【元気の出る短歌/和歌 20選】前向きな気持ちになる!!おすすめ有名短歌&和歌集を紹介

 

短歌や和歌の中には前向きな気持ちになれる内容のものもあります。

 

元気が欲しいなという時に、お気に入りの応援ソングを聴く感覚で短歌や和歌に目を通してみるのもおすすめです。

 

今回は、読むと元気の出る有名な歌人の短歌・和歌を20首ご紹介します。

 

 

短歌職人
歌の意味も解説していますので、ぜひ鑑賞してみてください。

 

元気の出る有名短歌・和歌【前半10選】

 

短歌職人
まずは奈良時代から江戸時代までに詠まれた有名な和歌を紹介していきます。

 

【NO.1】安倍郎女

『 わが背子は 物な思ひそ 事しあれば 火にも水にも わがあらなくに 』

【意味】あなたは悩まないで。何かあったら火にも水にも飛び込む覚悟の私がついているから。

短歌職人
愛しい人を「何があっても大丈夫、私がついているから」と励ます歌です。好きな人からこんな言葉をかけられたら心強いですし、頼もしいですね。

 

【NO.2】不明(万葉集より)

『 大野路(おおのじ)は 繁道茂路(しげちしげみち) 茂(しげ)くとも 君し通はば 道は広けむ 』

【意味】草木が繁りに繁って狭い大野の道でも、あなたが通るなら道は広がるでしょう。

短歌職人
困難な道でもあなたなら切り開けるという応援の歌です。あなたならできるという信頼を感じますし、こう言われたらと思うとやる気も出てきます。

 

【NO.3】内大臣藤原

『 吾もはや 安見児得たり 皆人の 得かてにすとふ 安見児得たり 』

【意味】私はとうとう安見児(やすみこ)を手に入れたぞ。誰のものにもならなかった安見児を手に入れたのだ。

短歌職人
安見児という女性と両想いになれた幸せの絶頂を詠んだ歌です。よほど嬉しかったのでしょう。微笑ましくこちらまで嬉しくなります。

 

【NO.4】額田王

『 熟田津に 船乗りせむと 月待てば 潮もかなひぬ 今は漕ぎ出でな 』

【意味】船に乗ろうと熟田津(にぎたつ)で月が出るのを待っていると、絶好の潮の流れとなった。今こそ船出の時だ。

短歌職人
前途洋々、出発だ!という歌です。「漕ぎ出でな」という結びの威勢も良く、新しいことを始める時などに思い出したい歌です。

 

【NO.5】藤原道長

『 この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば 』

【意味】この世は私のための世なのだと思う。満月のように、欠けていることは何も無い。

短歌職人
栄華を極めた人間の満ち足りた気持ちが表現されています。すごい自信ですが、時にはこのくらい大きな自信を持つのも良いのではないでしょうか。

 

 

【NO.6】宗良親王

『 とにかくに 道ある君の 御世ならば 事しげくとも 誰かまどはむ 』

【意味】とにかく前途のあるあなたのことだから、何があっても誰も心配はしません。

短歌職人

「あなたならやれるから心配しないで、皆もあなたを信頼しているから」という内容です。応援している気持ちが伝わります。

 

【NO.7】宗良親王

『 草も木も なびくとぞ聞く この頃の 世を秋風と 嘆かざらなむ 』

【意味】あなたには草も木も心を寄せて従うのだから、時勢を秋風のように心細いだなんて思わないでください。

短歌職人
元気がなく不安を感じている相手に送った歌です。あなたには味方がたくさんいるのだと励ましています。

 

【NO.8】武田信玄

『 大ていは 地に任せて 肌骨好し 紅粉を塗らず 自ら風流 』

【意味】世の中は流れに任せて生きるのが良い。飾らずに本心のままで生きるのが良いのだ。

短歌職人
自分をよく見せようとし続けるのは疲れてしまいます。自然体で生きた方が自分のためにも良いし、何より楽だという歌です。

 

【NO.9】上杉鷹山

『 為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり 』

【意味】何ごともやればできる、やらねばできない。成果が出ないのはやり通さなかったからだ。

短歌職人
何かをする時は、それをやり通さねばならないのだという歌です。やり続ければきっと成果が出る、だから頑張れという激励が込められています。

 

【NO.10】坂本龍馬

『 世の人は われをなにとも ゆはばいへ わがなすことは われのみぞしる 』

【意味】世間の人はどうとでも私のことを言いたいように言え。私のすることは私のみが知っている。

短歌職人
誰に何と言われようとやりたいことをやり通す意志を感じます。自分を持って信念を貫くのはかっこいいですし、素敵な生き方です。

 

元気の出る有名短歌・和歌【後半10選】

 

短歌職人
ここからは、明治から現代までに詠まれた有名な短歌を紹介していきます。

 

【NO.11】石川啄木

『 不来方の お城の草に 寝ころびて 空に吸はれし 十五の心 』

【意味】盛岡城跡の原っぱに寝転んで空を見ると、その空に吸いこまれてしまいそうな15歳の心。

短歌職人
緑の草と青い空がイメージされる、若々しく爽やかな歌です。どこまでも広がる青空を想像すると晴れやかな気分になります。

 

【NO.12】樋口一葉

『 極みなき 大海原へ 出でにけり やらばや小舟 波のまにまに 』

【意味】果てしない大海に漕ぎ出した。私の小舟は波が運ぶままに。

短歌職人
新しいことを始める期待や緊張を船出にたとえています。慣れない環境に飛び込むのは勇気が要るけれど、波のままに行ってみようという歌です。

 

【NO.13】佐々木信綱

『 願はくは われ春風に 身をなして 憂ある人の 門をとはばや 』

【意味】願わくはこの身を春風に変えて、悩みのある人のもとを訪れたいものだ。

短歌職人
悩んでいる人にそっと寄り添いたいという内容です。歌の通りに、春の風のような優しい気持ちを感じます。

 

【NO.14】斎藤茂吉

『 朝あけて 船より鳴れる太笛(ふとぶえ)の こだまは長し なみよろふ山 』

【意味】夜明けに汽船が鳴らす汽笛は太く長くこだまする。港を囲む山々に反響している。

短歌職人
太く重みのある汽笛の音に感動して詠まれた歌です。響き渡る力強い汽笛の音を想像すると心が大きくなった気がします。

 

【NO.15】木下利玄

『 遠足の 小学生徒うちょうてんに 大手ふりふり 往来とおる 』

【意味】遠足に行く小学生たちが、嬉しくてたまらなくて手を大きく振りながら道を歩いていく。

短歌職人
子供たちは遠足が嬉しくて楽しくてたまらないのですね。夢中で手を振って歩く姿を思うと可愛らしく、こちらも楽しくなります。

 

 

【NO.16】岡本かの子

『 はてしなきおもひよりほつと起きあがり 栗まんじゅうをひとつ喰べぬ 』

【意味】深く思い悩んでいたが、ほっと起き上がり、栗まんじゅうを一つ食べた。

短歌職人
悩み事を抱えていてもお腹はすく、という内容です。急に登場する「栗まんじゅう」に生活感が出ていて面白く、くよくよしても仕方ないと思わせてくれます。

 

【NO.17】吉井勇

『 君にちかふ 阿蘇のけむりの 絶ゆるとも 万葉集の 歌ほろぶとも 』

【意味】君に誓う。阿蘇山の火山の煙が上がらなくなっても、万葉集の歌がこの世から消えてなくなっても。

短歌職人
好きな人に愛を誓う歌で、自分の心変わりは絶対にありえないのだという内容です。好きな人にこんな事を言われたらと想像すると幸せな気持ちになりますね。

 

【NO.18】藤原秀憲

『 部屋に着くころには炊けているはずの舞茸ごはん ふたつの茶碗 』

【意味】帰って部屋に着く頃には舞茸ごはんが炊けている。そしてふたつの茶碗。

短歌職人
うきうきしながら帰り道を行く姿が想像されます。好物の舞茸ごはんを大切な人と食べるのでしょう。家庭の温かさや、日常にある幸せを感じます。

 

【NO.19】桝野浩一

『 人間は忘れることができるから 気も狂わずにほら生きている 』

【意味】人間は忘れることができるから、気がおかしくもならずに、ほら生きている。

短歌職人
辛く悲しいことがあっても大抵は、その気持ちは時間が経てば薄れていきます。「ほら生きているでしょ?だから大丈夫」と励ましてくれるような歌です。

 

【NO.20】桝野浩一

『 こんなにも ふざけたきょうが ある以上 どんなあすでも ありうるだろう 』

【意味】こんなにも今日がふざけた一日だったからには、どんな明日でもあり得るだろう。

短歌職人
今日どんなに嫌な目に遭ったとしても、その分明日は素晴らしい幸運がやって来るかもしれません。辛いことのあった一日の終わりに読みたいポジティブな歌です。

 

以上、元気の出る短歌・和歌集でした!

 

 

今回は、読むと元気の出る有名な歌人の短歌・和歌を紹介しましたが、お気に入りの歌はありましたでしょうか。

 

読むと楽しくなったり励まされたりして元気が出るような短歌・和歌はここで紹介した他にも多くあります。

 

短歌職人
気になった人はぜひ読んでみてください。