【8月の短歌(和歌)集 20選】おすすめ!!8月らしさを感じる有名作品を紹介!

 

8月といえば、まさに夏本番!

 

海水浴やバーベキューなど、夏に楽しめるイベントもたくさんありますよね。しかし、月の後半ともなれば夏から秋へと移り行く季節を体感できる時期でもあります。

 

今回は、そんな8月らしい短歌(昔の短歌&現代短歌)をご紹介いたします。

 

短歌職人
ぜひ、あなたのお気に入りの短歌を見つけてみてください!

 

8月の有名短歌(和歌)集【昔の短歌(和歌) 10選】

 

まずは、昔の短歌から有名なもの10つご紹介します。

 

【NO.1】山上憶良

『 天の川 相向きたちて 我が恋ひし 君来ますなり 紐解き設けな 』

意味:天の川を隔てて、お互い向かい合って立っています。私の恋しいあなたがもうすぐいらっしゃる。紐をほどいて(服を脱いで)、あの人を迎える準備をしましょう。

短歌職人
「天の川」という言葉の通り、七夕について詠んだ歌です。天の川を見る自分ではなく、彦星を待つ織姫の立場で歌を詠むとは、さすがだといえますね。織姫の一途な想いが伝わってきます。

 

【NO.2】大伴家持

『 秋風に 今か今かと紐解きて うら待ち居るに 月かたぶきぬ 』

意味:秋風に吹かれながら、あなたが今にもいらっしゃるだろうと紐をほどいて(服を脱いで)心待ちにしている間に、月も傾いてしまいました。

短歌職人
彦星が来るのを、今か今かと心待ちにする織姫の様子が描かれています。待ち焦がれている時の流れと織姫の女心を、月の傾くさまで表現しています。

 

【NO.3】清原深養父

『 夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ 』

意味:夏の夜はまだ夜が始まったばかりだと思っているうちに、明るくなってきてしまった。あの美しい月は、今頃どの雲を宿にして眠っているのだろうか。

短歌職人
「美しい月はどこで眠るのだろう」という擬人法を用いることによって、より一層、想像力を掻き立てられるような歌です。

 

【NO.4】紫式部

『 めぐりあひて 見しやそれとも 分かぬまに 雲がくれにし 夜半の月かな 』

意味:やっと会えたと思ったのに、あなたなのかどうかも分からないうちに消えてしまった。まるで、出たと思ったらすぐに雲隠れする、あの月のようね。

短歌職人
愛しい人に会いたいという想いや、寂しいという女心を月に重ねてうまく表現しています。なんとも女性らしい歌で、とても素敵です。

 

【NO.5】和泉式部

『 ありとても たのむべきかは 世の中を しらする物は 朝がほの花 』

意味:いま生きているからと言って、明日も無事だとは限らない。それを教えてくれるのは、あの朝顔の花です。

短歌職人
朝には大きな花を咲かせているのに、昼にはしぼんでしまう。そんな朝顔に、人間の儚さや脆さを重ねて歌っています。一瞬一瞬を大切に生きるべきだ、という作者の想いが伝わってきます。

 

【NO.6】源順(みなもとのしたごう)

『 かれはつる 人の心に比ぶれば なほ夏の夜は 長くぞありける 』

意味:あっという間に離れていってしまう人の心に比べたら、短いといわれる夏の夜のほうがまだ長いだろう。

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すぐに移り変わってしまう人の心を嘆いている歌です。皮肉にも聞こえる歌ですが、的を射ているともいえますね。人の心の脆さがうまく表現されています。

 

【NO.7】藤原良経

『 月かげに 涼みあかせる 夏の夜は ただひとゝきの 秋ぞありける 』

意味:月の光の下で涼みながら明けるのを待つ夏の夜は、その時間だけがまるで秋のようだ。

短歌職人
日中の暑さとは一変した、夏の夜の涼しさを感じながら詠んだ歌です。秋の訪れを予感し、移り行く季節を想う作者の様子が伝わってきます。

 

【NO.8】藤原実方

『 葉をしげみ 外山の影 やまがふらむ 明くるも知らぬ ひぐらしの声 』

意味:葉が茂っているので、外山の木陰の暗さを、夜の暗さと間違っているのでしょう。日は明るくなっているのに、ヒグラシは知らずに鳴いています。

短歌職人
蝉の種類である「ひぐらし」と、日の落ちた「日暗し」をかけて歌われています。詞の上で洒落を言うとは、なんとも粋な作者ですね。

 

【NO.9】壬生忠岑(みぶのただみね)

『 夏はつる 扇と秋の 白露と いづれかまづは 置かむとすらむ 』

意味:夏が終わり、もうじき秋になる。使わなくなった扇を床に置くことと、白露が草の上に置かれること。どちらが先になるのだろう。

短歌職人
夏から秋へと移り行く季節の狭間で、自分が扇子を置くほうが早いのか、それとも草の上に露がつくほうが早いのか。それさえも楽しんでしまえる、作者の遊び心が歌われています。

 

【NO.10】猿丸大夫

『 ひぐらしの 鳴きつるなべに 日はくれぬ と思ふは山の 影にぞありける 』

意味:ヒグラシが鳴き始めると、辺りが暗くなり日が暮れたと思ったが、それは私が山の影に入ったからだった。

短歌職人
夏の照り付ける太陽から逃れて山陰に入ると、これまでの道とは一変し、驚いた様子がこの歌に表現されています。想像力を掻き立てられるようなこの歌は、よむだけで生い茂る緑の山肌が浮かび上がり、いまにもヒグラシの声が聞こえてきそうです。

 

8月の有名短歌(和歌)集【現代短歌 10選】

 

続いて、近代(明治以降)に歌われた短歌をご紹介します。

 

【NO.1】前田夕暮

『 向日葵は 金の油を 身にあびて ゆらりと高し 日の小ささよ 』

意味:向日葵は、まるで金の油をぶったように輝き、その大きな花をゆらりと高く掲げている。後ろの太陽が小さく見えるほどに。

短歌職人
燦燦と降り注ぐ太陽の下、金色に輝く向日葵畑が目に浮かんできます。向日葵の力強さとかさなって、作者の情熱も伝わってくるような歌です。

 

【NO.2】斎藤茂吉

『 蚊帳のなかに 放ちし蛍 夕されば おのれ光りて 飛びそめにけり 』

意味:捕えてきた蛍を蚊帳の中に放ったら、夕方になるとひとりでに光りながら飛び出したんだ。

短歌職人
光りだした蛍を見た作者の感動が、ひしひしと伝わってくるような歌です。この歌は、子どもの頃に感じた高揚感をも思い出させてくれます。

 

【NO.3】北原白秋

『 青玉の しだれ花火の ちりかかり 消ゆる途上を 君よいそがむ 』

意味:青玉の花火が上がった。まるでしだれ柳のように消えていく花火を、道の途中で君と見ている。もっとよく見えるところまで急ごう。

短歌職人
空を彩る花火を、しだれ柳に重ねて見るという作者の感性が表現されている歌です。一瞬で消えゆく花火のように、時も一瞬で過ぎ去ってしまうから、君といる時間を大切にしようという作者の愛情が伝わってきます。

 

【NO.4】正岡子規

『 夏ながら 秋葉の社の 下かげに ふきくる風ぞ 涼しかりける 』

意味:夏だというのに、秋葉の神社の並木から吹き抜ける風は涼しいものだ。

短歌職人
夏の暑い日差しが降り注ぐ中、神社ってなぜか涼しさを感じる場所ですよね。暑さの中で、ほっと一休みする作者の姿が目に浮かんできます。

 

【NO.5】樋口一葉

『 葉がくれに 一花咲きし 朝がほの 垣根よりこそ 秋は立ちけれ 』

意味:生い茂る葉のなか、隠れるようにして朝顔が咲いている。その垣根の中に、秋を見つけたの。

短歌職人
緑の中に咲く朝顔をみつけ、秋の訪れを感じた作者の高揚する気持ちが表現されています。

 

【NO.6】土田耕平

『 残暑なほ 単衣の肌に 汗ばめど 磯の木蔭に 鳴く蝉もなし 』

意味:残暑がなおも続き、単衣も舌はまだ汗ばむほどに暑いのに磯の木蔭には、もう鳴いている蝉の姿は見えない。

短歌職人
「単衣」とは、夏に着る1枚の着物のことです。夏から秋へ移り変わる様子が、うまく表現されています。秋の訪れを感じながらも、残暑にうなだれる作者の様子が伝わってきます。

 

【NO.7】木下利玄

『 くろみもつ 葉ずゑに紅き 花をつくる 夾竹桃の 夏のあはれよ 』

意味:黒い葉の先に紅い花を咲かせる夾竹桃(キョウチクトウ)は、まだ夏であることを思わせる。

短歌職人
夏にしか花を咲かせない夾竹桃を眺めながら、残暑を感じている作者の様子が伝わってきます。照り付ける太陽の下に咲く夾竹桃の情景が浮かんできます。

 

【NO.8】北原白秋

『 うち向う 竹の林の 夕じめり ひぐらしのこゑを ひとり聴きゐる 』

意味:家に帰る途中の竹林の中は、もう日が落ちてきて空気が湿っている。少し立ち止まって、ヒグラシの鳴く声をもう少し聞いて居よう。

短歌職人
夏の夕暮れの、少しひんやりとしているような情景が浮かんできます。竹林のなかでひとり聞くヒグラシの声、作者はどんなことを考えていたのでしょうか。

 

【NO.9】伊波真人

『 夏の夜の すべての重力 受け止めて 金魚すくいの ポイが破れる 』

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まるで歌詞のような、お洒落でキャッチーな言葉遣いですね。夏祭りの金魚すくい、子供の頃のわくわくしていた感情を思い出します。

 

【NO.10】堂園昌彦

『 秋茄子を 両手に乗せて 光らせて どうして死ぬんだろう 僕たちは 』

短歌職人
お盆に、ご先祖様を思って、人の命を思って詠まれた歌だと感じます。私たちにとって「死」とはなにか?と考えさせられるような歌です。

 

以上、8月の有名短歌集でした!

 

「8月」をテーマにした短歌でも、詠み人によって全く違う歌になりますね。

 

昔の和歌、近代短歌、そして平成短歌。時代とともに、短歌の姿も移り変わっていきます。

 

短歌職人
皆さんもぜひ、8月をテーマにした短歌を詠んでみてくださいね!