同じ家で毎日一緒に過ごす家族とは、時には些細なことでケンカをしてしまうことも…。
しかし、家族とは不思議とすぐに仲直りできるものです。家族とは離れられない絆があり、そして家族はいつも自分の最大の味方となってくれる「かけがえのない存在」です。
今回は、そんな「家族」をテーマに一般の方が詠んだ短歌を20首紹介します。
ぱんぱんに膨らんでいる段ボール家族の尊さ語りかけてる#tanka #jtanka #短歌 pic.twitter.com/50PDqL7jHq
— エム(短歌) (@em_kuchou) August 9, 2013
家族をテーマにした学生向け短歌ネタ例集【前半10首】
【NO.1】
『 新米の 香りかぐわし 夕げにて 会話もはずむ 団らんのとき 』
【NO.2】
『 普通にさ 誰でも取れる 資格でも 母は親戚中に言うんだ 』
資格を取ったことを本人は大したことないと思うかもしれませんが、お母さんにとっては自慢でとても嬉しいのでしょう。母の嬉しさと、気恥ずかしく思いながらも見守る子の姿を思わせます。
【NO.3】
『 変わらない 四角い家の 日常よ 家族という名の 不思議な箱よ 』
【NO.4】
『 ふんわりと 温めましたと チンと呼ぶ 親子げんかも 落着とみた 』
【NO.5】
『 家族とね 食べる夕飯 この世では 一番美味しく 落ち着く時間 』
【NO.6】
『 投げられた ボールが打たれ 取りにゆく ひとに家族も 友達もいる 』
【NO.7】
『 悔しさで すべてが見えぬ 娘見て 全て見透かし 諭す父親 』
【NO.8】
『 週末の 団らん囲みて 鍋つつく 囲みし色に じんわり和む 』
【NO.9】
『 お互いの 頭なであう 散髪の 帰りのバスの 中の兄弟 』
【NO.10】
『 ネズミにも 家族はいるよ 僕だって 小さな犬の たろも含めて 』
家族をテーマにした学生向け短歌ネタ例集【後半10首】
【NO.11】
『 皺々の 象に似ている 祖母の手が 家族みんなの 洗濯物をはこぶ 』
【NO.12】
『 先を往く 人のうしろで 上手くやる 姉が嫌がる 末っ子気質 』
姉や兄はしっかり者で末っ子はちゃっかり者というイメージがあります。この歌は末っ子に焦点を当てて詠まれているので作者は末っ子かもしれず、自分の要領の良さを姉が「ちょっと嫌だな」と思っていることを知っているという歌なのかもしれません。
【NO.13】
『 嫌なこと 言われた日には いつもより 家族に優しく したりしてみる 』
【NO.14】
『 兄弟で よかった他人 だったなら 友達にすら なれない僕ら 』
【NO.15】
『 あれは菊、これは秋桜 ひとつずつ 聞いて歩いた 祖母の裏庭 』
【NO.16】
『 洋菓子も 和菓子も作る 古い店 親子で作る 人気沸騰 』
和菓子と洋菓子、和洋は違えどお菓子屋さんの子供はきっと親の背中を見て自分も同じ道を選んだのでしょう。つい応援したくなるお菓子屋さん一家です。作者もよくお菓子を買いに行くのでしょうか。
【NO.17】
『 つまらない ことで兄弟 げんかして 片方だけの コントローラー 』
いつもは一緒にゲームで遊んでいるのでしょう。この歌のように家族とはつまらないことでケンカしてしまうものです。「片方だけのコントローラー」は作者自身をたとえたようで、寂しい余韻を残します。
【NO.18】
『 また怪我を してしまうたび 看護する 餅は餅屋の 母ふくれ面 』
「餅は餅屋」とは専門家を表す慣用句ですが、お母さんは看護師かお医者さんなのかもしれません。作者は小さなケガをよくしてしまうのでしょう。お母さんがふくれ面なのは心配して怒っているからでしょう。
【NO.19】
『 いつの日か あなたに笑顔 戻る時 その傍らに 家族の笑顔 』
「あなた」は今苦境に立たされていて笑う余裕がないのかもしれません。体言止めの「家族の笑顔」には、いつかはかけがえのない存在である家族と共に笑ってほしいといった作者の願いを感じます。
【NO.20】
『 風邪の日は 母がうどんを 作って 愛を冷ませて 食べさせてくれる 』
「愛を冷ませて」は熱いうどんを母がふうふう冷まして口に運んでくれたことを表しているのでしょう。母親の優しさを感じ、作者も母が自分に付きっきりで嬉しく思っているのだと伝わります。
以上、家族(愛•絆•ふれあい)をテーマにした一般短歌集でした!
いつも顔を突き合わせている家族には嫌な部分もあるでしょうが、やっぱり好きな部分の方が多いのではないでしょうか。
皆さんも家族に感じる思いをぜひ短歌にしてみてください。家族へのメッセージや感謝していることなどを短歌で表現してみるのもおすすめです。