皆さんは、短歌に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか。
短歌といえば、万葉集や古今和歌集などの昔の人たちが歌った雅で風流なものから、現代の口調で歌われた比較的自由なスタイルの歌まで幅広く存在します。
四季折々の姿を歌にのせたものも多く、日本ならではの美しさを感じられますよね。
この美しい短歌こそ日本人の心
敷島の
大和心を
人問わば
朝日ににおう
山桜花 pic.twitter.com/MHSJXIV7Ms
— 進め一億火の玉だ (@PenoriK) December 22, 2015
今回は、ぜひ知っておきたいおすすめの美しい短歌をご紹介します。
ひ短歌作りの参考にしてみてください!
美しい有名短歌【おすすめ10選】
【NO.1】西行
『 願はくは 花の下にて 春死なむ そのきさらぎの 望月のころ 』
意味:願うなら、春の花が咲いたころ、如月の満月の日に花の下で死にたい。
【NO.2】大伴家持
『 わが園に 梅の花散る ひさかたの 天より雲の 流れ来るかも 』
意味:私の庭で梅の花びらがまるで天から降る雪のように散っている。
【NO.3】清原深養父
『 夏の夜は まだ宵ながら あけぬるを 雲のいづこに 月やどるらむ 』
意味:夏の夜は短くて、まだ宵だと思っていたらもう空が明けてきた。雲のどこかに宿でも取っているのだろうか。
【NO.4】藤原義孝
『 君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな 』
意味:あなたのためなら失うのも惜しくないと思っていた命だが、あなたに会うためならば長く生きたいと思うようになった。
【NO.5】阿倍仲麿
『 天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも 』
意味:大空を仰いでみると月が浮かんでいるが、あれは奈良の三笠山に浮かんでいた月と同じなのだなあ。
【NO.6】正岡子規
『 瓶(かめ)にさす 藤の花ぶさ みじかければ たたみの上に とどかざりけり 』
意味:瓶に挿した藤の花房が短いので畳の上に届いていない。
【NO.7】北原白秋
『 春の鳥 な鳴きそ鳴きそ あかあかと 外の面(とのも)の草に 日の入る夕べ 』
意味:春の鳥よ、鳴かないでくれ。外の草に赤々と夕日が照っている。それ以上鳴かれると、私まで悲しくなってしまう。
【NO.8】斎藤茂吉
『 ただひとつ 惜しみて置きし 白桃(しろもも)の ゆたけきを吾は 食ひをはりけり 』
意味:大切にとっておいた白桃の豊かさをとうとう食べ終えてしまった。
【NO.9】北原白秋
『 君かへす 朝の鋪石(しきいし) さくさくと 雪よ林檎(りんご)の香のごとく降れ 』
意味:君を帰そうと思っていると、雪が敷石の上に降ってきた。雪よ、林檎の香りのように降っておくれ。
【NO.10】若山牧水
『 海底(うなそこ)に 眼のなき魚(うお)の 棲(す)むといふ 眼の無き魚の 恋しかりけり 』
意味:海の底には目のない魚が住んでいるという。そんな魚をうらやましく思う。
美しい素人オリジナル短歌【おすすめ10選】
【NO.1】『 白菊を 手折(たお)る貴女の 指先を 霜と見紛(みまご)う 初めての朝 』
【NO.2】『 かりそめの ブルーハワイの かき氷 真夏の夜は きみに逢いたい 』
【NO.3】『 君が弾く 僕が微笑む 放課後の 西日やはらか ピアノは歌う 』
【NO.4】『 大空に 火の粉を散らし 無へと帰す 花火は夏の 断末魔なの 』
【NO.5】『 うるはしの 五月に咲いた クレマチス 君のスカートの裾ひらひらと 』
【NO.6】『 俯いた 黒百合の首 持ち上げて 不敵に笑う 赤眼の少女 』
【NO.7】『 白色の 彼岸花さへ 血に染まり 想ひはいつか 悲しき思ひ出 』
【NO.8】『 花冷えの 夜の暗さに 包まれて 別れしひも 聞くや雨音 』
【NO.9】『 砂糖漬けの すみれを喰(は)む 少女には 恋の痛みも 苦しみもなく 』
【NO.10】『 太陽に 透ける葉脈 あじさいは 彩度を梅雨の 湿度に委ね 』
以上、おすすめの美しい短歌でした!
今回紹介した短歌には、美しい花などの目に見える直接的な美しさや溌溂とした生命にあふれる美しさ、どこか退廃的なのに感じられる美しさ、その歌だからこそ美しいと思える言葉の妙など、美しいものには様々な種類がありました。
また、何を美しいと感じるかは元々備わった感性や経験によるもので人によっても違うので、自分で美しいと感じたお気に入りの歌を探してみるのもいいかもしれませんね。