【家族をお題にした一般短歌集 20選】中学生/高校生向け!!家族愛•絆•ふれあいを詠った短歌例を紹介

 

同じ家で毎日一緒に過ごす家族とは、時には些細なことでケンカをしてしまうことも…。

 

しかし、家族とは不思議とすぐに仲直りできるものです。家族とは離れられない絆があり、そして家族はいつも自分の最大の味方となってくれる「かけがえのない存在」です。

 

今回は、そんな「家族」をテーマに一般の方が詠んだ短歌を20首紹介します。

 

 

短歌職人
自分で短歌を作る時の参考にもなりますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

 

家族をテーマにした学生向け短歌ネタ例集【前半10首

 

【NO.1】

『 新米の 香りかぐわし 夕げにて 会話もはずむ 団らんのとき 』

短歌職人
日頃から仲の良い家族なのでしょう。家族でにぎやかに食事するのは楽しいもので、美味しいご飯があるとますます会話も弾みますね。楽しい食卓の風景が想像される歌です。

 

【NO.2】

『 普通にさ 誰でも取れる 資格でも 母は親戚中に言うんだ 』

短歌職人

資格を取ったことを本人は大したことないと思うかもしれませんが、お母さんにとっては自慢でとても嬉しいのでしょう。母の嬉しさと、気恥ずかしく思いながらも見守る子の姿を思わせます。

 

【NO.3】

『 変わらない 四角い家の 日常よ 家族という名の 不思議な箱よ 』

短歌職人
毎日一緒に過ごす家族には絆があって、親友や恋人とは別の形で結ばれています。そう考えると家族の絆とは不思議なものです。この歌の「日常よ」「箱よ」という詠嘆からは、変わらない毎日を過ごせる幸せが感じられます。

 

【NO.4】

『 ふんわりと 温めましたと チンと呼ぶ 親子げんかも 落着とみた 』

短歌職人
ケンカをしてもお腹はすきます。食事時に食卓に着かなかった子どものために親はご飯を温めてくれたのでしょうか。電子レンジの音がそれを知らせます。そしてご飯を食べて何となく仲直りできるのが家族というものかもしれません。

 

【NO.5】

『 家族とね 食べる夕飯 この世では 一番美味しく 落ち着く時間 』

短歌職人
家族と食べるご飯が一番美味しいという表現から、作者は家族が大好きなのだと分かります。どんな出来事があっても一日の終わりに家族と夕食を囲む時間があれば幸せなのだという気持ちが伝わります。

 

【NO.6】

『 投げられた ボールが打たれ 取りにゆく ひとに家族も 友達もいる 』

短歌職人
野球を観戦しているのでしょうか。選手の一挙手一投足に応援席はどよめき、選手それぞれに活躍を喜ぶ家族や仲間がいるのだと作者は改めて思い、感慨を覚えたのではないでしょうか。

 

【NO.7】

『 悔しさで すべてが見えぬ 娘見て 全て見透かし 諭す父親 』

短歌職人
娘の悔しさもいらだちも父には伝わっているのでしょう。その感情を分かって「なぐさめる」などではなく「諭す」としたところに父親の落ち着きや存在の大きさを感じます。

 

【NO.8】

『 週末の 団らん囲みて 鍋つつく 囲みし色に じんわり和む 』

短歌職人
「鍋」という言葉には温かみがあり、週末に家族そろって鍋料理を食べながら楽しく過ごしている様子からは読み手にも温かな幸せがじんわりと伝わります。

 

【NO.9】

『 お互いの 頭なであう 散髪の 帰りのバスの 中の兄弟 』

短歌職人
「頭なであう」とあるので兄弟はまだ幼いのでしょう。散髪の帰りにお互いの短くなった髪を触りあって比べているところを思わせる微笑ましい歌です。

 

【NO.10】

『 ネズミにも 家族はいるよ 僕だって 小さな犬の たろも含めて 』

短歌職人
動物にも家族がいて、お互いを思いやって生きているのだろうことを思わせます。作者がそう考えるのは、自分が犬も含めた家族を大切に思っているからでしょう。

 

家族をテーマにした学生向け短歌ネタ例集【後半10首

 

【NO.11】

『 皺々の 象に似ている 祖母の手が 家族みんなの 洗濯物をはこぶ 』

短歌職人
家族の日常風景を詠んだ歌です。象はおとなしい性格で優しい動物というイメージがあります。祖母には象を思わせる優しさとおおらかさがあるのでしょう。

 

【NO.12】

『 先を往く 人のうしろで 上手くやる 姉が嫌がる 末っ子気質 』

短歌職人

姉や兄はしっかり者で末っ子はちゃっかり者というイメージがあります。この歌は末っ子に焦点を当てて詠まれているので作者は末っ子かもしれず、自分の要領の良さを姉が「ちょっと嫌だな」と思っていることを知っているという歌なのかもしれません。

 

【NO.13】

『 嫌なこと 言われた日には いつもより 家族に優しく したりしてみる 』

短歌職人
嫌なことを言われて傷ついても他の人を傷つけたくないという作者の優しい性格と家族を大事にしていることがうかがえます。そんな作者の家族もまた優しい人達なのでしょう。

 

【NO.14】

『 兄弟で よかった他人 だったなら 友達にすら なれない僕ら 』

短歌職人
たとえ性格が合わなくても家族とは離れられません。しかし「僕ら」という言葉からは連帯感が感じられ、時にケンカしてもまたくっついてしまう兄弟を思わせます。冒頭の「兄弟でよかった」の部分が本音なのではないでしょうか。

 

【NO.15】

『 あれは菊、これは秋桜 ひとつずつ 聞いて歩いた 祖母の裏庭 』

短歌職人
「歩いた」と過去形なので、花の名前を教わったことを思い出して詠んだ歌なのでしょう。作者は裏庭に立って、優しく教えてくれた祖母のことを考えているのかもしれません。

 

【NO.16】

『 洋菓子も 和菓子も作る 古い店 親子で作る 人気沸騰 』

短歌職人

和菓子と洋菓子、和洋は違えどお菓子屋さんの子供はきっと親の背中を見て自分も同じ道を選んだのでしょう。つい応援したくなるお菓子屋さん一家です。作者もよくお菓子を買いに行くのでしょうか。

 

【NO.17】

『 つまらない ことで兄弟 げんかして 片方だけの コントローラー 』

短歌職人

いつもは一緒にゲームで遊んでいるのでしょう。この歌のように家族とはつまらないことでケンカしてしまうものです。「片方だけのコントローラー」は作者自身をたとえたようで、寂しい余韻を残します。

 

【NO.18】

『 また怪我を してしまうたび 看護する 餅は餅屋の 母ふくれ面 』

短歌職人

「餅は餅屋」とは専門家を表す慣用句ですが、お母さんは看護師かお医者さんなのかもしれません。作者は小さなケガをよくしてしまうのでしょう。お母さんがふくれ面なのは心配して怒っているからでしょう。

 

【NO.19】

『 いつの日か あなたに笑顔 戻る時 その傍らに 家族の笑顔 』

短歌職人

「あなた」は今苦境に立たされていて笑う余裕がないのかもしれません。体言止めの「家族の笑顔」には、いつかはかけがえのない存在である家族と共に笑ってほしいといった作者の願いを感じます。

 

【NO.20】

『 風邪の日は 母がうどんを 作って 愛を冷ませて 食べさせてくれる 』

短歌職人

「愛を冷ませて」は熱いうどんを母がふうふう冷まして口に運んでくれたことを表しているのでしょう。母親の優しさを感じ、作者も母が自分に付きっきりで嬉しく思っているのだと伝わります。

 

以上、家族(愛•絆•ふれあい)をテーマにした一般短歌集でした!

 

 

短歌職人
今回は、家族をテーマにした短歌ネタ例集を紹介しました。
いつも顔を突き合わせている家族には嫌な部分もあるでしょうが、やっぱり好きな部分の方が多いのではないでしょうか。
皆さんも家族に感じる思いをぜひ短歌にしてみてください。家族へのメッセージや感謝していることなどを短歌で表現してみるのもおすすめです。