【11月一般短歌ネタ集 20選】中学生向け!!秋の季節に詠みたいおすすめ短歌作成例を紹介

 

11月は初旬に立冬があり、地方によっては初雪が観測される月です。

 

昼間の気温も一気に下がるため秋の終わりと冬の訪れを意識して、冬支度にとりかかるという家庭も多くあるでしょう。そのため、11月をテーマにした短歌にも、晩秋と初冬の情緒を詠み込んだものが多く見られます。

 

 

今回は、そんな「11月」をテーマに一般の方が詠んだ短歌を20首紹介していきます。

 

短歌職人
自分で短歌を作る際の参考にもなりますので、ぜひ最後まで読んでください。

 

11月に詠んだ一般おすすめ短歌ネタ集【前半10首

 

【NO.1】

『 秋深し ドレスアップの こどもたち 飴を手に手に 笑顔でパチリ 』

短歌職人

「飴を手に手に」から七五三の歌だと分かります。着物の子供たちが神社で記念撮影するところを見かけて作者は11月だなと思い、晩秋を感じたのでしょう。親子で混みあう神社のにぎやかさが想像される微笑ましい歌です。

 

【NO.2】

『 消防の 注意が告げる 乾燥と 寒気とストーブ いざ冬支度 』

短歌職人

冬になると火災予防を呼びかける消防車を多く見かけます。消防車の鳴らす警鐘が聞こえてきて作者は「冬だな」と実感し、冬支度をしようと思ったのでしょうか。「いざ冬支度」という体言止めに「よし、やるぞ!」という冬支度への前向きさが表れています。

 

【NO.3】

『 立冬の オレンジの朝 冷えた風 薄い上着を 通り抜けゆく 』

短歌職人
「オレンジの朝」が冬の早朝の空の色を爽やかに表現し、眩しさを感じさせます。冬の始まりの日は爽やかだけど寒く、明日から厚い上着を着なければな…という心の呟きが伝わるような歌です。

 

【NO.4】

『 枯草に 光差し込み 緩やかに 心和まん 晩秋の夕 』

短歌職人
晩秋の夕日の光が枯草と枯草の隙間に差し込んでいるのが見える、その光の優しいことよ、といった感慨が感じられます。枯草と夕日という暖かみのある色味が歌の印象を柔らかくしています。

 

【NO.5】

『 よく晴れた 朝の空気は 冷たくて ふと思い立つ 今日は立冬 』

短歌職人
外へ出ると朝の空気がひやりと冷たく、今日は立冬だったなと思い出したという歌です。気持ちをそのまま短歌にしたことで、冬を意識した心の動きや、冬の朝の澄んだ空気の冷たさが読み手にも率直に伝わります。

 

【NO.6】

『 忙しい 慌ててするは 冬支度 野山の色も 急に変わる 』

短歌職人
急に寒くなって一気に冬支度をしなければならなくなったことが初句の「忙しい」に表れています。紅葉に染まっていた山も気がつけば冬の色に変わっており、作者は巡る季節の早さに驚いたのではないでしょうか。

 

【NO.7】

『 風強く そば屋の門(かど)を くるくると 落葉転がる 今日は立冬 』

短歌職人
「くるくると落葉転がる」が建物の間で吹くつむじ風を想像させ、乾燥した冬の風を思わせます。「そば屋」からは湯気の上がる熱いそばが連想され、風の冷たさと対比になって「今日は立冬」という冬への思いを強調しているように感じられます。

 

【NO.8】

『 手をつなぎ イチョウ並木を 散歩する 澄んだ青空 黄金色映ゆ 』

短歌職人
天気の良い日に手をつないで散歩をする、晩秋の穏やかな1日を描いた歌です。空の青とイチョウの黄色が鮮やかで、明るい色彩によって作者の散歩を楽しむ気持ちや景色への感動が読み手にも伝わります。

 

【NO.9】

『 空が澄み 雲は流れし 天高く 霜月凍え 来る冬音 』

短歌職人
古語を使うことで11月の空の美しさが強調され、情感を高めています。「霜月」は11月のことであると同時に、寒さに凍える月の姿も表しているのでしょうか。

 

【NO.10】

『 誰そ彼と 問う間もなくて 霜月の 夜の入り口 月はのぼりぬ 』

短歌職人
黄昏時があっという間に過ぎる程に、日が沈むのが早い11月を詠んだ歌です。確かに11月はそれまでと比べて急に日没が早くなったと感じます。うかうかしていると「夜の入り口」の中へ迷いこんでしまうかもしれません。

 

11月に詠んだ一般おすすめ短歌ネタ集【後半10首

 

【NO.11】

『 晩秋は 無人の駅に すでに降(ふ)り ベンチの枯葉は 低き陽のなか 』

短歌職人
「駅にすでに降り」で、晩秋が電車よりも早く駅に到達していたことをイメージさせ、あっという間に過ぎようとしている秋の終わりを思わせます。駅を「無人の」としたことで寂しい気持ちが伝わり、ゆく秋を惜しむ心が感じられる歌です。

 

【NO.12】

『 初雪は 体温にとけ 儚くて 淡い冷たさ 冬の入り口 』

短歌職人

作者は初雪が降るのを見上げ、手や顔に落ちた雪が溶けて消えていくのを感じていたのでしょう。まだ積もる力のない初雪の儚さと、間もなくやって来る本格的な冬への予感が幻想的に描かれています。

 

【NO.13】

『 夕焼けに 初雪サイン 探す我 なにを語るか この雲行きは 』

短歌職人
初雪が降るかと思って空を見つめているという歌です。第四句と第五句の倒置法を使った疑問形から、流れる雲を観測して天気を真面目に推察する姿が想像されます。初雪のサインは発見できたのでしょうか。

 

【NO.14】

『 霜月の 月を数えて 紅葉狩り 凍てつく風に もみじ赫(あか)らむ 』

短歌職人
第五句のひらがなの「もみじ」は手を表しているのでしょう。凍てつく風の中で真っ赤な紅葉のように自分の手も赤くかじかんでしまったよと、作者は11月の風の冷たさを強調したのではないでしょうか。

 

【NO.15】

『 夜を籠めて 星ふる美空 ふり仰ぐ 愛しき人は 何をか祈らむ 』

短歌職人
11月に見られるしし座流星群を題材にした歌です。星の降る夜空を見上げながら作者は「あの人は星に何を祈ったのだろう」と愛する人の心を想像します。全体的に美しい言葉で表現されていて、星空にも愛情にも、純粋さや神聖さが感じられます。

 

【NO.16】

『 木枯らしが 淋しく叫ぶ 並木道 繋ぐ手の熱、心を癒す 』

短歌職人

「淋しく叫ぶ」に木枯らしの鋭い音が物悲しく響く様子が想像されます。その音に作者は寒々しく淋しい気持ちになったのでしょうが、つないだ手の温かさにほっとして、心が救われたように思ったのではないでしょうか。

 

【NO.17】

『 野の花は 季節先取り 冬支度 綿毛をまとい 秋晴れ楽し 』

短歌職人

「季節先取り」から、花が冬のオシャレを楽しんで秋晴れの中で得意気にしている姿が想像されます。何だかうらやましくなって、自分も冬のコートを用意しなければと思ってしまうような歌です。

 

【NO.18】

『 ひらひらと 舞踊り落つ 黄金の葉 過ぎゆく秋を 惜しむかのよう 』

短歌職人

「黄金の葉」はイチョウを表現しているのでしょう。イチョウの葉が落ちる様子を擬人法を使って軽やかなダンスのように見せています。行く秋を惜しむ気持ちをイチョウに投影した綺麗な歌です。

 

【NO.19】

『 はんぶんこ キミはアタマで 僕しっぽ 木枯らしすらも ぬるく思へし 』

短歌職人

たい焼きを半分こにしたのでしょう。「僕しっぽ」に「キミ」への優しさが表れています。二人でいれば木枯らしも寒くないという仲の良さが感じられる、読み手まで温かな気持ちのする一首です。

 

【NO.20】

『 真っ白な サザンカそっと 唇に 添えてあなたを 思い出す冬 』

短歌職人

サザンカは11月を代表する花の一つです。「真っ白な」が雪景色を思わせ、サザンカとともに冬をイメージさせますが、「唇に」には熱を感じます。冬の冷たさと熱い愛情が対比となっていて「あなた」への想いの強さをを思わせる歌です。

 

以上、11月について詠んだオススメ一般短歌集でした!

 

 

今回は「11月」をテーマに詠んだ一般短歌を20首紹介しました。

 

11月は急に寒くなったり日が短くなったりと、季節の移り変わりに気が付くことが多くあります。皆さんもぜひ、季節の変わり目に感じたことを短歌で表現してみましょう。

 

また、木枯らし、イチョウ、立冬、初雪など、11月からイメージされる言葉を短歌に詠み込むのもおすすめです。

 

短歌職人
季節を感じられる言葉を入れて、11月をテーマにしたオリジナルの短歌作りに挑戦してみてください。