【6月の一般おすすめ短歌集 20選】中学生向け!!短歌作りの参考になる短歌ネタ例を紹介!

 

6月は梅雨のために雨降りが続きがちなこともあって、多くの人が6月と聞けば真っ先に雨をイメージします。

 

6月に詠まれた短歌もやはり雨について歌ったものが多く、次いで紫陽花や傘など雨につながるものが多い傾向にあります。

 

 

今回は、そんな「6月」をテーマに一般の方が詠んだ短歌を20首ご紹介します。

 

短歌職人
自分で短歌を作る際の参考にもなりますので、ぜひ目を通してみてください。

 

6月をテーマに詠んだ一般おすすめ短歌集【前半10首

 

【NO.1】

『 やわらかい 髪質の君 結ぶ日が 増えたくるりん そうだもう梅雨 』

短歌職人

柔らかい髪質の「君」は湿気が気になって結ぶようにしたのでしょう。空模様ではなく髪型を見て梅雨に気付くというところが面白い歌で、いつも「君」をそっと見ていたのだろうと思わせます。

 

【NO.2】

『 ごろごろと とどろく雷 雨ざぁざぁ 頼むよ神様 よき塩梅で 』

短歌職人

「ごろごろ」「ざぁざぁ」という擬音語を使うことで激しく荒れた天候が読み手に伝わりやすくなり、あまり荒れないでくれよと神様に祈る気持ちに共感しやすくなっています。梅雨に入ることを入梅と言いますが、塩梅はそれを意識しているのでしょうか。

 

【NO.3】

『 青草の 萌え出る野辺 長梅雨の 雨の降りけり 心静けき 』

短歌職人
心が静かだという結びから、作者の見ている景色もまた静かに雨が降っているのだろうと思わせます。「萌え出る」という表現からは青々と茂った草の息吹や、草と雨の匂いを感じます。作者は雨を眺めながらしばらく過ごしていたのでしょうか。

 

【NO.4】

『 夕焼けの 銀輪の風 涼しけり 止まれば暑い 水無月の晴れ 』

短歌職人
梅雨の晴れ間、夕焼けの中を自転車に乗っているのでしょう。湿度が高くて汗ばむことや、走り出した時に汗をかいたところに風が当たって快さを感じている様子が想像されます。「止まれば暑い」は端的な表現ですが、自転車が止まった時に感じる蒸し暑さがよく伝わります。

 

【NO.5】

『 雨が降る ことが嬉しい 花柄の 傘を咲かせて 歩く水無月 』

短歌職人
花柄の傘は買ったばかりでしょうか。傘の花を咲かせるという表現でうきうきしている様子が感じられます。ちょっとしたことで雨も楽しく感じられるのだと伝えてくれる歌です。

 

【NO.6】

『 六月の 空に閃く ひび割れは 真夏の雛が 出てくる合図 』

短歌職人
空を大きな卵に、雷を卵のひび割れにたとえた歌です。スケールが大きく、曇り空の亀裂からは今にも巨大な雛が顔を出しそうで、間もなく来る夏への期待を感じさせます。

 

【NO.7】

『 牛丼の 蓋を開けば 六月の つゆだくで溺れる 紅生姜 』

短歌職人
「つゆ」は「汁」と「梅雨」「露」と掛けているのでしょう。つゆに溺れてしまった紅生姜に焦点を当てて、牛丼の器の中に梅雨をイメージして見るという面白味のある歌です。

 

【NO.8】

『 曇天に たった1点 青い空 広がるその日が 楽しみな梅雨 』

短歌職人
雲の中に一点だけ見えた青空への感慨を体言止めで表しています。空を覆う雲の暗さと、対照的な青空の色が印象的な歌です。これから青空はどんどん広がり、雲一つない眩しい夏が来るのだという期待を感じます。

 

【NO.9】

『 梅雨の色は 薄むらさきの 花の色 しとどに降れる 霧雨の色 』

短歌職人
紫陽花、キキョウ、花菖蒲など、梅雨の頃には薄紫の花が多く見られます。その色が霧雨の色だという表現は、花の色が雨に溶けたようで綺麗ですね。薄むらさきという大人っぽい色からは、しっとりとして静かな印象も受けます。

 

【NO.10】

『 明けてから 暮れゆくまでが 瞬く間 長い夏至の日 君との時間 』

短歌職人
夏至は一年で一番日中の時間が長い日ですが、大好きな相手と過ごしていれば瞬く間です。長いはずの日と自分の体感が一瞬であったことが対比となって、時間の短さが強調されています。「君との時間」はそれ程楽しいものだったのでしょう。

 

6月をテーマに詠んだ一般おすすめ短歌集【後半10首

 

【NO.11】

『 梅の実の 匂ひかおるや 梅雨空に 月は昇らず せめて梅星や 』

短歌職人
6月は梅の実が完熟し、梅干しを漬けるのに良い時期です。第二句まで梅の香りへの感慨を表し、梅からのつながりで梅雨の夜空へ視点を移して、月も星も見えないけどせめて梅星を見ようよと洒落を効かせている歌です。

 

【NO.12】

『 憂鬱を 誰かのせいに したいから 梅雨を手招く ベランダの僕 』

短歌職人

作者は雨とは関係のないことで憂鬱なのですが、それを何でもない時に表には出したくないのでしょう。雨が降れば周囲と一緒に憂鬱な顔をしても不自然ではないので雨を待っているのです。ベランダで手招くという描写から今すぐ雨が降ってほしい気持ちが伝わります。

 

【NO.13】

『 早すぎの 梅雨明けなりて 水不足 心にかかる 水無月過ぎゆく 』

短歌職人
梅雨の雨には多くの人が煩わしさを感じるものですが、梅雨明けが早ければ水不足が心配されます。お米や野菜を育てている農家など、雨が降らないと困る人の目線で詠まれた歌です。

 

【NO.14】

『 梅雨ぐもり 空も地上も 色ぞなき ただ夏つばきの 白に目醒むる 』

短歌職人
ぐずついた天気が続くと景色も暗く見えてしまいます。そんな色味の感じられない風景の中で、夏椿の真っ白な花を見て目が覚める思いがしたのでしょう。「白に目醒むる」からは、はっとした感動が伝わります。

 

【NO.15】

『 夏至の候 昼は長く なりぬれど 梅雨空長く 陽いと恋し 』

短歌職人
夏至になっても、いつも暗い梅雨の曇り空では日が長くなったことをそれ程実感できません。「いと恋し」という結びが、お日様や晴れた青空が見たいという気持ちを強調しています。

 

【NO.16】

『 雨を呼ぶ かえるの傘と ながぐつと 無邪気に笑う 黄いろのかっぱ 』

短歌職人

雨具を買ってもらった子供が嬉しくて家の中で披露しているのでしょうか。新しい雨具を使いたくて、早く雨が降るといいなと無邪気に言っているのかもしれません。多くの大人が嫌だなと感じてしまう雨ですが、傘のカエルが雨雲を呼んでくれるといいですね。

 

【NO.17】

『 無邪気なる お茶目な君と 出逢った日 夏至のあの日に 恋は訪れ 』

短歌職人

恋に落ちた夏至の日を思い出しているのでしょう。無邪気なお茶目な「君」は太陽が一番長く出ている日にふさわしい、明るく輝く人なのではないでしょうか。作者は毎年夏至が来るたびに、太陽のような「君」との出会いを思い出しているのかもしれません。

 

【NO.18】

『 雨降る日 紫陽花を見て 足止める ぬれる姿に 傘かたむける 』

短歌職人

雨に濡れる紫陽花を見て思わず足が止まったのでしょう。濡れっぱなしで可哀想に感じたのかもしれません。作者はしばらく紫陽花と共に傘をさしながら、会話をするように花を見つめていたのではと思わせる、どこか感傷的な歌です。

 

【NO.19】

『 間違えて 買った高めの 豚コマを 多めに使う そんな父の日 』

短歌職人

豚コマ肉を使ってお父さんの好物を作ってあげたのでしょうか。間違えて買ったものを使うところに、ちゃっかりした性格を感じます。しかしお父さんは、父の日だから高いお肉を買ったものと思って喜んで食べたのかもしれません。お父さんが嬉しければ父の日のプレゼントは大成功です。

 

【NO.20】

『 燦々と 夏の陽射しが 照りつける 梅雨空どこへ 灼熱の日々 』

短歌職人

太陽が光り輝いて眩しい様子を表す「燦々と」、「陽射し」「照りつけ」「灼熱」と暑さを表す言葉を繰り返して、作者の感じている熱気を強調しています。まだ梅雨は明けていないはずなのに夏が来るのが早すぎるよと困惑しながら空を見上げている様子が想像される歌です。

 

以上、6月に関するオススメ一般短歌集でした!

 

 

今回は「6月」をテーマに詠んだ一般短歌を20首紹介しました。

 

梅雨や紫陽花などを短歌に詠み込むと6月らしい短歌になります。

 

他にも夏至、父の日、ジューンブライドなどの6月からイメージされる言葉をキーワードとして使っても、季節を感じられる短歌を作ることができます。

 

6月に行われる学校行事などを題材にするのも良いでしょう。

 

短歌職人
皆さんもぜひ6月をテーマにした短歌作りにチャレンジしてみてください。