【夏の短歌の作り方】簡単!!季語を活用した夏らしい短歌を作ろう!コツ&注意点を解説

 

夏と言えば、花火大会や夏祭り、お盆の帰省やキャンプなど、さまざまなイベントがたくさんありますよね。

 

忘れられない思い出ができる季節ですから、短歌を作るにはピッタリかもしれません。

 

しかし、「短歌を作るってなんだか難しそう…」と思う方も多くいらっしゃるかと思います。

 

ただ、コツさえつかめば、あなたも簡単に短歌を作ることができます。

 

今回は、誰でも簡単にできる夏らしい短歌の作り方をご紹介していきます。

 

短歌職人
短歌を作ってみたい!という方はぜひ本記事を参考にしてください!

 

そもそも短歌って何?基本的なルールを知ろう!

 

短歌とは、和歌の形式のひとつで5757731音からなる短い詩のことを言います。

 

1句から第3(575)までを上(かみ)の句、第4句から第5句を下(しも)の句と言います。

 

【例】夜明けて(5) 気づく休みの(7) 短さを(5) 嘆く間に(7) 終わる休みぞ(7)

 

(※ちなみに、言葉の数え方ですが、「ちゃ」や「って」などに使われている小さい文字「ゃ」「っ」などは、それだけでは1音に換算しません。この場合、「ちゃ」で1音、「って」で1音と数えていきます)

 

短歌は、恋心や景色を言葉で表現したりして作者の心情を描いたり、抒情的な作品が多いことが特徴です。

 

また、短歌の数え方は、俳句のように一句、二句…と数えるのではなく、一首、二首…と数えていきます。

 

また、和歌と短歌の違いですが、和歌とは中国の“漢詩”に対して、“やまとうた”という意味を持っていて、これは日本固有の詩歌の総称です。ですので、短歌も、和歌の中の一種であると言えます。

 

短歌と言う言葉が一般的になったのは、明治時代から。それまでは、短歌は“和歌”と呼ばれていました。

 

短歌職人
短歌について大まかな特徴が分かったところで、さっそくご自身で短歌作りに挑戦してみましょう。

 

夏の短歌の作り方を紹介!

(1)まずは夏の季語を選ぼう!

 

短歌を作るにあたって、まずは夏の【季語】を選びましょう。

 

【季語】とは、俳句や短歌などで、春夏秋冬の季節の感じを表すために、その季節を示す言葉として定められた言葉のことです。

 

俳句には必ず季語を入れなければならないというルールがあるのですが、短歌には必ずしも季語を入れる必要はありません。

 

ですが、季節の短歌を作る上では、その季節を表現する【季語】は欠かせないものです。

 

ここでは、夏の季語についてご紹介します。なるべく現代の生活から想像しやすいものを選んでみました。

 

冬の季語

 

  • 【時候】暑き日・暑し・涼し・夏の暁・夏の夕・夏の夜・夏の宵・短夜・晩夏・青嵐・風薫る・雷・くだり・雲の峰・夏の雨・夏の霧・夏の雲・夏の空・夏の日・にじ・南風・夕立ち など
  • 【地理】赤潮・泉・清水・滝・夏野・夏の海・滝・夏野・夏の海・夏の川・夏の山・夏富士・雹(ひょう)・氷河 など
  • 【生活】アイスクリーム・アイスコーヒー・簾(すだれ)・汗・汗疹(あせも)・甘酒・網戸・アロハシャツ・烏賊釣り・団扇・打ち水・扇・蚊帳・蚊遣火・蚊取り線香・金魚すくい・草笛・葛饅頭・サイダー・砂糖水・扇風機・水中眼鏡・半ズボン・ハンモック・冷酒・ビール・昼寝・風鈴・水遊び・水鉄砲・浴衣・夜店・ラムネ など
  • 【動植物】青蛙・石鯛・亀の子・雀の子・カワハギ・蟹・金魚・山女・雷鳥・シロアリ・なめくじ・カタツムリ・青葉・パセリ・パパイヤ・ペチュニア・臼の実・青みどろ・水草の花 など

 

短歌職人
ここで紹介したものはほんの一例で、まだまだたくさんの夏の季語がありますよ!上手に季語を取り入れながら、短歌を作っていきましょう。

 

(2)「場面」や「気持ち」を切り取り、伝えたいものを決めよう

 

次は、短歌に詠んでみたい「場面」や「気持ち」を想像してみましょう。

 

短歌の作るとき、「場面」や「気持ち」をいきなり想像することは、最初のうちは難しいかもしれません。

 

そのため、先ほど選んだ「季語」をもとに「場面」や「気持ち」を想像してみましょう。

 

【例】季語「夏休み」の場合

 

自分の夏休みの経験を思い出してみるといいかもしれませんね。

例えば、「家族と海水浴に行った」「恋人と夏祭りに行った」「友達と花火大会に行った」など。

書いてみたい「場面」が決まったら、次はその時に感じた「気持ち」を書きだしてみましょう。

例えば、【夏祭り】という場面では、「たくさんの夜店にわくわくした」「浴衣を着られてうれしかった」「好きな人とデートしてドキドキした…」など、出来るだけ具体的に書きだせるとよいでしょう。

 

短歌職人
場面や気持ちを詳しく書き出すことができたら、次のステップに進みましょう。

 

(3)五・七・五・七・七の形にあてはめて読もう

 

短歌のルールとして、31音で構成しなければならないという決まりがあります。

 

ですので、先ほど書き出した「場面」や「気持ち」の状態を、すべて短歌として詠むことはできません。5・7・5・7・7の字数に入るように、言葉を選んで表現してみましょう。

 

この時に注意したいポイントが、「自分の感情の直接的な表現を使わない」ということです。

 

例えば、「楽しい」「悲しい」という感情をそのまま短歌に詠んでしまうと、読んだ人の想像が膨らまず、心に残らない作品となってしまいます。

 

どのように表現すれば、「楽しい」という言葉を直接使わないで、自分の気持ちを読む人に伝えられるか考えてみるとよいでしょう。

 

 

  • 楽しい・・・心踊る/うきうきする/明るい気分になる/元気になる/気分がよい
  • 悲しい・・・切ない/心痛む/物悲しい/やるせない/やりきれない

 

短歌職人
辞書で似たような言葉(類似語)を調べてみるのもおすすめです。

 

(4)読んでみて違和感があれば、言葉を変えてみよう

 

短歌と言うと、「即興で作るものなのかな?」とイメージされがちですが、本来は何度も書き直し、推鼓しながら完成を目指すものです。

 

作りっぱなしにするのはなく、後から見直したり、何日か経ってから言葉を変えてみることも大切です。

 

例えば、「夏祭り」という言葉でも、「夏祭りに」という表現と、「夏祭りの」という表現では、言葉の意味や伝えたい言葉も変わってきますよね。

 

また、伝えたいワードは決まったけど、読んでみたら「5文字や7文字にぴったり収まらない…」「何となく違和感がある…」という時もあります。

 

そういう時は、言葉を変えてみましょう。

 

多少言い回しを変えるだけでしっくりくることもあります。似たような言葉を思い浮かべ、ニュアンスを調整すればより完成度が高くなるでしょう。

 

 

  • 考える ⇔ 思いつく
  • しかし ⇔ それなのに
  • 試みる ⇔ チャレンジ
  • 嬉しい ⇔ 喜ばしい
  • すごい ⇔ 素晴らしい
  • 悲しい ⇔ 物寂しい

 

短歌職人
言葉の言い換えパターンって、実は意外にたくさんあります。辞書を使って言葉を選んでみると良いですよ!

 

(5)表現技法(切れ字や比喩)を活用してみよう

 

短歌には、さまざまな表現技法があり、短歌を作る際に手助けをしてくれます。一般的な表現技法をご紹介しますので、ぜひ活用してください。

 

表現技法の例

 

  • 枕詞(まくらことば)…特定の語の前につけて調子を整える言葉。

ふつう5音からなり、万葉集の頃から用いられています。

例:【たらちねの】母 、【ひさかたの】天・雨・光、【あらたまの】年・月・日、【あをによし】奈良

 

  • 掛詞(かけことば)…古文において、1つの言葉に2つの意味を持たせるもの。

例:花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世に【ふる】 【眺め】せしまに (小野小町)

【ふる】は、「降る」と「経()る」が掛けられており、【眺め】は、「眺め」と「長雨」がかけられています。

 

  • 破格(はかく)…31音を破り、印象を強める表現技法のことです。音が多いものを「字余り」、少ないものを「字足らず」と言います。

 

  • 倒置法(とうちほう)…語順を逆にして、意味を強める表現技法のことです。

例:「朝が来た」→「来た、朝が」

本来の語順を入れ替えることでインパクトが生まれます。

 

  • 比喩法(ひゆほう)…ある言葉を、他のものに例える表現技法のことです。

「~のように」など直接的に例えることを【直喩法】、直接的な方法を使わない技法を【隠喩法】といい、人間ではないものを人間のように例えることを【擬人法】と言います。

 

  • 反復法(はんぷくほう)…同じ語句を繰り返して、感動を強める表現技法のことです。

 

  • 体言止め(たいげんどめ)…最後の句(絶句)を名詞・代名詞で止め、短歌が終わったあとに余韻を残します。

 

  • 切れ字(きれじ)…短歌や俳句などで、意味の切れるところに置く言葉のことです。句点「。」を置く位置に入れる言葉、と思うとわかりやすいでしょう。また、切れ字を用いる時には、「かな」「や」「けり」という3つの言葉が使われています。

    「かな」は感動や詠嘆を表し、末尾に使われることが多いです。

    「や」は詠嘆や呼びかけを表し、上の句に使われることが多いです。

    「けり」は断言するような強い調子を表し、末尾に使われることが多いです。

    例:白鳥は かなしからずや/空の青 海のあをにも 染まずただよふ(若山牧水)

    この歌では、/を入れた部分が句切れになっており、そのことから『二句切れ』だと言えます。

    現代語訳では「白鳥は悲しくないのだろうか。空の青い色にも海の青い色にも染まらずに、ひとり漂っている」と、句切れのところに「。」が入るのがわかりますね。

 

短歌職人
ちなみに、歌によっては句切れのないものもあり、そういったものを『句切れなし』と言います。

 

参考になる!!おすすめ素人短歌を紹介!

 

ここからは、素人の方々が作った夏の短歌についてご紹介したいと思います。

 

【NO.1】

『 夏祭り 豪雨の中を お迎えに 来てくれた君が 王子に見えて 』

季語:夏祭り

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短歌の中には直接は書かれていませんが、「王子に見える」という表現から、「君」という人物は、作者の恋人、または好きな人、ということがわかりますね。

夏祭りの場面を詠んだ歌ではありませんが、「豪雨」というところからも、夕立が多い夏の天気を表しており、短歌の中にうまく夏らしさを出しています。

 

【NO.2】

『 空でなく 川に映った 花火見る 見下ろす空は ひとり占めだね 』

季語:花火

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花火大会と言えば、大きな川の河川敷で行われることが多いと思います。

他の人が、花火が打ち上げられている夜空を見上げている中、作者だけは川の水面に映った花火を見下ろしている、という一首です。

おおぜいの人が顔を上げている中、作者ひとりだけがうつむいて、水面に映る花火を独り占めしている、という光景が目に浮かびます。とてもロマンチックな一首です。

 

【NO.3】

『 孫と行く 海水浴で 波かぶり ひさかたぶりに 潮水あじわう 』

季語:海水浴

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おじいさんと孫の微笑ましい姿を描いた一首ですね。

作者は自分の子どもたちが大きくなってしまってからは、ずいぶん長い間海水浴に行っていなかったのでしょう。

 

【NO.4】

『 つむじ風 青天井に ふきすさぶ 麦わら帽子の リボンをつれて 』

季語:麦わら帽子

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青天井とは、青空のこと。つむじ風が巻き起こり、麦わら帽子が飛ばされてしまった場面を詠んだ歌かと思います。

真っ青な空にくるくると舞い上がる麦わら帽子、そのリボンが風にはためいていて、まるで、つむじ風に連れていかれたように見えたのでしょう。

大きな空と小さな麦わら帽子の対比がとても美しく、夏らしいさわやかな一首だと言えるでしょう。

 

【NO.5】

『 甥っ子の 夏の思い出 かき氷 泳いだ海より 大きく描く 』

季語:かき氷

短歌職人

「大きく描く」という言葉から、夏休みの思い出を絵に描いているのでしょう。たいていの人は、大きな海を大きく描くものですが、作者の甥っ子は、それよりももっと大きなかき氷を描いたのですね。

おいしいかき氷を食べたということが、どれほどの思い出になったのかが伝わってきます。思わずクスッと笑ってしまいそうになる一首です。

 

さいごに

 

さいごに、短歌を作る上でのポイントをまとめてみましたので、再度ご確認下さい。

 

  • 短歌は、5・7・5・7・7の31音で作られている
  • 季節に合った季語を選ぶことで、夏らしさを表現することができる
  • 場面や気持ちを切り取り、伝えたいものを決める
  • 必ず、後から推鼓する
  • 切れ字や比喩法などの表現技法を活用する

 

短歌職人

いかがでしたでしょうか?本記事では、季語を活用した夏の短歌の作り方についてご紹介しました。たくさんの季語はもちろん、短歌ならではの表現技法やルールをうまく利用して、面白い一句や心に残る一句を作っていただければ幸いです。