夏の終わりを詠った短歌は、秋に向かう様子を様々な季節の言葉(季節・物・植物など)にのせて表現しており、心にしみる作品が数多くあります。
微かなる
耳に 聞こえし
雨音の
涼し暖か
夏の 終わりぞ#jtanka #短歌#イマソラ#イマネコ#ファインダー越しの私の世界#フォトロケット#coregraphy#photography#黒猫 pic.twitter.com/21xbLEVNb3— へいちゅ@cubase DTM (@rose_0317_) September 7, 2015
一世にも 想い流るる 不確かな 夏の終わりと 魂の道#女子短歌部 #短歌 #tanka #フォト短歌
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暑い夏が終わりを告げる気配を上手く感じ取らせてくれる、情緒あふれるものばかりです。
今回は、「夏の終わりの短歌」を20首ご紹介します。
ひ短歌作りの参考にしてください!
夏の終わりの有名短歌【おすすめ10選】
【NO.1】凡河内躬恒
『 夏と秋と 行きかふ空の 通い路は かたへ涼しき 風やふくらむ 』
意味:六月の最後の日に詠んだ歌夏と秋とがすれ違う空の道は、片方に涼しい風が吹いているだろう。
【NO.2】藤原良経
『 月かげに 涼みあかせる 夏の夜は ただひとゝきの 秋ぞありける 』
意味:月の光の下で涼みながら明けるのを待つ夏の夜は、その時間だけがまるで秋のようだ。
【NO.3】壬生忠岑
『 夏はつる 扇と秋の 白露と いづれかまづは 置かむとすらむ 』
意味:夏が終わり、もうじき秋になる。使わなくなった扇を床に置くことと、白露が草の上に置かれること。どちらが先になるのだろう。
【NO.4】樋口一葉
『 葉がくれに 一花咲きし 朝がほの 垣根よりこそ 秋は立ちけれ 』
意味:生い茂る葉のなか、隠れるようにして朝顔が咲いている。その垣根の中に、秋を見つけた。
【NO.5】土田耕平
『 残暑なほ 単衣の肌に 汗ばめど 磯の木蔭に 鳴く蝉もなし 』
意味:残暑がなおも続き、単衣も舌はまだ汗ばむほどに暑いのに磯の木蔭には、もう鳴いている蝉の姿は見えない。
【NO.6】従二位家隆
『 風そよぐ ならの小川の 夕暮れは みそぎぞ夏の しるしなりける 』
意味:風がそよそよと吹いて楢(ナラ)の木の葉を揺らしている。この、ならの小川の夕暮れは、すっかり秋の気配となっているが六月祓(みなづきばらえ)のみそぎの行事だけが、夏であることの証なのだった。
【NO.7】木下利玄
『 くろみもつ 葉ずゑに紅き花つくる 夾竹桃の夏のあはれよ 』
意味:黒い葉の先に紅い花を咲かせる夾竹桃(キョウチクトウ)は、まだ夏であることを思わせる。 夏にしか花を咲かせない夾竹桃を眺めながら、残暑を感じている。
【NO.8】俊恵
『 岩間もる 清水を宿にせきとめて ほかより夏を過ぐしつるかな 』
意味:岩から湧き出る清水を我が庵に流れるよう堰き止めて、世間の暑さとは別のような夏を過ごした。
【NO.9】俵万智
『 思い出の一つのようでそのままにしておく麦わら帽子のへこみ 』
意味:夏の終わりに、しまおうとした麦わら帽子、そのてっぺんに押されてくぼみが残っている。いびつになってしまってその球面のへこみを見ていると夏の思い出がよみがえる。
麦わら帽子のへこみを見て、思い出がよみがえる。いびつなへこみがなんだか、痛みのような思い出に感じます。楽しかった思い出ばかりではないのかもしれません。
【NO.10】小島ゆかり
『 あの夏と呼ぶべき夏が皆にあり候うごかして氷みづ飲む 』
意味:誰にしも「あの夏」と思い出して記憶に手繰り寄せられるような夏がある。言われてみると、ああ本当だなと思うのです。
夏の終わりの一般短歌ネタ【おすすめ10選】
【NO.1】『 眠れずの 夜に見上ぐは こうこうと 夏の終わりの 月雲まだら 』
【NO.2】『 夕風が 夏の終わりを 知らせても 心の夏は 始まりもせず 』
【NO.3】『 さわやかな 朝の日差しを 浴びながら 夏の終わりを 感じてもいる 』
【NO.4】『 終わらない 夏の夢から 始まった 夏の終わりを また始めたい 』
【NO.5】『 夕の空 むらさき系の グラデーション 安らかに見ゆ 夏の終わりに 』
【NO.6】『 蟋蟀に 夏の終わりを 感じつつ 帰宅後すぐに 冷房をつける 』
【NO.7】『 涼しげな 夜空に響く 風鈴の 夏の思い出 片付け忘れ 』
【NO.8】『 何事も なく過ぎていく 日常が 幸せなんだと 夏の終わりに 』
【NO.9】『 きみはよく 太陽似合う 少年で 木陰は夏の 終わりのにおい 』
【NO.10】『 眠れない 夏の終わりの 夜重く 雨だれじゃかき 消せない耳鳴り 』
以上、夏の終わりを歌った短歌集でした!
いかがだったでしょうか?
今回紹介した短歌は、夏への名残惜しさや、秋へ向かう待ち遠しい気持ちなどがフワッと心の中に現れるような素敵な短歌ばかりでした。
夏から秋に変化していくと日が短くなって、暑い夏が終わってしまう寂しさもあります。
このような気持ちは時代を問わず、短歌を詠みたくなってしまいますね。