【結婚の短歌 20選】有名歌人の歌&一般短歌ネタ!!幸せな気持ちになる歌を紹介!

 

結婚は人生の一大イベントです。

 

大切な人とずっと一緒にいたいと願って結婚することは大きな幸せであり、短歌の世界でも家族や友人に祝福されて結婚する喜びや、結婚する人への祝いの気持ちを多くの人が歌にしてきました。

 

今回は、そんな「結婚」をテーマにして詠まれた短歌を20首紹介します。

 

 

短歌職人
有名な短歌と一般の方が作った短歌を合わせて紹介していきます。幸せを感じられる素敵な歌ばかりですので、ぜひ最後まで読んでみてください。

 

結婚について詠んだ有名短歌集【おすすめ10選】

 

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まずは明治時代から現代までに有名歌人が詠んだ結婚の短歌を10首紹介します。

 

【NO.1】正岡子規

『 よき妻を 君は娶りぬ 妻はあれど 殊にかなひぬ 君が妻君に 』

【意味】良い妻を君はめとった、色々な妻があるが、君の妻は君に特に合っている。

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結婚した友人に贈った歌です。「妻」「君」を繰り返して強調し、良い人と結婚できて良かったねと祝っています。「お似合いだよ」と友の幸せを喜ぶ作者の気持ちも感じられます。

 

【NO.2】中村憲吉

『 身はすでに 私ならずと おもひつつ 涙おちたり まさに愛(かな)しく 』

【意味】私の体はすでに私だけのものではないと思い、愛しくて涙が落ちたのだ。

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「愛(かな)し」とは情愛に胸が詰まる様子を表します。作者は結婚して妻を愛しく思い、もう自分一人の自分ではない、自分に何かあったら妻が辛い思いをするだろうし、家族を守らなけらばならないのだと強く思ったのではないでしょうか。

 

【NO.3】斎藤茂吉

『 あわ雪の ながれふる夜の さ夜ふけて つま問ふ君を 我は嬉しむ 』

【意味】淡雪が流れるように降る夜がふけて、君が結婚するのが嬉しいよ。

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結婚する友人に向けて詠まれたお祝いの歌で、「つま問ふ」は求婚するという意味の古語です。「あわ淡のながれふる夜」という表現が美しく、汚れのない淡雪は白無垢の花嫁の姿を思わせます。

 

【NO.4】古泉千樫

『 おぼろ夜の 村の長みち 嫁入の むれにまじりて わが歩みゆく 』

【意味】おぼろ月夜の村の長い道を、嫁入りの一行に混じって私は歩いていく。

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嫁入り行列と言って、昔の農村では花嫁の親族や仲人などが行列となり、花嫁を嫁入り先まで送り届ける風習がありました。作者も花嫁とともに花婿の待つ家へ向かっていたのでしょう。おぼろ月夜に村の一本道を、提灯の明りとともに進む嫁入り行列は何とも幻想的です。

 

【NO.5】葛原繁

『 我が為に 花嫁の化粧 する汝を 襖の奥に 置きて涙出づ 』

【意味】私の為に花嫁の化粧をするあなたを襖の奥に置いて涙する。

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襖の奥では花嫁さんが着付けと化粧をしているのでしょう。それを待つ間に作者は感極まったのかもしれません。結婚するのだという実感がわき嬉しくて、大切にしようと心から思ったのではないでしょうか。

 

【NO.6】前田夕暮

『 木に花咲き 君わが妻と ならむ日の 四月なかなか 遠くもあるかな 』

【意味】木に花が咲き、君が妻になる四月はなかなか遠いものだな。

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四月に結婚式をする予定なのでしょう。四月は遠いなあと思いながら、まだ花を付けていない木を眺めている姿が想像されます。第五句の字余りも、待ち遠しくて時が経つのが長いという気持ちの表現となっています。

 

【NO.7】馬場あき子

『 嫁く吾に 多くやさしき 心づけの 集りし夜の 菊の静けさ 』

【意味】嫁ぐ私に、たくさんの優しい心づけが集まった夜の菊の静けさよ。

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これからお嫁に行く作者に、たくさんの人達が心づけをくれました。夜になって作者は、心づけをくれた一人一人の優しさや、皆に祝われていることをしみじみと嬉しく思ったのでしょう。その作者を菊の花が静かに見つめています。

 

【NO.8】寺山修司

『 君の歌う クロッカスの歌も 新しき 家具のひとつに 数えんとする 』

【意味】君の歌うクロッカスの歌も新しい家具の一つに数えようとする。

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結婚して新しい家具を買いそろえ、奥さんは楽しくて鼻歌を歌っていたのではないでしょうか。その歌声ともこれからは毎日一緒です。作者は、愛する人が家具のように当たり前に家にいることの幸せを感じたのでしょう。

 

【NO.9】穂村弘

『 バラ色の 目ぐすり沸騰 する朝 誰かのイニシャル 変えにゆこうか 』

【意味】バラ色の目薬が沸騰する朝、誰かのイニシャルを変えに行こうか。

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イニシャルを変えるとは、結婚して名字が変わることを表しているのでしょう。バラ色の目薬をさしたら世界中がバラ色に見えるはずです。結婚するぞという朝の歓喜と情熱を感じる歌です。

 

【NO.10】穂村弘

『 トマトジュースの グラス掲げて ウェディングドレス溢れる 廊下を泳ぐ 』

【意味】トマトジュースのグラスを掲げてウェディングドレスの溢れる廊下を泳ぐ。

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トマトジュースとウェディングドレスの赤と白の色が鮮やかです。「ドレス溢れる」はドレスの裾やヴェールが廊下にたっぷりと広がった様子を思わせます。トマトは夏野菜で明るい太陽のイメージがあり、陽気なこの歌を更に明るい印象にしています。結婚の喜びが体中から溢れ出そうな歌です。

 

結婚について詠んだ一般短歌ネタ集【おすすめ10選】

 

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ここからは結婚をテーマにして一般の方が詠んだ短歌を10首紹介します。

 

【NO.1】

『 毎日は 食べてなかった 朝食も「明日は何?」と 聞かれる毎日 』

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パートナーが朝食を抜かない人で、作者は自分も毎日食べるようになり、いつも「明日の朝ごはんは何にする?」と聞かれるようになったのでしょう。結婚によって習慣が変わったことを詠んだ歌です。

 

【NO.2】

『 口実に するため貸した ゲームさえ 返さないまま 結婚したね 』

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結婚して一緒に住めばゲームは返す必要がなくなりますね。毎日一緒のゲームで盛り上がることもできます。結婚に踏み切る口実の一つだった当時を「結婚したね」と作者は振り返って可笑しく思ったのかもしれません。

 

【NO.3】

『 おめでとう までは言えるよ その後の セリフ代わりの 芍薬の花 』

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芍薬は「清楚、幸せな結婚」などの花言葉があり、結婚式のブーケによく使われる花です。「おめでとう」を言ってその後を言えなくなってしまった作者は代わりに芍薬の花を差し出したのでしょう。幸せになって下さいと伝えたかったのではないでしょうか。

 

【NO.4】

『 「10年後 結婚しよう」 君からの 年賀状には 「結婚しました」 』

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「君」とは少年少女だった時代に、幼い恋心から「大人になったら結婚しよう」と約束を交わした仲だったのでしょう。子供の頃を懐かしむ気持ちと少々の寂しさの感じられる歌です。

 

【NO.5】

『 一回も 泣かせたことが なかったが ついに泣かせた 『結婚してくれ』 』

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相手は嬉しくて泣いてしまったのでしょうね。サプライズのプロポーズだったのでしょうか。相手も作者も幸せなことが伝わる歌です。嬉しい涙ならいくら流しても良いものですね。

 

【NO.6】

『 楽だから 結婚したんじゃ ないけれど 偶然同じ 名字のあなた 』

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結婚して片方の姓が変わることは多くありますが、偶然同じ名字の人と結婚して、身分証明書などの名前を変更しなくても良くなったのでしょう。しかし楽だから結婚したわけではないという歌で、相手のことが大好きだから結婚したことが伝わります。

 

【NO.7】

『 いつかまた 君がアイスを 落としても 笑顔にするよ 結婚しよう 』

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落としたアイスは元には戻せませんが、そんな失敗も笑いに変えてくれる、作者はそんな素敵な人物のようです。何があっても大丈夫、支えていくよという気持ち、相手を大切に守るという思いが伝わります。

 

【NO.8】

『 明日式を 挙げるホテルに 家族五人 ディナー愉しむ 二時間かけて 』

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結婚式の準備も終わり、作者は時間をかけてゆっくり家族と夕食を楽しんだのでしょう。家族の思い出などを話したのかもしれません。作者の家族を大切に思う気持ちが伝わって、読み手も温かな気持ちになれる歌です。

 

【NO.9】

『 僕となら 毎日笑って 過ごせます 僕と結婚 してみませんか? 』

短歌職人
幸せでなくては毎日笑って過ごすことはできません。「してみませんか?」はお試しのような軽い問いかけですが「過ごせます」と断言したところに相手を必ず幸せにするという自信が感じられる頼もしい歌です。

 

【NO.10】

『 お披露目も 挙式も旅行も しないけど あなたと過ごす 幸せな日々 』

短歌職人
結婚式や披露宴、新婚旅行は特になくても良いという人や、やっぱり記念にしたいという人、色々な結婚の形がありますが、結婚をした後で毎日が幸せだと言えることが一番大切なことではないでしょうか。作者は素晴らしい結婚生活を手に入れたのですね。

 

以上、結婚について詠んだおすすめ短歌20選でした!

 

 

理想の相手との素敵な結婚を、誰しも一度は夢見るものではないでしょうか。

 

皆さんもぜひ、結婚への憧れの気持ちや、大切な相手と巡り合い結婚して感じた幸せ、または結婚した家族や友人への祝福などを言葉にしてみてください。

 

短歌職人
結婚についての皆さんのイメージや思いを短歌で表現してみましょう。