【8月おもしろ短歌ネタ集 20選】中学生向け!!夏を感じるおすすめ八月短歌を紹介!

 

8月は夏祭りや花火大会などの「夏ならではのイベント」が多くあります。

 

8月をテーマにした短歌にも夏の催しに出かけたことを詠んだものが多く見られ、また一ヶ月を通じて気温の高い日が続くため、暑さそのものを題材にした短歌も少なくありません。

 

今回は、そんな「8月」をテーマに一般の方が詠んだ短歌を20首ご紹介します。

 

 

短歌職人
自分で短歌を作る際の参考にもなりますので、ぜひ目を通してみてください。

 

8月(八月)の一般おすすめ短歌集【前半10首

 

【NO.1】

『 かき氷 専用の器 出したれば 夏がはじまる 八朔の午後 』

短歌職人

「八朔」とは8月1日のことです。家庭でかき氷用に使っている器があり、それを約1年ぶりに出したのでしょう。その行為で「夏がやって来た」と実感したことや、今日から8月だとの感慨を体現止めで表現しています。

 

【NO.2】

『 猛暑日の 合間を縫って 吹く涼風 あの人は今 何してるかな 』

短歌職人

汗ばむ猛暑の中で一瞬風が吹いて、作者はその涼しさにほっとしたのではないでしょうか。そして大切な「あの人」のことが心に浮かんだのでしょう。「あの人」も涼風のように優しく、ほっとさせてくれるような人なのかもしれません。

 

【NO.3】

『 蝉の声 一斉に鳴く その姿 時を知ってか 知らないのか 』

短歌職人
セミは何年も土の中で過ごし、地上に出て7日程で生涯を終えます。セミに時間の感覚があるのかは分かりませんが、一斉に鳴くその姿は作者には時を惜しんで懸命に鳴いているように感じられたのかもしれません。

 

【NO.4】

『 8月も やはり恒例 この暑さ 散歩はお日様 お目覚めすぐに 』

短歌職人
「やはり恒例」に「毎年のことだ、今年もやっぱり暑い」と苦笑するような気持ちを感じます。恒例行事のような猛暑の過ごし方も作者はお手のもので、早朝の散歩を日課としているのでしょうか。お日様もお目覚めすぐではさすがに本気は出せませんからね。

 

【NO.5】

『 エアコンの 温度調整 難しく 風邪を引きそう 葉月のはじめ 』

短歌職人
急に猛暑日になると体が慣れていなくて余計に暑く感じ、ついエアコンの温度を必要以上に下げてしまいがちです。体の冷やしすぎには注意すべきと、身をもって教えてくれるような歌です。

 

【NO.6】

『 夏の空 グラスの中に 麦茶いれ 入道雲を 映し飲み干す 』

短歌職人
「コップ」ではなく「グラス」としたところに、ガラスの硬質さや冷たさ、透明感が感じられます。麦茶もキンと冷えているのでしょう。暑い夏だからこその麦茶の美味しさ、一気に飲み干す快さが想像できる清涼な印象の歌です。そして入道雲も一緒に飲み干してしまったかのような描写はとてもロマンを感じます。

 

【NO.7】

『 来週の お盆に読みたい 本を買い 楽しみ溢れて パラパラとひらく 』

短歌職人
お盆期間中にゆっくり読もうと好きな本を買ったのでしょう。前から読みたかった本なのでしょうか。本を買ったことがとても嬉しいのだと伝わります。来週まで待ちきれない様子ですが、はたして楽しみを取っておくことはできたのでしょうか。

 

【NO.8】

『 夏の陽に 輝く墓石の 群れを縫い 先祖のもとへと たどり着く旅 』

短歌職人
「夏の陽に」という始まりで、お盆のお墓参りの歌なのだと分かるようになっており、墓石を輝かすほどの強い日差しが想像できます。作者の家のお墓は墓地の奥に位置しているのでしょう。並ぶ墓石の中を進む様子を旅にたとえたユーモアのある歌です。

 

【NO.9】

『 ひまわりの 浴衣に青い 帯締めて 高鳴り抑え さあ夏祭り 』

短歌職人
「帯締めて」からは準備万端、気合い十分といった気持ちが伝わり、夏祭りへの期待と興奮が感じられます。ひまわりの黄色、帯の青と色彩も鮮やかで夏らしく、明るく元気な印象の歌となっています。

 

【NO.10】

『 夏の朝 爽やかな風 吹き抜けて 黒髪揺れる あの娘愛おし 』

短歌職人
夏の朝のまぶしい光に黒髪が輝いて、風になびいて揺れているところがイメージされます。作者はそれを後ろから見つめているのでしょうか。やっぱりあの子が好きだなあとしみじみ感じている様子が伝わる歌です。

 

8月(八月)の一般おすすめ短歌集【後半10首

 

【NO.11】

『 公園で 耳をつんざく 熊蝉も 突如の雷雨に 姿くらまし 』

短歌職人
作者は公園にいて雷雨に遭遇し、雨をしのげる場所に避難したのでしょう。そしてさっきまで鳴いていたセミの声がしないことに気が付いたのかもしれません。「耳をつんざく」音量で鳴いていた熊蝉も、突然とどろいた雷の音にはさすがにビックリして身をひそめてしまったのでしょうか。

 

【NO.12】

『 鮮やかに 入道雲が 盛られゆく ソフトクリーム 巻く手を見つめる 』

短歌職人

ソフトクリームが盛られていく様子はつい見とれてしまいます。その手際が鮮やかならなおさらです。高く盛られていく白いソフトクリームを見て、作者は入道雲をイメージしたのでしょう。「入道雲」という一言が歌を一気に真夏らしい印象にしています。

 

【NO.13】

『 容赦なく 溶かせ葉月よ この身体 君に届かぬ 想いもろとも 』

短歌職人
暑さのあまり体が溶けてしまう歌と思わせて、失意の恋を詠んだ歌です。叶わぬ恋なら想いも体も溶けて無くなってしまいたいという苦しい胸の内が想像できます。恋の辛さとともに8月の暑さも表現されています。

 

【NO.14】

『 この揺れが 熱中症か 寝不足か 地震か何か わからねぇ夏 』

短歌職人
最後に「夏」とあるので、揺れは暑さから来るものでしょう。「わからねぇ」と言葉を崩したところに、めまいを起こしそうな暑さなのだと想像できます。寝不足でもあるようなので、まずは涼しいところでゆっくりと休んでほしいですね。

 

【NO.15】

『 ゲリラ雨 今日は花火の 夜なのに 逃げる浴衣の 裾が滴(したた)る 』

短歌職人
突然の豪雨に慌てて屋根のある場所まで走ったのでしょうか。激しい雨に全身濡れてしまったのでしょう。「夜なのに」には、せっかくの浴衣も花火も台無しにした雨への恨めしさが感じられます。

 

【NO.16】

『 濃緑の むせかえるような 夏草に 今日を限りと 鳴く蝉の声 』

短歌職人

草木が生い茂り、真夏の日差しに熱せられて草の匂いが辺りに充満している様子が想像できます。そこには命の限りに鳴くような蝉の声が響き渡っているのでしょう。真夏の熱気、匂い、音を体感させてくれるような歌です。

 

【NO.17】

『 西瓜玉 白皮含む ひとかけら 食べよと小突く 姉の片肘 』

短歌職人

「西瓜玉」とあるので、一玉を割って食べているのでしょう。食べ終わろうとしたスイカにまだ赤い部分が残っていて「食べなよ」とお姉さんに小突かれたのでしょうか。食べたスイカの皮をお互いに見比べているのかと思うと微笑ましくなります。

 

【NO.18】

『 夏祭り。花火を見上げ 笑む隣、こっそり撮った 君の横顔 』

短歌職人

花火を撮るふりをして、好きな人の笑顔をこっそり画像に収めたのでしょう。句読点を用いることで感動のポイントが分かりやすくなっています。「夏祭り。」という詠嘆には、「君」の笑顔を見られた、それを写真に撮ることができたことの嬉しさを感じます。

 

【NO.19】

『 汗・日焼け・痣(あざ)・肉刺(まめ)・突き指・仲間割れ 三年間を いまかっ飛ばせ 』

短歌職人

甲子園球児をテーマにした歌です。第三句までは練習の苦しさや厳しさが表現されて、中には痛々しいものもありますが、第五句でそれらを全て「かっ飛ばせ」と締めて快活で清々しい歌となっています。第三句までのリズムも小気味良いですね。

 

【NO.20】

『 燃え落ちる 線香花火が 暗闇に ひそやかに打つ 夏のピリオド 』

短歌職人

線香花火の火が最後にポトリと落ちる様子をピリオドの点にたとえて夏の終わりを表現した歌です。火花のように激しく熱かった夏がひっそりと終わっていくことへの寂しさが、読後に余韻となって残ります。

 

以上、8月をテーマに詠んだオススメ一般短歌集でした!

 

 

今回は「8月」をテーマに詠んだ一般短歌を20首紹介しました。

 

8月をテーマにして短歌を作る際は、夏の風物詩や夏を思わせる言葉を詠み込むと8月らしい印象となります。

 

「お盆、かき氷、セミ、ひまわり、浴衣、花火」など、夏をイメージする言葉は色々とあるので、言葉に迷っているという人は試してみてください。またシンプルに「夏、真夏」などの言葉を使うのも良いでしょう。

 

短歌職人
皆さんもぜひ8月に感じたことや、夏の思い出などを短歌にして表現してみてください。