夏休みの宿題で、「夏休みを題材にした短歌を作りましょう」といったものは多いのではないでしょうか?
ですが、いきなり短歌を作れと言われても、むずかしくて困ってしまいますよね。
夏休みがテーマだとしても、一体どんな短歌を作ればいいの?と迷ってしまう人も多いかもしれません。
そこで、今回はそんなみなさんへ向けて、小学生のみなさんが作った夏休みの短歌をご紹介していきます。
短歌職人
ここで紹介した作品を読んで、短歌を身近にかんじていただけたらうれしいです!
小学生の宿題に最適!!夏休みの素人オリジナル短歌集【前半10つ】
【NO.1】『 あみのなか ざりがにわんわん おどってる あかいはさみが とてもつよそう 』
短歌職人
夏休みといえば、川遊びですよね。川にいるざりがにや、小さな魚をとったことはありますか?ざりがには大きなはさみをもっています。そのはさみがあみの中でゆれている様子を、「おどってる」とあらわしているのがおもしろいですね。
【NO.2】『 じいちゃんに 私は元気と 墓参り 今もどこかで 見てくれてるかな 』
短歌職人
夏休みには、ご先祖さまのお墓参りに行くのがならわしです。亡くなった人はこの世にはいませんが、目には見えないすがたで私たちのことを見守っていてくれているのかもしれません。
【NO.3】『 宿題を つくつくぼうしに せかされる そんなに急ぐな まだ夏休み 』
短歌職人
つくつくぼうしとは、夏の終わりに鳴くセミの仲間で、このつくつくぼうしの声が聞こえてくることは、夏の終わりをあらわしています。作者はまだ、夏休みの宿題が終わっていないのでしょう。宿題を前に、かくとうしているようすが伝わってきますね。
【NO.4】『 暑いねと 犬に問いかけ 答え待つ うんそうだねと 聞こえてくるのを 』
短歌職人
犬は人間のことばを話しませんが、心が通じているな、と思うことはありませんか?もしかしたら、犬たちは人間のことばを理解しているのかもしれません。犬からの返事は、人間のことばだとはかぎりません。なき声だったり、しっぽをふることで返事をしているかもしれませんね。
【NO.5】『 台風が ぼくより元気に やってきた 所かまわず 遊んで去った 』
短歌職人
最近は、大型の台風が毎年のようにやってきます。台風のことを「元気にやってきた」「遊んで去った」と、まるで人間のようにたとえています。このように、人間以外のものを人間のようにたとえる方法を、「擬人法(ぎじんほう)」といいます。短歌を作るさいにお手本にしてみてくださいね。
【NO.6】『 はっぴ着て 浜下り歌 歌ったよ いつかはぼくも おみこしかつぐ 』
短歌職人
「浜下り歌」とは、鹿児島県や沖縄県に言いつたえられている民謡(みんよう)のことです。夏休みといえば、やはりお祭りです。大人になったら、大きなおみこしをかつぐことができるのでしょう。今から大人になるのが楽しみですね!
【NO.7】『 夏休み 伝記たくさん 読んでみた 会ってみたいな 昔の偉人(いじん) 』
短歌職人
夏休みには、ふだんよりもたくさんの本を読むチャンスがあります。とくに、歴史上の人物について書かれている伝記(でんき)を読むことで、かつて世界中で起こった、さまざまなできごとを知ることができるでしょう。
【NO.8】『 夏の山 手足使って のぼったよ ぼくの高さが 雲より上だ 』
短歌職人
高い山にのぼると、雲を見下ろすような景色に出会えることがあります。いっしょうけんめい山をのぼったことで、山の上の空気がいちだんと美しくかんじられることでしょう。自分の力で山をのぼりきった思い出は、きっと大人になってもわすれられない時間になりますね。
【NO.9】『 夏休み おきなわ行って 初めての 海を泳いだ 海はしょっぱい 』
短歌職人
みなさんは、初めて海で泳いだ時のことをおぼえていますか?海の水は、プールや川とはちがって、とてもしょっぱいです。この短歌を作った作者にとって、海のしょっぱさがとても印象的だったことがわかります。
【NO.10】『 たまごから ぼくが育てた カブトムシ 生きているかな どこかの森で 』
短歌職人
夏休み、森林へ昆虫をとりにいったり、デパートなどで虫の卵を買ってきたことのある人は多いと思います。作者は、大きくなったカブトムシを、どこかの森にはなしたのでしょうか。カブトムシが、今でも元気に生きているといいですね。
小学生の宿題に最適!!夏休みの素人オリジナル短歌集【後半10つ】
【NO.11】『 平成と 六年の夏が 終わります なんだかとても さびしいと思う 』
短歌職人
夏が終わるのは、なんとなくもの悲しいものですが、これが平成最後の夏、そして作者にとっては小学校生活最後の夏ということになれば、そのさびしさはいっそう強くなるでしょう。夏の終わりに、作者の心が大きくうごいているのがわかります。
【NO.12】『 えいがかん なつのミニオン だいだっそう くらやみのなか ポップコーンのおと 』
短歌職人
映画館のわくわくするような空気が伝わってくる歌です。まっくらやみと、ポップコーンを食べる音が、普段の生活とは少しちがった時間をすごしていることをよく表しています。夏休みには、いつもよりもたくさん映画館に行けて、うれしいですよね。
【NO.13】『 夏のあさ うつくしいこえ こだまする しい葉の山に 山鳥うたう 』
短歌職人
大自然の中でむかえた、美しい朝の景色を上手に表現しています。夏休みには、ふだんは行くことのない場所へ旅行にいくこともあると思いますが、旅行にいった先で短歌を作るのもいいかもしれませんね。
【NO.14】『 生きている 鳥虫魚 人間も 暑い暑いと いっしょうけんめい 』
短歌職人
夏の暑さにはうんざりとしてしまいますが、暑いと思っているのは人間だけではありません。鳥や虫、魚たちも、人間とおなじように、暑さに負けず、がんばって生きているのですね。
【NO.15】『 この木にも せみのぬけがら ついている なつのそらへと たびにでたのか 』
短歌職人
せみは、なんと7年間も暗い土の中で眠っていて、そのあと地上へと出てくるそうです。幼虫から脱皮し、成虫になってからは、たった1週間の命なのです。成虫になっての1週間は、せみにとっては大ぼうけんの毎日なのかもしれませんね。
【NO.16】『 夏の海 きらきらひかる 水面(すいめん)が ビーズをたくさん ちりばめたよう 』
短歌職人
太陽にてらされて、きらきらとひかる海の表面はとても美しいです。きらきらとひかるその様子は、たしかにビーズをたくさんちりばめたように見えるかもしれません。作者の視点がとてもおもしろく表現されています。
【NO.17】『 雨の日も 晴れの日にも なくんだな 一週間は ミンミンと 』
短歌職人
短歌の中に「せみ」という言葉はつかわれていませんが、「ミンミンと」という言葉があるおかげで、この歌はせみのことをよんだ歌だということがわかります。せみが、雨の日に鳴くのを知っていましたか?このことは、大人でも知らない人が多いかもしれません。気づいたことや、新しく発見したことを、短歌にしてみるのもいいかもしれませんね。
【NO.18】『 六年生 今年で最後の 夏休み 線香花火が 長く続いた 』
短歌職人
線香花火といえば、小さな火の部分が落ちてしまうまで、どれだけ長く続けられるかが勝負です。線香花火が長く続いたら、何かいいことが起きるような気がしますね。小学校生活最後の夏休み、きっといいことが待っているでしょう。
【NO.19】『 戦争の 体験談の テレビ見る 今年はちゃんと 正座して見る 』
短歌職人
戦争が終わって70年以上がたちますが、戦争のときの悲しい出来事はけっしてわすれてはならないことだと思います。平和な世界がつづくため、わたしたちが戦争のひさんさ、平和の大切さをわすれないことが、なによりも大切なことですね。夏休みには、戦争のことを知る機会がたくさんありますから、ぜひ平和学習にでかけてみましょう。
【NO.20】『 夏休み ふじ山を見た きれいだった 青いところも 白いところも 』
短歌職人
富士山(ふじさん)は、日本でいちばん高い山です。遠くから見るのはもちろんのこと、近くで見るとその大きさにあっとうされます。また、富士山は大きいだけでなく、ひじょうに美しい山としても有名です。てっぺんはとても高いため、一年中雪がつもって、白くなっています。
さいごに
この記事では、小学生のみなさんが作った「夏休みの短歌」についてご紹介してきました。
短歌を作るのはなんだかむずかしそう、何を題材にすればいいのかわからない…。
もしもそんなふうになやんでいる人がいたら、この記事で紹介した短歌を参考にしてみてくださいね。
夏休みならではの体験やたくさんの宿題、自然の景色など、短歌を作るための題材はたくさんあります。
短歌職人
夏休みの楽しい思い出を、ぜひ短歌にのこしてみてくださいね!