合 教わる卯月 』
【意味】祖母が漬けて、母に受け継がれたラッキョウの甘酢の配合を教わる4月
【NO.8】
『 じめじめと 嫌なお天気 梅雨みたい 今は卯月よ まだ春なのに 』
【意味】じめじめと嫌な天気で梅雨みたい。今は4月よ、まだ春なのに
【NO.9】
『 動かない 卯月の風に ふわふわと あくびが生まれ コーヒーを飲む 』
【意味】動きのない4月の風にふわふわとあくびが出てコーヒーを飲む
【NO.10】
『 逢ふならば 卯月の風の やわらかに 頬撫でゆきし みづき咲く頃 』
【意味】出会うなら、4月の風が柔らかく頬を撫でていく、ミズキの咲く頃が良い
4月に関するおすすめ一般短歌ネタ【後半10首】
【NO.11】
『 お花見を しよう桜は いつだって 恋をしている 人に優しい 』
【意味】お花見をしよう、桜はいつだって恋をしている人に優しい
【NO.12】
『 君と見た 桜がいまも 鮮やかで 忘れ方さえ 忘れてしまう 』
【意味】君と見た桜が今も鮮やかで、忘れ方さえ忘れてしまう
もういない「君」と一緒に見た桜が今年も鮮やかに咲いて、思い出も鮮やかによみがえらせてしまうのでしょう。桜の美しさは、忘れてしまいたい気持ちさえも忘れてしまう程のようです。
【NO.13】
『 春風が 黄色の糸で こしらえた ミモザの花で 風はお手玉 』
【意味】春風が黄色の糸で作ったミモザの花で、風はお手玉をしている
【NO.14】
『 公園を 汗をかきかき 巡り行く 卯月と思えぬ 緑よ花よ 』
【意味】公園を汗をかきながら巡り行くと、4月とは思えない新緑と花だよ
【NO.15】
『 眠たいと 言ったそばから くぅくぅと 寝ても覚めても 眠たい春の日 』
【意味】眠たいと言ったそばからくぅくぅと、寝ても覚めても春の日は眠たい
【NO.16】
『 月曜日 覚悟しとけよ 新入生 在校生の 鬼の勧誘 』
【意味】月曜日。覚悟しておけよ、新入生。在校生の鬼のような勧誘
部活の勧誘を詠んだ歌です。「鬼の勧誘」が、新入生を奪い合うような激しい勧誘を思わせます。作者自身もきっと新入生の頃に苛烈な勧誘を受けたのでしょう。
【NO.17】
『 思い切り 深呼吸する さやさやの 涼けき風の 弾む新学期 』
【意味】思い切り深呼吸をする、さやさやと涼しい風の弾む新学期
「さやさや」という擬音語は、葉がこすれ合う時の音を連想させ、風が若葉の間を通り抜けて吹いてきたような清々しさを感じさせます。歌全体が爽やかな印象で、新学期への希望を感じます。
【NO.18】
『 新学期を 待たずに散った 桜花 そよ風となり 僕らを撫でる 』
【意味】新学期を待たずに散った桜の花。そよ風となって僕らを撫でる
桜は散ってしまいましたが、変わりに優しいそよ風が吹いています。そっと撫でるように吹くそよ風が、新しい学年に臨む「僕ら」を見守っているように感じます。
【NO.19】
『 新しい 硬いベルトを 合わせていく 背負って笑う 入学前夜 』
【意味】新しく硬いベルトを合わせていく。入学前夜に背負って笑う
小学1年生が入学式の前の夜に新しいランドセルを背負っているという歌です。入学が楽しみなのでしょう。満面の笑顔や、明日が待ちきれない様子が伝わります。
【NO.20】
『 春なのに 季節外れの 寒い日に 仕舞ったばかりの コート再び 』
【意味】春なのに季節外れに寒い日に、仕舞ったばかりのコートを再び着る
春に突然寒い日がやってきて、仕舞ったコートを出して着た経験のある人は多いのではないでしょうか。春の初めの出来事なのだと伝わりやすく、共感しやすい内容です。
以上、4月に関するオススメ一般短歌集でした!
4月は桜をはじめ沢山の花が咲きそろいます。華やかになった景色を短歌にしてみるのも季節感が感じられて良いでしょう。また、新年度への期待やドキドキを表現するのも、自分ならではの短歌となり面白味も出るのでおすすめです。
ぜひ皆さんも4月の出来事や思いを短歌にしてみてください。