青春と言えば、みなさんはどんなイメージを思い浮かべますか?
友達と楽しく遊んだり、夢や目標に向かって頑張ったり、恋愛をしたり…と、充実した日々が思い浮かびますよね。
中学生・高校生のみなさんは、現在青春の真っただ中。色々な思いを抱えて、日々を過ごしていらっしゃることでしょう。
今回は、そんな中学生・高校生のみなさんにおすすめの青春を題材にした短歌をご紹介します。
短歌職人
上手な作品ばかりですので、ぜひ短歌作りの参考にしてみてください!
中学生&高校生向け!!青春をテーマにした素人短歌【前半10選】
【NO.1】『 野球部の かばんに寄り添う お守りが 見てきた二人の 青春のすべて 』
短歌職人
かばんにつけた“必勝”のお守り。野球部にかぎらず、部活動をしている方には思い入れ深いものです。野球のチームには、“バッテリー”といわれる、投手と捕手のペアをあらわす言葉がありますが、この歌に詠まれている「2人」は、もしかしたらバッテリーの関係にあったのかもしれませんね。
【NO.2】『 青春は 文字通りでは ないんだと 夕陽に染まる 僕たちと冬 』
短歌職人
青春とは、「青い春」と書きますが、その言葉と対照的な「(夕陽の)赤い冬」という景色を表現しています。「青い春」とは真逆の表現である「赤い冬」の中で過ごす時間は、作者にとっては青春そのもの。うまく対比を使って詠まれた一首と言えるでしょう。
【NO.3】『 春一番 チョコレート香る 校内で ファイト青春 今を楽しめ 』
短歌職人
「春一番」とは、2月頃に吹く強い風のことで、この風が吹くと春の始まりがやってくると言われています。この日はバレンタインデーだったのでしょうか、校内で好きな人や友達にチョコレートを渡している学生たちの姿が目に浮かぶようですね。
【NO.4】『 青春は けがだってする はずなのに 僕はいまだに ゆりかごの中 』
短歌職人
楽しいイメージがある青春ですが、青春時代は子供から大人になるまでのはざまの期間で、急激な心と身体の変化に、心が乱されて辛い思いをすることもあるかもしれません。しかし、作者にはまだ、そんな青春の訪れはピンときていないようです。これから青春の荒波に漕ぎ出していく作者の未来に、幸せな時間がたくさんありますように!
【NO.5】『 振り上げた ハードル超える 長い足 風をきる頬 あの子の青春 』
短歌職人
陸上競技に情熱を注ぐ同級生の姿を、美しく描写している一首です。青春の形は人によってそれぞれですが、作者は、“あの子”が青春を思いきり生きている姿に感激し、この歌を詠んだのだと思います。
【NO.6】『 授業中 ノートのすみに 短歌詠む リアルタイムの 青春のうた 』
短歌職人
“短歌を詠む”ということが、まさに青春そのものだという歌ですね。授業中に詠んだ歌はまさに、リアルタイムの青春の短歌になったことでしょう。作者がどんな短歌を詠んだのか気になります。
【NO.7】『 絶対に 今日という日を 思い出す それが青春 特別なとき 』
短歌職人
この一首は、まさに青春というものを指しているのではないでしょうか?青春というものには形がありませんし、思い出としてそれぞれの心の中に残るものです。大人になっても忘れない“特別な1日”は、きっと誰にでもあるはず…。その“特別な1日”を、いつまでも心の中にとどめておけるといいですね。
【NO.8】『 笑いあり 涙もありの 青春を 同窓会で、と カプセルにする 』
短歌職人
卒業式の時などに、それぞれの思い出の品を詰めたタイムカプセルを、学校の校庭に埋めるという経験をした方も多いと思います。大人になってからそれを掘り返したとき、一体どんな思い出が出てくるのでしょうか。青春を閉じ込めることのできる、数少ない手段だと思います。
【NO.9】『 あと何度 この学ランを 着るのだろう 青春脱いで スーツ着るまで 』
短歌職人
下の句「青春脱いで スーツ着るまで」が、上手に暗喩法を使った歌になっています。作者は自分が制服の学ランを脱ぎ、スーツを着た大人になった時が「青春の終わり」だと思っているのかもしれません。でも、大丈夫。大人になっても、何かに一生懸命打ち込んでいれば、いつまでも青春は終わらないのです。
【NO.10】『 青春の すべてをささげて くれたこと ありったけの 感謝をここに 』
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こちらは部活動での思い出を詠んだ歌なのでしょうか。学校には色々な部活動がありますが、そのどれもが自分ひとりの力でなしとげられるものではなく、チームメイトや先生、人によっては家族の協力などが必要です。作者は自分の青春時代に関わってくれた人々に、感謝の気持ちを込めてこの歌を詠んだのでしょう。
中学生&高校生向け!!青春をテーマにした素人短歌【後半10選】
【NO.11】『 うつくしい 青いネイルを 爪にぬる これが私の 青春で夏 』
短歌職人
爪に塗られたネイル(マニキュア)の美しい青色が、目に浮かんでくるような一首です。目には見えない「青春」ですが、作者の目には、青色のネイルこそが青春そのものに見えたのですね。美しい感性が光る一首です。
【NO.12】『 青い春 青春はそう 書くけれど 春より夏の イメージがある 』
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確かに、青春には夏のイメージがあるかもしれません。多くの部活動で、夏にはインターハイが行われるからかもしれませんし、CMやメディアの影響もあるかもしれません。青春の「春」とは、実際の季節のことではなく、「人生の春(人生が始まったばかりの頃)」という意味を持っているのです。
【NO.13】『 屋上に たたずむ君が 泣いていた 夕焼け空と 青春の風 』
短歌職人
青春時代、たくさんのことに心が揺さぶられ、思わず感傷的になってしまった人も多いのではないでしょうか。夕焼けの屋上で、風に吹かれて涙を流す“君”の姿が、とても繊細に美しく描かれています。
【NO.14】『 高校の 黒ローファーは みがかれて 青春とともに 箱に眠った 』
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作者は高校を卒業し、それまでずっと履いていた黒のローファーはもう履かなくなってしまったのでしょう。毎日の学校生活を共にしていた靴を箱の中にしまうことで、作者の青春時代は終わりをつげたのかもしれません。
【NO.15】『 青春は とても短い 青春は 短いのだと 気づけないほど 』
短歌職人
とても深い意味をもった一首です。青春まっさかりの時には、青春時代があっという間に過ぎ去ってしまうということには、誰も気付けないでいます。
【NO.16】『 歌や詩に 好きの二文字は のせられて 口にはだせない わたしの青春 』
短歌職人
大好きな歌や詩に自分の心を重ね合わせた経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。自分の想いを口に出すことはなかなか難しいけれど、共感できる歌を聴いたり、詩を読むことで心がなぐさめられることってありますよね。
【NO.17】『 青春の クライマックス 見届ける 響く声援 汗と涙と 』
短歌職人
運動部も文化部も、大会で勝ち進めば上級生の引退が伸びますが、そうでなければ、試合に負けた時点で引退になってしまいます。どの大会も、青春のクライマックスを背負っているのかもしれません。限られた時間であるからこそ、青春は美しいのかもしれませんね。
【NO.18】『 青春の 心はまるで レモンティー 甘酸っぱさが よけいにつらい 』
短歌職人
レモンティーは、紅茶の甘さとレモンの酸味が独特の味わいになっている飲み物ですね。甘いだけではなく、時にはすっぱかったり、少し苦味があったり…。青春の味は色々な味がまざった複雑なものです。
【NO.19】『 はるか先 江の島めざし 走り出す 海と砂浜 青春の色 』
短歌職人
爽快感があり、とてもさわやかな一首です。海の青と砂浜の黄色が美しく対比されて青春の色を表しています。季節はわかりませんが、まばゆい太陽の光が射すようなまぶしい景色が目に浮かびます。
【NO.20】『 ひさびさに 友と話した 休み明け 思い思いの 青春してた 』
短歌職人
夏休みや冬休み、長期間の休み明けには久々に会う友達との話もつきないことでしょう。いつも同じように学校で過ごしているのとは違うそれぞれの青春を過ごした時間があり、それを話し合うのもまた、楽しい時間であると言えるでしょう。
以上、青春を題材にした短歌をご紹介しました!
青春には形がなく、また正解もありません。
ですので、それぞれが自分の思い思いの青春を楽しむことが、一番大切なことかもしれませんね。
みなさんも自分の青春を見つけて、その時間を大切にしてください。
短歌職人
そして、揺れる心や熱中している自分を観察し、ぜひ短歌を詠んでみてくださいね!