【3月の一般短歌ネタ集 20選】中学生向け!!短歌作りの参考になる短歌例を紹介

 

3月は卒業シーズン真っ盛り。気候が温暖になり、春の花もちらほら咲き始めます。

 

そのため、3月をテーマにした短歌では、訪れた春への感慨や卒業式の様子を歌にしたものが多く見られます。

 

 

今回は、「3月」をテーマにして一般の人が作った短歌を20首ご紹介します。

 

短歌職人
季節感をどのように表現しているかにも注目して鑑賞してみてください!

 

3月に関するおすすめ一般短歌ネタ【前半10首

 

【NO.1】

『 雛の日に ちょっと嬉しい 茶碗蒸し 季節外れに 香る銀杏 』

【意味】ひな祭りの日にちょっと嬉しい茶碗蒸し。季節外れの銀杏が香る

短歌職人
茶碗蒸しは特別な気持ちのする料理です。作者は茶碗蒸しが好きなのですね。ちょっと良いことがあったひな祭を詠んだ歌で、良かったねと思わず言ってあげたくなります。

 

【NO.2】

『 山の中 住む従姉妹のは 七段で 転勤族の ウチは三段 』

【意味】山の中に住む従姉妹の雛人形は七段飾りで、転勤族のうちのは三段

短歌職人

引越しを繰り返す環境では、大きな雛人形は運搬も飾り付けも難しいでしょう。そのことを「転勤族のウチ」と理解しながらも七段をうらやましく思う気持ちがうまく表されています。

 

【NO.3】

『 噴雪花 咲くも覆うか 名残雪 今朝の磐越 雪模様かな 』

【意味】雪柳は咲いたが名残雪が覆ってしまったか。今朝の磐越は雪模様だよ

短歌職人
「噴雪花」は雪柳の異名です。春に雪のような白く小さな花をつけます。そこへ春の雪である「名残雪」が降って覆ってしまったのですね。「雪」という字を3回使って雪の景色を強調しています。

 

【NO.4】

『 早咲きの 薄いピンクに 寒桜 春をつかんだ 合格発表 』

【意味】薄いピンクに色づいてた早咲きの寒桜。春をつかんだ合格発表

短歌職人
合格の喜びを詠んだ歌で「春をつかんだ」にやり遂げた嬉しさを感じます。寒桜もピンク色に咲いてお祝いしてくれているようですね。

 

【NO.5】

『 合格の 知らせに梅花 喜んで 白い笑顔を 見せる春かな 』

【意味】合格の知らせに梅の花も喜んで白い笑顔を見せている春だよ

短歌職人
合格の報告を喜ぶ歌です。梅の花も良かったねと笑っているように見えたのでしょう。作者の嬉しい気持ちが伝わってきます。

 

 

【NO.6】

『 ミニチュアの オルゴール買い プレゼント ホワイトデーの あの娘の笑顔 』

【意味】ミニチュアのオルゴールを買ってプレゼント。ホワイトデーのあの娘の笑顔

短歌職人
バレンタインのお返しに小さなオルゴールを贈ったのですね。「あの娘の笑顔」と体言止めで終わることで笑顔を強調し、自分もまた嬉しかったことを表しています。

 

【NO.7】

『 ホワイトデー もらってない俺 楽だけど 返すやつ見て 気が滅入る俺 』

【意味】ホワイトデーはもらっていない俺は楽だけど、お返しをする奴を見て気が滅入る俺

短歌職人
バレンタインにチョコをもらっていないとお返しを用意する必要はありません。しかし何だか虚しい、と複雑な表情の男子が想像されるユーモアのある歌です。

 

【NO.8】

『 巣立つ君 幸多かれと それだけを 空に放ちて 弥生三月 』

【意味】巣立つ君に幸多きことをと、その願いだけを空に放つ3月

短歌職人
卒業して一人立ちをする「君」の前途を祈る、深い愛情が込められた歌です。「空に放ちて」という表現には開放感を感じ、前途の可能性が大きく開けているのだという希望も感じます。

 

【NO.9】

『 窓ガラス 一枚くらい 割ってれば 卒業式で 泣けたでしょうか 』

【意味】窓ガラスを一枚くらい割っていれば卒業式で泣けたでしょうか

短歌職人
卒業式で、周りの人は泣いていたのでしょう。自分は泣けず、不良行為などの強烈な思い出があれば泣けたかなと思う歌です。少しくらい泣きたかったなと残念に思ったのでしょうね。

 

【NO.10】

『 散々に 僕らを叱った 先生が 涙を見せている卒業式 』

【意味】散々僕らを叱った先生が涙を見せている卒業式

短歌職人
「先生」はいつもは厳しい顔を見せているのでしょう。しかし口うるさく叱るのは生徒を思ってのことだったようです。「先生」の愛情が伝わります。

 

3月に関するおすすめ一般短歌ネタ【後半10首

 

【NO.11】

『 もうきっと 会わないだろう 好きだった 人の姿を 見納む弥生 』

【意味】もうきっと会わないであろう好きだった人の姿を見納める3月

短歌職人
卒業を詠んだ歌です。片想いの相手に最後まで思いを告げられないまま別れたのでしょう。これで見納めと、その人をそっと見つめる恋心にいじらしさを感じます。

 

【NO.12】

『 ふたたびは 逢わじと告げて 別れきつ その三月の 雪降る朝 』

【意味】再び逢うことはないだろうと別れた3月の雪の降る朝

短歌職人

「雪降る朝」という体言止めが余韻を残し、別れの寂しさを際立たせます。

雪の降る朝という情景もまた物寂しいですが、しかし静かな印象があり、悲しさではなく新たな場所へ向かう意志が感じられます。

 

【NO.13】

『 春彼岸 おはぎを作る 手がかりは 祖母の笑顔と 懐かしい声 』

【意味】春彼岸におはぎを作る手がかりは祖母の笑顔と懐かしい声

短歌職人
祖母を思い出しながらおはぎを作っている歌です。今祖母はいませんが、作者は作り方を教えてもらった時のことを声の調子までも憶えているのですね。温かい気持ちになる歌です。

 

【NO.14】

『 彼岸すぎ 花の季節も 北風に 季節忘れた 雪の結晶 』

【意味】彼岸を過ぎて花の季節になったが、北風が吹き季節を忘れたように雪の結晶もできている

短歌職人
3月も後半だというのに雪の結晶が見られたことへの感慨を表しています。雪の結晶は「雪の花」とも言われます。花の季節に咲いたのは雪の花だったのですね。

 

【NO.15】

『 花よ花 咲き急ぐなよ まだ弥生 疼く卯月に まだならぬぞよ 』

【意味】花よ花、急いで咲くなよ、まだ3月だ。心のうずく4月にはまだならないぞ

短歌職人
3月に咲いた花に、春の本番は4月でまだ早いぞと呼びかけている歌です。今から咲くのはもったいないという気持ちも感じます。古来より花と言えば桜ですから、作者が呼びかけているのは桜かもしれません。

 

 

【NO.16】

『 白鳥の 声に駆け出て 仰ぎ見る 弥生の空の その白き列 』

【意味】白鳥の声に走って出て仰ぎ見た3月の空には白鳥の白い列

短歌職人

渡り鳥の白鳥は春になると北へ移動します。作者は白鳥を見送ろうとしたのかもしれません。真っ白い白鳥の列がとても印象的で、その感動を歌にしたのですね。

 

【NO.17】

『 かざぐるま 弥生の風に かろかろと 尖れる先を われへと向ける 』

【意味】風車が3月の風にかろかろと回り、尖った先を私に向けている

短歌職人

春の風に風車が回る情景を詠んだ歌です。「かろかろ」という擬音語が風車の音と、軽やかに回る様子をうまくイメージさせ、穏やかな風が吹いていることを思わせます。

 

【NO.18】

『 里山の 弥生み空の 八重桜 人を想へば 染めたや色の 』

【意味】里山の3月の空と八重桜。人を想って色を染めたのだろうか

短歌職人

八重桜が頬を染めるようにぽっとピンク色になったと想像すると可愛らしいですね。春の空を背景にして咲く八重桜の濃いピンク色が目に浮かびます。

 

【NO.19】

『 春近し そう思わせる 碧空が 雪の川原に 広がる弥生 』

【意味】春は近いと思わせる碧空が雪の川原の上に広がる3月だ

短歌職人

碧空(へきくう)は青空のことです。地方によっては3月はまだ雪も多いですが、青空は多く見られるようになります。春が来るんだなと、青空を見て感じた期待を詠んだ歌です。

 

【NO.20】

『 いよいよと 今生い茂る 草木にて だんだん進む 麗らか弥生 』

【意味】草木はいよいよ今にも生い茂って、麗らかな3月がだんだん進んでいる

短歌職人

「麗らか」は穏やかな晴れの日を表す言葉です。麗らかな春の日などと言いますね。暖かな3月の中で草が芽吹き、木の葉も緑鮮やかに葉を茂らせていく様子が想像されます。

 

以上、3月に詠まれたオススメ短歌でした!

 

 

短歌職人
今回は「3月」をテーマに詠んだ短歌を紹介しました。
皆さんは3月と聞いてどんなことをイメージしますか?
重いコートのいらない春の暖かさや、咲き始めた花のことでしょうか。またはそれまでの環境との別れや、3月ならではの行事でしょうか。
ぜひ自分なりの3月を短歌にしてみましょう。
3月の出来事や3月の思い出を詠みこんで、オリジナルの短歌作りにチャレンジしてみてくださいね。