【恋の短歌 30選】超おすすめ!!知っておきたい有名短歌(和歌)作品集を紹介!

 

みなさんは有名な恋の短歌をご存知ですか?

 

想いを5・7・5・7・7の31文字にこめてつづったものは美しいもの、切ないものまで色々有ります。

 

昔の和歌と現代短歌では表現の仕方は大きく変わってはいますが、相手への純粋な恋心は同じです。

 

今回は、恋をテーマにした昔の有名短歌(和歌)と現代有名短歌をご紹介いたします。

 

短歌職人
ぜひご自分で作る際の参考になるものを見つけてみてください!

 

恋の有名短歌(和歌)集【現代短歌15選】

 

まずは語感的にみなさんの感覚に近い現代短歌からご紹介します。

 

明治の歌人、樋口一葉と与謝野晶子から、後半はガラッと変わって今どきらしい現代の口語体の短歌を楽しんでみてください。

 

【NO.1】樋口一葉

『 よそながら かげだに見んと 幾たびか 君が門をば 過ぎてけるかな 』

意味:それとなく、せめて影だけでも見たくて何度もあなたの家の門を行ったり来たりしています。

短歌職人
「よそながら」=それとなく、愛する人の家の前を気づかれないようにそっと行ったり来たり、今ならストーカーに間違われかねませんが、影だけでも見たい!という内気な女性の行動として受け止めましょう。

 

【NO.2】樋口一葉

『 わかれんと 思ふばかりも 恋しきを いかにかせまし 逢はぬ月日を 』

意味:いっそ別れようと思うばかりに恋しい思いをどうしたらいいのでしょう。逢わない月日をどう過ごしましょう。

短歌職人
逢えない日が辛すぎて別れてしまった方がいいのかと思うほど思いつめる恋心なのですね。「いかにかせまし」=どうしたらいいのかわからなくなる、というような二人の間柄も想像しちゃいますね。

 

【NO.3】樋口一葉

『 つくづくと 打まもりても あられねば さしむかふこそ くるしかりけれ 』

意味:しみじみと心を守りながらいなければならない恋こそが苦しいものです。

短歌職人
一葉は苦しい恋をしていたのでこのような辛さを歌った短歌が多いのですが、切羽詰まったような言葉にも品がありますね。

 

【NO.4】与謝野晶子

『 くろ髪の 千すじの髪の みだれ髪 かつおもひみだれ おもいみだるる 』

意味:私の黒髪の千すじもの豊かな髪が、思い乱れるたびごとにさらに乱れていきます。

短歌職人
「みだれ髪」で有名な短歌です。なんとも妖艶な黒髪姿の自分を歌ったものですね。「髪」と「乱れ」を繰り返して奥ゆかしい一葉とは正反対の、積極的で官能的な歌です。

 

【NO.5】与謝野晶子

『 わが恋は 虹にもまして 美しき いなづまとこそ 似むと願ひむ 』

意味:私のあなたへの恋は虹よりも美しく稲妻のように激しくあって欲しいと思っています。

短歌職人
激しい恋心ですね。稲妻で感電死しない強い男でないと受け止められません。「虹」の美しさと「いなづま」の激しさで空のキャンバスに対照的な絵で視覚的に気持ちを描いているのがさすがです。

 

【NO.6】与謝野晶子

『 その子二十 櫛にながるる 黒髪の おごりの春の うつくしきかな 』

意味:その人は20歳。櫛ですいた黒髪が誇りに満ちている青春のなんと美しいことよ。

短歌職人
実はこれ、傍目に見ている女性のことではなく晶子自身の黒髪のことなのですよ。自慢の黒髪をここまで自慢気に詠みあげられると、どれほどのものなのか一度お会いしたくなりますね。

 

【NO.7】山川登美子

『 それとなく 紅き花みな 友にゆづり そむきて泣きて 忘れ草つむ 』

意味:気づかれないように華やかな恋を友だちに譲って、私は背を向けて泣きながら忘れな草を摘んでいます。

短歌職人
この方は与謝野晶子の恋のライバルだった方で、「友」というのは晶子のことです。潔い身のひきかたですね。

 

【NO.8】北原白秋

『 ヒヤシンス 薄紫に 咲きにけり はじめて心 ふるいそめし日 』

意味:ヒヤシンスが薄紫色に咲いたよ。はじめてあなたに心を震わせた初恋の日に。

短歌職人
男性に恋の始まりを花で表現されると高尚だと感じるのですが、この時の恋が不倫だったなると微妙ではあります。好きになる気持ちは止められないってことですね。「ヒヤシンス」は春の季語です。

 

【NO.9】俵万智

『 この味が いいねと君が 言ったから 七月六日は サラダ記念日 』

意味:このサラダの味がいいねとあなたが言ったから、その七月六日はサラダ記念日にしよう。

短歌職人
ここからは読みやすい口語体が多くなります。これはドラマにもなった有名な短歌ですね。どの家庭でも食べられているサラダをネタに恋人との食事の一コマをそのまま口語で詠んだ、画期的な短歌で一世を風靡しました。

 

【NO.10】俵万智

『 嫁さんに なれよだなんて 缶チューハイ 二本で言って しまっていいの 』

意味:オレの嫁さんになれよだなんて缶チューハイ2本飲んだところで言ってしまっていいの?

短歌職人
恋の歌かと言われると微妙かもしれませんが、間違いなくプロポーズの場面ですよね。2本の缶チューハイを家で飲む(2杯だとお店かも)関係で、彼女の方も「それでいいの?」と突っ込んでいるのがほほえましい場面です。

 

【NO.11】俵万智

『 気がつけば 君の好める 花模様ばかり手にしている試着室 』

意味:気がついたらあなたが好きな花模様の服ばかりを手にして試着室に入っていたよ。

短歌職人
相手が好きなものを身につけたいという女心が初々しいですね。きっちり31文字ですが自由律(575に区切られない文章)で、実際に自分でつぶやいているような短歌です。

 

【NO.12】俵万智

『 明日まで 一緒にいたい 心だけ ホームに置いて 乗る終電車 』

意味:明日まであなたと一緒にいたいという心だけをホームに残して終電車に乗ったよ。

短歌職人
燃え上がる恋心を理性でやっと抑えて終電に乗った窓に彼女の顔が張り付いていそうです。

 

【NO.13】田中雅子

『 人づての 便りを拾い 集めれば 嗚呼君が今 この世に生きている 』

意味:人づての便りを拾い集めてみると、ああ、しばらくあっていないあなたが今この世に生きていることがわかったよ。

短歌職人
これは子規が日清戦争に記者として従軍した時、好きだった隅田の桜を思い出して詠んでいます。

 

【NO.14】木下龍也

『 君という 特殊部隊が突き破る 施錠してない 僕の扉を 』

意味:君という特殊部隊が突き破ってくるよ。施錠をしていない僕の心の扉を。

短歌職人
かっこいいですね。男性が女性のアタックを特殊部隊に見立てて頑丈な僕の心を破られた!なんて面白い表現です。

 

【NO.15】佐藤真由美

『 ありがとう いつも一緒に いてくれて たまに一緒に いないでくれて 』

意味:あなたありがとう。いつも一緒にいてくれて。そしてたまに一緒にいないでくれて。

短歌職人
これは相手へ皮肉で言っているのか、自分もたまには一人でいたいからほっておいてくれてありがとう。と本当に感謝しているのか、受け取り側によって異なるところがまた面白い歌です。

 

恋の有名短歌(和歌)集【昔の短歌15選】

 

ここからは昔の短歌をご紹介していきます。

 

昔の短歌とは、いわゆる「和歌」と呼ばれている万葉集・古今和歌集・新古今和歌集の時代に作られた短歌のことです。

 

ここでは特に有名な恋の歌をピックアップしご紹介します。

 

【NO.1】和泉式部

『 あらざらむ この世のほか 思ひ出に いまひとたびの あふこともがな 』

意味:私はもうすぐ死んでしまうでしょう。この世の思い出に、もう一度だけあなたにお会いできたらいいのに。

短歌職人
恋多き和泉式部が病気の時に恋人へ送った和歌なのですが、この後回復しているので本当に死にそうではなかったのかもしれません。最期のお願い、なんて書かれたら会いにいかないと!となりますよね。お上手です。

 

【NO.2】藤原義孝

『 君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな 』

意味:あなたのために命も惜しくはないと思っていましたが、会ってしまうと少しでも長く生きたいと思ってしまうのです。

短歌職人
あの人への想いが遂げられるなら死んでもいい→願いが叶ったらもっと生きていたい、なんともまあ人間らしい身勝手な願いではありますが、こんな素直な熱い短歌を送られたら女性は嬉しいですよね。

 

【NO.3】在原業平

『 きみにより 思ひならひぬ 世の中の 人はこれをや 恋といふらむ 』

意味:あなたによって人を想うことを学びました。世の中の人はこれを恋というのでしょう。

短歌職人
これが恋というものなのか?という初々しい歌かと思えば、これはプレイボーイだった在原業平が詠んだもの。会いに行った友が不在で待たされた後に送ったら「まぁお前が恋に疎い俺に何言ってるんだか」という返歌がきたという面白い続き話もあります。

 

【NO.4】光明皇后

『 我が背子と 二人見ませば いくばくか この降る雪の 嬉しからまし 』

意味:あなたと一緒に見るならば、この美しい雪が降る景色も嬉しいでしょうに。

短歌職人
「背子」=女性が夫や恋人を呼ぶ名。皇后が天皇である夫と一緒に雪景色を見たいというささやかな願いを歌ったというお二人の状況も見えてじんわり沁みてくる歌です。

 

【NO.5】平兼盛

『 しのぶれど 色に出にけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで 』

意味:誰にも言っていない恋だったのに顔色に出てしまっていたようです。恋の悩みがあるのですかと聞かれるほどに。

短歌職人
昔の人もこのように人に隠しきれないほどの恋煩いをしていたのですね。着物を着て想い人を思って隠れてため息をつく姿にはドキッとしそうです。

 

【NO.6】小野小町

『 思いつつ 寝ればや人の 見えつらむ 夢と知りせば さめざらましを 』

意味:恋しい人を思いながら寝たので夢に現れたのでしょう。夢だとわかっていたならば覚めなかったのに。

短歌職人
好きな人が夢に出てきたら「ずっと夢を見ていたかった!」と思うのは今も昔も同じ恋心ですね。可愛らしい短歌です。

 

【NO.7】和泉式部

『 黒髪の みだれも知らず うちふせば まづかきやりし 人ぞ恋しき 』

意味:黒髪が乱れているのもかまわず横になると、その黒髪を手でかきあげてくれたあの人のことが恋しくなります。

短歌職人
みだれ髪といえば与謝野晶子ですが、これも同じように男女の色気ある一幕を思い出させる歌ですね。

 

【NO.8】河原左大臣

『 陸奥(みちのく)の しのぶもぢずり誰故に 乱れそめにし 我ならなくに 』

意味:しのぶもぢずりの乱れ模様のように僕の心が乱れ始めたのは誰のせいでしょう。私のせいではないのに(あなたのせいです)。

短歌職人
「しのぶもぢずり」=東北地方(福島県)の乱れ模様の摺り衣のことで、「しのぶ草」の汁が使われています。この歌のお題であった「しのぶ恋」とかけて詠まれたシャレた短歌ですね。

 

【NO.9】儀同三司母(ぎどうさんしのはは)

『 忘れじの 行く末までは 難ければ 今日を限りの 命ともがな 』

意味:いつまでも忘れないということが将来まで変わらないのは難しいでしょう。だからその言葉を聞いた幸せな今日、命が尽きてしまえばいいのに。

短歌職人
今が幸せであるほど、後で相手が心変わりをするかもしれないと想像するだけで苦しいのでしょうね。男性にはわからない女心かもしれません。

 

【NO.10】陽成院

『 筑波嶺の 峰より落つるみなの川 恋ぞつもりて 淵となりぬる 』

意味:筑波山の峰から流れ落ちてくる男女(みなの)川。私のあなたへの恋もその川のようにやがて淵になるように深くなっていくよ。

短歌職人
「淵」=流れがたまって深くなっているところ。のちの奥様になる「釣殿の皇女」へ送られたもので、少しずつ恋心が深くなっていく様子を川と淵を使って表現した誠実さが伝わる恋歌です。

 

【NO.11】村上天皇

『 思へども なほぞあやしき 逢ふことの なかりし昔 いかでへつらむ 』

意味:あなたを恋しく思っていると、あなたに会う前はどんな気持ちで過ごしていたのか不思議に思われます。

短歌職人
人を好きになったら、好きな人がいなかった時のことは思い出せないほど大きく変わるものなのですね。

 

【NO.12】崇徳院

『 瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ 』

意味:川の瀬の流れが早くて岩にせき止められた流れが分かれたのちにまた一緒になるように、今はあなたと別れても再び逢いましょう。

短歌職人
時代の流れに翻弄された人物なのでその無念の生涯と重ねられる事もある歌ですが、純粋な恋歌としても巧みな表現です。

 

【NO.13】元吉親王

『 詫びぬれば 今はた同じ 難破なる みをつくしても 逢はむとぞ思ふ 』

意味:思い煩った今はもう何をしても同じ事だ。難破にある澪標(みおつくし)のように身を滅ぼしてでもあなたに会いたいと思っています。

短歌職人
通っていた既婚の美女、京極御息所に送った激しい恋歌ですが、のちに恋がバレて謹慎させられています。風流な色男として有名だったので「澪標」と「身を尽くし」の掛詞を使いこなすのもお手の物だったのでしょう。

 

【NO.14】藤原実方

『 かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしも知らじな もゆる思ひを 』

意味:こんなにもあなたに恋をしているなんてとても言えません。伊吹山のさしも草ではないけれど、この燃える想いをご存知ないでしょう。

短歌職人
「さしも草」=ヨモギのことでお灸のモグサの原料です。そう、燃えるので「もゆる思ひ」との掛詞になっています。そしてもう一つ、「いぶき」が「えはや〜いふ」=言う事が出来ないと「伊吹」との掛詞になっている凝った恋歌です。

 

【NO.15】式子内親王

『 玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの 弱りもぞする 』

意味:命と体をつなぐ緒よ、絶えるなら生き絶えて欲しい。生きながらえると、この恋を忍んでいる気持ちが弱ってしまいそうになるから。

短歌職人
「玉の緒」=首飾りなどに使う玉を貫いた緒(ひも)をここでは魂を身体につないでおくひも、として使っています。「絶えてしまえ!」なんて強い語調ですが忍ぶ恋をしているくらい情熱的な方なのでしょうね。

 

以上、恋に関する有名短歌集でした!

 

恋心を限られた語数にぎゅっと詰めて伝えられるとグッときますよね。

 

このように現代ではわかりやすく自由な内容で、語数に縛られない口語体のものもたくさん作られています。

 

短歌職人
まずはみなさんが想うあの人のことを思い出しながら、もしくは想う人がいなければ好きなアイドルやキャラクターへの熱い想いでもいいので、ぜひご自分の恋歌31文字にチャレンジしてみましょう!