【子供がテーマの短歌 20選】子供の成長を願う!!おすすめ有名&一般短歌ネタを紹介!

 

「子供は目に入れても痛くない」とはよく言われる言葉です。

 

それほどに可愛いという意味ですが、親とは子供が生まれると大喜びし、愛情をかけて育てて無事に大きくなることを願うもので、その気持ちは大昔から現代まで変わりがありません。

 

今回は、「子供」をテーマに詠まれた短歌・和歌を20首紹介します。

 

 

短歌職人
有名な短歌と一般の方が作った短歌を合わせて紹介していきますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

 

子供の成長を願う!子供がテーマの有名和歌/短歌【おすすめ10選】

 

短歌職人
まずは古代から現代までに詠まれた子供がテーマの有名和歌・短歌を10首紹介します。

 

【NO.1】山上憶良

『 銀(しろがね)も 金(くがね)も玉も 何せむに まされる宝 子にしかめやも 』

【意味】銀も金も玉も何になるだろう、子に勝る財宝があるだろうか。

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「玉」は宝玉のことです。「しかめやも」は「そのようだろうか、いや違う」という反語表現で、子供が何よりの宝なのだと強調しています。作者はこの他にも我が子への愛情を詠んだ歌を残しており、子供を心から大切にしていたことが伝わります。

 

【NO.2】紀貫之

『 世の中に 思ひあれども 子を恋ふる 思ひに勝る 思ひなきかな 』

【意味】世の中にはさまざまな思いがあるが、子を恋しく思う心に勝る思いはないのだ。

短歌職人
作者は子供を亡くしており、その悲しい出来事があってこの歌を詠んだと言われています。感動や悲しみをいくつも表現してきたであろう作者が、その何よりも子供への恋しさが勝ると言うところに思いの強さを感じます。今も昔も子供を愛する親心の強さは変わりません。

 

【NO.3】中納言兼輔

『 人の親の 心は闇に あらねども 子を思ふ道に 惑ひぬるかな 』

【意味】人の親の心は闇ではないけれど、子を思うと道に迷ったようにおろおろしてしまうのだよ。

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普段どれだけ冷静な人でも、子供のこととなると急に我を忘れてしまう、子供が大事で親バカになってしまうという歌です。それだけ子供というものは親にとって可愛く、心配の種でもあり、愛しいものです。

 

【NO.4】伊藤左千夫

『 よき日には 庭にゆさぶり 雨の日には 家とよもして 児等が遊ぶも 』

【意味】晴れた日には庭のブランコを揺さぶって、雨の日には家中で大騒ぎして子供たちが遊ぶよ。

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「とよもして」は「響もして」と書き、鳴り響かせるといった意味があります。作者は子沢山なので、家の中は毎日にぎやかだったでしょう。元気よく遊ぶ子供たちを見守り、大きくなれよと願う親心が感じられる歌です。

 

【NO.5】与謝野晶子

『 君に似し 二尺ばかりの 人ありて 家うち光れり 神より来しや 』

【意味】君に似た二尺ほどの人がいて家の中は輝くようだ。神の国から来たのだろうか。

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二尺は約60cmです。作者に子供が生まれ、夫に似た小さな子供がいることで家の中が明るく輝いているという歌で、作者夫婦の幸せな様子や子供への愛しさが伝わります。神の国から来たのかと思うほど作者は子供が尊く、可愛かったのでしょう。

 

【NO.6】若山牧水

『 若竹の 伸びゆくごとく こども達よ 真直に伸ばせ 身をたましひを 』

【意味】若い竹が伸びていくように子供たちよ、体を魂を真っ直ぐに伸ばせ。

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竹は成長が早く、曲がらずに真っ直ぐ伸びていきますが、その竹のように成長してくれという歌です。「身をたましひを」からは体だけでなく心も、精神も真っ直ぐにすくすく育てという願いを感じます。

 

【NO.7】半田良平

『 みんなみの 空に向かひて 吾子の名を 幾たび喚ばば 心足りなむ 』

【意味】南の空に向かって我が子の名前を何度呼べば満足するのだろう。

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戦死した我が子を思う歌です。「喚(よ)ぶ」は「召喚」と言うように、「呼ぶ」よりも「物理的に移動して来るように要請する」といった性格のある言葉です。子供に先立たれた親の辛さ、やるせなさが表れている歌です。

 

【NO.8】島木赤彦

『 隣室に 書よむ子らの 声きけば 心に沁みて 生きたかりけり 』

【意味】隣室で本を読む子供たちの声を聞けば心に沁みて、生きたいよと思う。

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作者は病気で部屋で寝ているのですが、隣の部屋から子供たちが本を音読する声が聞こえてきます。その声を聞いていると胸がいっぱいになり、もっと生きたいと心から思ったという内容です。音読ができるまで大きくなった子供たちの成長を作者はもっと側で見続けたいと思ったのではないでしょうか。

 

【NO.9】河野裕子

『 ぽぽぽぽと 秋の雲浮き 子供らは どこか遠くへ 遊びに行けり 』

【意味】ぽぽぽぽと秋の雲が浮き、子供たちはどこか遠くへ遊びに行った。

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「ぽぽぽぽ」という擬音語には、まるでたんぽぽの綿毛が飛んでいくような気ままさを感じます。細かい秋の雲がいくつも浮かぶ様子を表す擬音語ですが、どこかへ遊びに出て行った子供たちを表しているようにも思われます。子供の成長が嬉しいながら、少し寂しい親の気持ちを詠んだ歌です。

 

【NO.10】佐佐木幸綱

『 のぼり坂の ペダルを踏みつつ 子は叫ぶ 「まっすぐ?」、そうだ どんどんのぼれ 』

【意味】上り坂のペダルを踏みながら子供が叫ぶ。「まっすぐ?」そうだ、どんどん上れ。

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作者は自転車で坂道を上る子供を後ろから見ています。上り坂のペダルを踏む子供には力強さがあり、まだまだ上れる健康な体を思わせます。「どんどんのぼれ」にはそのまま力強く育てと応援する親の心が感じられます。

 

子供の成長を願う!子供がテーマの一般短歌ネタ【おすすめ10選】

 

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ここからは一般の方が詠んだ子供がテーマの短歌を10首紹介していきます。

 

【NO.1】

『 手を合わせ 神に願うわ 健やかな 子の成長と 家族の幸せ 』

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「願うわ」と柔らかな語り口調が優しいお母さんの姿を思わせます。親というものは常に自分のことよりも子供が元気に育つことや家族の幸せを願っているものです。それが自分の幸せでもあるからです。

 

【NO.2】

『 Sサイズの 虹をください アサガオに 小さな雨を 降らすこの子に 』

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水やりができるまでに我が子が大きくなったこと、アサガオに水をやる優しさに作者は心打たれ、ご褒美に虹をあげたいと思ったのではないでしょうか。アサガオではなく「この子に」虹をという表現に、我が子への愛しさがあふれています。

 

【NO.3】

『 おさな子の 親の願いは シンプルで ただ健やかに 笑うことのみ 』

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幼い子供の親はいつも子供につきっきりで、あやしたり抱きしめたりと愛情をかけます。子供が笑うだけで親は幸せに包まれるものです。どの親も願いはただ一つだけ。それは子供が健康に成長することでしょう。

 

【NO.4】

『 年末の 忙しさの中 ふと思う 子らの成長 嬉しく寂しく 』

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子供たちは外へ出かけているのでしょうか。それとも大人になって別な場所に住んでいるのでしょうか。年末に寂しさを感じた親の側には居ない様子です。しかし子供が親離れするほど大きくなって、親はやっぱり嬉しいのです。

 

【NO.5】

『 夕暮れの 風にたなびく 鯉のぼり 我が子の成長 ただただ願う 』

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子どもの日の歌でしょうか。夕暮れの空に鯉のぼりが揺れています。作者は休日を子供と過ごし、一日の終わりに鯉のぼりを見上げたのかもしれません。そして静かに子供の成長を願ったのでしょう。

 

【NO.6】

『 仕事終え 寝室で得る 反抗期 迎えた息子の 変わらぬ寝顔 』

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仕事後に寝室で寝顔を得るという表現が、1日のご褒美のように幸せな気持ちになったことを表しています。反抗期に入るまでに成長した我が子を見守る優しい目線で詠まれた歌です。

 

【NO.7】

『 注射器が 怖いと泣き喚く子見て「成長だねぇ」と 涙ぐむ母 』

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怖いと泣きわめくのは注射器が痛いものだと知っているからです。子供が注射器を覚えていてお母さんは成長を意識し、つい涙が出てしまったのでしょう。大げさと思うかもしれませんが、親とはそんな些細なことでも感動してしまうものです。

 

【NO.8】

『 はいいいえ 一喜一憂 するけれど これがこの子だ 成長の証 』

短歌職人
子供が選択する一つ一つを親はハラハラしながら見守ります。時には口を出したくなるのをぐっと我慢して、何を選んでもそれがこの子なのだからと信頼する親の心を感じます。

 

【NO.9】

『 寝る前の 儀式いらなく なった子の 成長記録の 別名「寂しい」 』

短歌職人
寝る前にぎゅっと抱きしめたり、本を読んであげたり、決まった何かをしないと眠れなかった子供が、いつしかひとりでに眠れるようになります。成長とは「儀式」一つ一つがなくなることを言うのかもしれません。

 

【NO.10】

『 三本の ろうそくを消した 日のきみの ひかるほっぺを まだ憶えてる 』

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3歳の誕生日に子供は自分でケーキのろうそくを吹き消したのでしょう。ろうそくの火に照らされたほっぺを、そして嬉しくて輝くような笑顔を、子供が大きくなってからも親はずっと覚えています。

 

以上、子供がテーマのおすすめ短歌20選でした!

 

 

親が子の成長を願う気持ちは今も昔も変わりません。

 

子供が親離れし、反抗期や思春期を迎えて接し方の難しい年頃になっても、親はそれだけ大きくなったことを嬉しく思うものです。

 

親が子供を愛しているように、子供だって親が大好きではないでしょうか。時にはアルバムを見返すなどすると親子の思い出がよみがえり、温かな気持ちになることでしょう。

 

短歌職人
皆さんもそうした気持ちをぜひ短歌で表現してみてください。