【空を題材にした短歌 20選】中学生向け・参考例!季節(春夏秋冬)を感じる短歌ネタ集

 

みなさんは空を見上げてどんなことを思った経験がありますか?

 

空の色には様々な表情があり、見上げる私たちに寄り添ってくれます。嬉しいことがあった時は青空が輝いて見えたり、悲しい時には雨空が寂しく見えたりすることもあります。

 

 

今回は、「空」を題材にしたおすすめ短歌を20首ご紹介します。

 

短歌職人
お気に入りの作品を見つけたり、ご自身が短歌を詠まれる際の参考にしてみてくださいね!

 

空を題材にしたおすすめ短歌例【前半10首】

 

【NO.1】

『 夕暮れに 東の空の 淵を指し 「あの色が好き」と 世界を変えた 』

【意味】夕暮れ時の東の空の淵を指差して「あの色が好き」と言った言葉が世界を変えた

短歌職人
夕焼けといえば西の空ですが、夕陽は東の空もピンク色に染めます。東の夕焼けの美しさに気付かされたという歌で、「世界を変えた」がハッとした感動を表します。

 

【NO.2】

『 泣いてるの バレてないよね? 君に背を 向けて見上げた 空の青さよ 』

【意味】泣いているとバレてないよねと思いながら君に背を向けて空の青さを見上げた

短歌職人

泣いている事を必死で隠しながら涙をこらえて上を向いた様子が分かります。「空の青さよ」の「よ」がその時の空の青さを強調します。

 

【NO.3】

『 見上げれば 空は広しや 我の行く 狭きこの道 抜けられたなら 』

【意味】見上げると空は広いな、私の行く狭いこの道も抜けられたらいいな

短歌職人
空の広さの解放感と、狭い道の閉塞感とが対になって、今感じている狭さから抜け出したいという気持ちを強調しています。

 

【NO.4】

『 空青し ますぐたなびく 雲のもと いざ自転車に またがりゆかん 』

【意味】空が青い。真っ直ぐにたなびく雲の下を、さぁ自転車にまたがって行こう

短歌職人
「空青し」という言い切りで、青い空がぱっと頭に浮かびます。青い空と白い雲のコントラスト、颯爽と走る自転車を思わせる若々しい歌です。

 

【NO.5】

『 月や星や 灯台の灯りは 見るけれど 夜空そのものを 見ていないかな 』

【意味】月や星や灯台の明かりは見るけれど夜空自体は見ていないのかな

短歌職人
例えば、星空を見上げると言う時は星を見ているのであって、確かに空自体を見ている訳ではないかもしれませんね。素直な言葉遣いが読み手にも夜空自体を意識させてくれます。

 

 

【NO.6】

『 一面に 硝子のビルに 反射した 真っ青な空 流れてく雲 』

【意味】ガラスのビル一面に映った真っ青な空と流れていく雲

短歌職人
ビルのガラスに映りこんだ空に気付いて、その空の青さと雲の流れに心が動かされたことが、体言止めで表現されています。

 

【NO.7】

『 まっすぐに した側転の 爪先は 私の思う 空を転がる 』

【意味】手足をまっすぐに側転をすると爪先が思う通りに空を転がった

短歌職人
側転は会心の出来だったのでしょう。「空を転がる」という表現が絶妙で、側転した時の快さを感じます。

 

【NO.8】

『 トゲ持たぬ モッコウバラの 豊かな黄色 つぼみは空を 見上げて微笑む 』

【意味】トゲのないモッコウバラは豊かな黄色で、つぼみが空を見上げて微笑んでいる

短歌職人
上の句でモッコウバラ全体を想像させて、下の句は擬人法を用いることでつぼみに焦点を当てています。つぼみは、もうすぐ咲くよと空に伝えているのでしょうか。

 

【NO.9】

『 高き空 貴方恋しと 鳴く雲雀(ひばり) 雲に隠れて 独り泣きけむ 』

【意味】高い空で貴方が恋しいと鳴くひばりは雲に隠れてひとりで泣いている

短歌職人
恋心をひばりに投影して表現した歌です。ひばりは恋しい相手と離れていて会えないのでしょう。「高き空」が寂しい気持ちを強調しています。

 

【NO.10】

『 ひとつだけ 風船は 風に拐われて 虚ろに踊る 鬱金香(チューリップ)となる 』

【意味】一つだけ風船が風にさらわれて、うつろに踊るチューリップとなった。

短歌職人
風船はチューリップの代表的な色である赤色でしょうか。空高く舞っていく赤い風船がイメージされます。「うつろに」が風船を寂しく見せています。

 

空を題材にしたおすすめ短歌例【後半10首

 

【NO.11】

『 梅雨空に 日差し求めて 見上げても 空の泪が 哀しみ誘い 』

【意味】梅雨の空に日差しを求めて見上げても、空の涙が悲しみを誘う

短歌職人
雨を「空の泪」と表現しています。「なみだ」は普通「涙」ですが「泪」は目から落ちるしずくを、より連想させます。悲しい気持ちを、梅雨の空に投影させた歌です。

 

【NO.12】

『 梅雨空に 二輪添いし ヒルガオよ 我にもおくれ 添いし人を 』

【意味】梅雨空に二輪寄り添うヒルガオよ、わたしにも寄り添う人をおくれ

短歌職人
2輪のヒルガオが仲良く並んで咲いているのを見て、思わず自分もそんな相手がほしくなったのでしょうか。「我にもおくれ」という呼びかけにうらやましさが出ていて、クスッと笑いもこぼれる可愛い歌です。

 

【NO.13】

『 手を叩け 暴れ疲れた 雨空が どいてくれるの 夏は待ってた 』

【意味】手を叩け、雨空が暴れ疲れてどいてくれるのを夏は待っていたのだ

短歌職人
「手を叩け」が待ってました!と言うように威勢がよく、夏への期待に胸がふくらむ様子がよく表れています。

 

【NO.14】

『 好きでした。夏空の下 さざ波に さらわれそうに なったあなたが 』

【意味】夏空の下でさざ波にさらわれそうになったあなたが好きでした

短歌職人
青い夏の空と白いさざ波、そして「あなた」。過去形で語られる写真のように鮮明な思い出は青春のひとコマでしょうか。倒置法を用いて「好きでした」と突然始まる表現が効果的です。

 

【NO.15】

『 中秋の 空の朧(おぼろ)な 薄雲に 霞むことなく 君は美し 』

【意味】中秋の空のおぼろな薄雲に霞むこともなく君は美しい

短歌職人
「朧な薄雲」とはふわっと霞がかかったような雲を表します。中秋といえば名月ですが、薄い雲の隙間から見える月は幻想的で美しいものです。そんな月夜よりも君は美しいということを詠んだロマンチックな歌です。「君」は幸せな人ですね。

 

 

【NO.16】

『 手を出せば 届くばかりの 星空が 天に広がる 里の秋かな 』

【意味】手を出したら届きそうな星空が天に広がる里の秋だよ

短歌職人

里山には夜空をさえぎるものは何もないのでしょう。満天の星は手を伸ばしたらつかめそう、思わず手を伸ばしてしまう、という様子が表現されています。

 

【NO.17】

『 綿雲が 白く広がる 秋の空 青空透ける 雲の絨毯(じゅうたん)

【意味】秋の空の綿雲は絨毯のように白く広がって青空が透けている

短歌職人

広がった雲が薄くて空の青が透けている風景に心を動かされたことを詠んだ歌です。秋の空を「雲の絨毯」と表現するところにセンスを感じます。

 

【NO.18】

『 星の空 見上げてごらん 澄み渡る 星にお願い 夢を掲げる 』

【意味】星の空を見上げてごらん、澄み渡っているよ。星にお願いする夢を掲げる

短歌職人

「星の空」が、夜空の主役は星であることを表します。「夢を掲げる」は、まるで願い事が星にちゃんと見えるように両手で空に掲げているようで可愛らしい歌です。

 

【NO.19】

『 煌(きら)めく葉 ひらひら落ちる 冬の空 心暖かい ポカポカ日和 』

【意味】きらめく葉がひらひらと冬の空に落ちる、心も暖かいポカポカ日和だ

短歌職人

冬のポカポカ日和は確かに気持ちが良いです。お散歩に出かけた歌でしょうか。落ちた葉が日光を受けてきらきら光って見えたことを詠んでいます。

 

【NO.20】

『 冬の空 夕暮れに見た 鮮明に 記憶に残る 美しき空 』

【意味】冬の夕暮れに見た空は鮮明に記憶に残るほど美しい空だった

短歌職人

始めと終わりに「空」と繰り返すことで、美しい空に強く心を動かされたのだと強調しています。どんなに美しい空だったのでしょう。

 

以上、空を題材にしたおすすめ短歌でした!

 

 

短歌職人
今回は、「空」を題材にした短歌を紹介しました。
万葉集の昔から、空は短歌で多く題材にされてきました。嬉しいこと、悲しいこと、恋心、思い出、さまざまな気持ちが空に託され語られています。 今回、空がテーマの短歌って面白い!と思った人は、ぜひ自分でも空の短歌にチャレンジしてみてください。