今回は、「七夕」に関するおすすめ短歌をご紹介します。
朝戸あけてながめやすらむ たなばたは
あかぬ別れの空を恋ひつつ後撰集249 紀貫之——七月八日のあした
(朝、戸を開けて、織姫は眺めているのだろうか。彦星と飽かぬ思いで別れた空を慕いながら) pic.twitter.com/8jxOGpr631
— みずはら mizuhara : 💉💉💉 (@gibbous_leo) July 8, 2015
笹の葉を天の砂子に浮かべれば
魂合う星もひとつに為りて#七夕 #短歌 pic.twitter.com/8VfFbNO0oY— 洋希 (@spicymelody) July 6, 2016
七夕の有名短歌【おすすめ10選】
【NO.1】与謝野晶子
『 たなばたの 星も女ぞ 汝(な)をおきて 頼む男は なしと待つらん 』
意味:七夕の織姫も女。あなた以外に信頼する男はいないとやはり私のように待っているのでしょうか。
【NO.2】西橋美保
『 この家を 出ていきたいと 七夕の 星につくづく 願ひをかける 』
意味:七夕の日に星に向かって家を出ていきたいと願う。
【NO.3】紀貫之
『 朝戸あけて ながめやすらむ織女(たなばた)は あかぬ別れの空を恋ひつつ 』
意味:朝戸をあけて織女は眺めているのだろうか、名残り惜しい別れをした空を恋しく思いながら。
【NO.4】中務
『 天の川 かは辺すずしきたなばたに 扇の風をなほや貸さまし 』
意味:天の川の川辺が涼しい七夕に、扇の風をさらに貸しましょうか
【NO.5】素性法師
『 こよひ来む 人には逢はじ七夕の ひさしきほどに待ちもこそすれ 』
意味:今夜来る人には会うのをやめよう。七夕の話のように長いこと待つようになってしまうから。
【NO.6】藤原長能
『 袖ひちて 我が手にむすぶ水のおもに 天つ星合の空を見るかな 』
意味:袖を濡らして私が手にすくった水に、天上の星が出会う空が映っているなあ
【NO.7】不明
『 一年に 七日の夜のみ 逢ふ人の 恋も過ぎねば 夜は更けゆくも 』
意味:一年に七夕の夜にだけ逢える人の恋の時間が過ぎないうちに夜が更けていきます。
【NO.8】俵万智
『 「この味がいいね」と君が言ったから 七月六日はサラダ記念日 』
意味:作ったサラダの味を褒めてくれたから7月6日はサラダ記念日だね。
【NO.9】宮柊二
『 七夕の日 暮れて竹に 風早し 色紙のいろ 流るるが見ゆ 』
意味:七夕の日暮れて笹に風が吹きつけて、短冊の色紙の色が流れるように見える。
短冊はさまざまな色があり、短冊の飾られている笹竹を見るととても綺麗です。この歌ではそんな飾られた色とりどりの短冊が、風に揺られている様子が表現されています。
【NO.10】藤原興風
『 契りけん 心ぞつらき織女の 年にひとたびあふはあふかは 』
意味:契ったのであろう心が辛い織女が、年に一度会うのは会うといえるだろうか。
七夕の一般短歌ネタ【おすすめ10選】
【NO.1】『 叶わぬと 知りつつ綴る 短冊に 願いを込めて 虚しさ募る 』
短冊に願いを込めたが、心の中では叶わないとわかっており虚しい気持ちになってしまう様子が表現されています。叶わないと思っていても、短冊に書かずにはいられないほど強く思っている願いなのでしょう。
【NO.2】『 あの友に また逢いたいと 強い想いで 七夕に思う 今日も幸あれ 』
【NO.3】『 天の川 見えない夜は サイダーに 金平糖を そそいで作る 』
【NO.4】『 七夕や 梅雨のさなかで 天の川 水かさ増して ふたり逢えまじ 』
【NO.5】『 七夕に 紫陽花柄の 浴衣着て 花火見ながら 短歌を詠んだ 』
【NO.6】『 文月や 七夕近し 夜の空 見仰げて奏でる 短歌なりて 』
【NO.7】『 かささぎの 渡せる橋の 上をそうっと 歩いて羽を 傷つけないように 』
【NO.8】『 短冊に 想いを込めて みたけれど 恥ずかしくなり ペンネーム使う 』
【NO.9】『 願い込め 書いた短冊 食べられた パンダにしたら みんな同じ 』
【NO.10】『 君の手に 触れて気づいた この気持ち 背を押してくれ 七夕の願い 』
以上、七夕のおすすめ短歌でした!
毎年訪れる七夕の日に、さまざまな願いや織姫と彦星を気にかける様子が短歌で表現されていました。
みなさんも、そんな美しい七夕という伝統的な行事について、願いとともに短歌で想いを馳せてみてはいかがでしょうか。