小学生のみなさん、冬休みの課題で短歌作りが出て困っていませんか?
短歌は5・7・5・7・7の言葉で作る短い詩ですが俳句のように「季語(きご)」が必要ではないため、逆に冬らしい表現をするのが難しいかもしれません。
今回は、あえて冬らしさを出すための季語を使ったおすすめ短歌作品集をご紹介いたします。
短歌に冬らしさを出す!冬の季語を知ろう
そもそも季語とは「日本の四季である春・夏・秋・冬のうち決まった季節を表すための言葉」のことです。
くり返しになりますが、短歌には「季語」は必ずしも必要ではありません。
しかし、冬らしさを出すためにはこの「季語」を使うのが一番わかりやすいです。
小学生が使いやすい冬の季語は下記のとおりです。
小学生向け冬の季語
冬の○○(朝、昼、夜、日、風、雨など)・北風・雪・クリスマス・冬やすみ・セーター・マスク・マフラー・スキー・スケート・こたつ・大みそか・正月・みかん・もち・たこあげ・初もうで・お年玉・書き初め・初日の出・おせち・マラソン・持久走
小学生向け!!冬らしい有名俳句集【10選】
それでは季語が使われている冬らしい有名な短歌を昔のものから現代的なものまで10選をご紹介いたします。
【NO.1】若山牧水(わかやまぼくすい)
『 ころよき 寝覚めなるかも 冬の夜(よ)の あかつきの月 玻璃窓(はりまど)に見ゆ 』
季語:冬の夜
意味:冬の夜、あかつきの月がガラス窓の向こうに見えているのを見ながら起きるのは、こころよい寝覚めのひとときでした
【NO.2】山部赤人(やまべのあかひと)
『 田子の浦に うちいでて見れば 白妙の 富士の高嶺(たかね)に 雪は降りつつ 』
季語:雪
意味:田子の浦に出てみると真っ白な富士の高嶺に今も雪が降り続いているのが見えているよ
【NO.3】木下利玄(きのしたりげん)
『 街をゆき 子どもの傍を 通るとき 蜜柑の香せり 冬がまた来る 』
季語:冬・蜜柑
意味:街の中で子どもの傍を歩いた時にふとみかんの香りが漂ってきたよ。ああ、また冬がやってきたんだなぁ
【NO.4】坂上是則(さかがみこれのり)
『 朝ぼらけ 有明(ありあけ)の月と 見るまでに 吉野の里に ふれる白雪 』
季語:白雪
意味:ほのぼのと夜が明けるころに有明の月の光が明るいのかと思っていたら、吉野の里に降った白い雪でこんなに明るく見えていたのでした
【NO.5】中納言家持(ちゅうなごんやかもち)
『 かささぎの 渡せる橋に 置く霜(しも)の 白きを見れば 夜ぞふけにける 』
季語:霜
意味:かささぎが連なって渡したという橋に見立てた宮中の階段に霜が白くおりているよ。もう夜が更けてきたのだなあ。
【NO.6】源宗于(みなもとのむねゆき)
『 山里は 冬ぞ寂しき まさりける 人目も草も かれぬと思へば 』
季語:冬
意味:山里は冬になるといっそう寂しさが増していくようだ。人も少なくなり草も枯れてしまうのだから
【NO.7】壬生忠岑(みぶただみね)
『 しら雪の ふりてつもれる 山里は すむ人さへや 思ひ消ゆらむ 』
季語:しら雪
意味:白雪が降りつもった山里は住む人たちの気持ちも雪のように重く元気が消えていくのだろうか
【NO.8】俵万智(たわらまち)
『 寒いねと 話しかければ 寒いねと 答える人の いるあたたかさ 』
季語:寒い
意味:寒いねと話しかけたら寒いね、と答えてくれる人が身近にいるだけで暖かい気持ちになるよ
【NO.9】俵万智
『 たっぷりと 君に抱かれて いるような グリンのセーター 着て冬になる 』
季語:セーター・冬
意味:あなたに抱きしめられているようにあたたかいたっぷりとしたグリーンのセーターを着て冬を過ごすよ
【NO.10】島木赤彦
『 見ゆる限り 山の連なりの 雪白し 初日の光 さしそめにけり 』
季語:雪・初日
意味:見渡す限りに雪で白くなっている連なった山に、初日の光が当たって朝日の色に染めているよ
こんな短歌もある!冬のオリジナル短歌集【10選】
次はみなさんと同じ小学生の方のオリジナル短歌をご紹介いたします。
【No.1】投げつける 大きなかたまり 雪合戦 私も当てられ こおりそうだよ
季語:雪合戦
意味:大きな白いかたまりを投げつけあう雪合戦で、私も当てられて冷たくてこおりそうだよ
【No.2】雪だるま 夕日がさして 溶けていく 今日はバイバイ また会えるかな
季語:雪だるま
意味:せっかく作った雪だるまが夕日で溶けていっているよ。今日はバイバイだけどまた会えるかな。
【No.3】しもがおり きらきら光る 通学路 宝石だったら いいのにな
季語:しも
意味:しもがおりて通学路がきらきら光っているよ。これが宝石だったらいいのにな。
【No.4】おとしだま 今年はちゃんと ためたいな お母さんとも 約束したよ
季語:おとしだま
意味:毎年もらうお年玉は今年はちゃんとためようと思っているよ。お母さんと約束もしたよ。
【No.5】雪ぶとん つめたいけれど ふわふわだ みんなでかけあい まっしろけっけ
季語:雪ぶとん
意味:雪をふとんのようにしたら冷たいけれどふわふわで気持ちいい。みんなでかけあったら全身まっしろけになっちゃったよ。
【No.6】おとうとが ストーブの前 寝ているよ かれ葉の上の いも虫みたい
季語:ストーブ
意味:おとうとがストーブの前で寝ている姿が丸まっていてかれ葉の上のいも虫のように見えるよ
【No.7】冬休み クリスマスの次 お正月 あっという間に 始業式
季語:冬休み・クリスマス・正月
意味:冬休みになったと思えばクリスマスにお正月が過ぎたらあっという間に始業式がきてしまうよ
【No.8】正月に 集まるいとこと 背くらべ 今年はぼくが 一番高し
季語:正月
意味:お正月に集まったいとこたちと背くらべをしたら、今年はぼくが一番高くなっていたよ
【No.9】こままわし くるくるまいて 投げるぼく くるくる回る 目を回すぼく
季語:こままわし
意味:こままわしでヒモをくるくるまいて投げたらくるくる回り出したこまを見てぼくの目も回ってきたよ
【No.10】あたたかい こたつにもぐる わたしみて ネコといっしょと 母わらう
季語:こたつ
意味:あたたかいこたつにもぐった私を見て、まるでネコみたいだと母が笑ったよ
以上、小学生向け冬のおすすめ短歌集でした!
冬の季語はクリスマスやお正月という大きなイベントだけではなく、こたつにみかんとみなさんが想像しやすい言葉がたくさんありますよね。
一つの季語から家でのできごと、学校でのひとこま、友だちとの会話などいろんなできごとが思い浮かんできませんか?