【12月の短歌(和歌)集 20選】おすすめ!!知っておきたい12月らしい有名作品を紹介!

 

12月と言えば、寒さも厳しくなり本格的な冬を迎えるころですが、私たちの生活の中では1年を締めくくる月でもあります。

 

今回は、そんな12月を詠ったおすすめ短歌(昔の短歌(和歌)&現代短歌)をご紹介します。

 

短歌職人
ぜひ、あなたのお気に入りの短歌を見つけてみてください!

 

12月の短歌(和歌)集【昔の短歌 10選】

 

まずは、大昔の和歌から江戸時代までに詠まれた短歌をご紹介いたします!

 

【NO.1】藤原定家

『 水鳥の うきねよ何の ちぎりにて こほりとしもと 結びおきけむ 』

意味:水鳥よ、この寒さのの中でどんな契りを交わしたから、氷と霜に包まれているのか。

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「水鳥のうきね」というのは、冬の水上に居る鳥の総称です。雪の降る中、なぜ冷たい水中にいるのか疑問に思いながら水鳥をみている作者の様子が目に浮かんできます。

 

【NO.2】紫式部

『 水鳥を 水のうへとや よそに見む 我も浮きたる 世を過ぐしつつ 』

意味:水に浮かびながら、のうのうと過ごしている水鳥を横目に見ている。実は私も水鳥のように、ふわふわしながらこの世を生きているというのに。

短歌職人
このころの紫式部は、自分の今後の人生に躊躇いを感じていた時期だといわれています。そう思うも、なかなか決断できない自分を水鳥に重ねて歌った歌なのです。

 

【NO.3】鴨長明

『 月影の かたぶく磯に ゐる鴨は 片羽に残る 霜かとやみる 』

意味:月影が沈んでいく磯にいた鴨の羽になにかがついていたが、あれはきっと霜だろうな。

短歌職人
冬の寒さを「霜」という季語を使って表現しています。冬は鴨の羽替わりの時期でもあるので、より一層季節を感じさせる歌になっていますね。

 

【NO.4】式氏内親王

『 群れて立つ 空も雪気に 冴え暮れて 氷の閨に 鴛鴦ぞ鳴くなる 』

意味:澄み切っている冬の空だ。氷でつくられた寝屋で、鴛鴦が鳴いている。

短歌職人
冬景色の中、おしどりが寄り添いながらいる様子を詠んだ歌です。綺麗な情景が目に浮かんでくるようですね。

 

【NO.5】西行法師

『 月を待つ 高嶺の雲は 晴れにけり 心あるべき 初時雨かな 』

意味:月の出を心待ちにしていると、高嶺に掛かっていた雲が晴れ渡って時雨も止んだ。なんと人の情を解する初時雨であることよ。

短歌職人
「時雨」とは、一時的に降る雨のことです。雲の切れ間から、月の光が漏れてくるような美しい光景が目の目に広がってくるようです。

 

【NO.6】清原深養父

『 冬ながら 空より花の 散りくるは 雲のあなたは 春にやあるらむ 』

意味:まだ冬だというのに、空から花が散ってくるのは、雲の向こうは春なのだろうか。

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空から降ってくる雪の様子を「花が散る」と表現しています。作者の粋な表現力が表れている歌ですね。

 

【NO.7】藤原清輔

『 初雪に われはあとを つけじとて まづ朝たたむ 人を待つかな 』

意味:初雪が降った地面に足跡を付けないように、私はじっとだれかが通るのを待って居よう。

短歌職人
辺り一面が真っ白になった、美しい情景が想像できるような歌です。

 

【NO.8】源俊頼

『 都には 忘られにける 身なれども 寒さばかりは 訪ね来にけり 』

意味:故郷に忘れられてしまった私の元には、冬の寒さだけがやってくるのだ。

短歌職人
冬の寒さを感じられるとともに、作者の淋しさが滲み出ているような歌です。

 

【NO.9】藤原定家

『 このごろは 霜雪だにも 落ち散らぬ 冬のみ山の ひるのさびしさ 』

意味:この頃は、霜雪でさえも降らない。緑もなくなってしまった山はなんとも寂しい風景だ。

短歌職人
紅葉の季節が過ぎて、すっかり寂しくなってしまった山肌を見て詠んだ歌ですね。山の冬景色はなんとも美しいものなので、楽しみにする作者の気持ちに共感できます。

 

【NO.10】柿本人麻呂

『 淡海の海 夕波千鳥 汝が鳴けば 情もしのに 古思ほゆ 』

意味:近江の海の夕方に立つ波の上を飛んでいる千鳥たちよ。君たちが鳴くと、私の心は昔のことを思い出してしまうんだよ。

短歌職人
「近江の海」とは、現在の琵琶湖のことです。夕暮れ時の美しい風景を見ていると、ふと昔の思い出が蘇ってくることってありますよね。作者は、どんなことを思い出していたのでしょうか。

 

12月の短歌集【現代短歌 10選】

 

続いて、明治時代から現代にかけて詠まれた短歌(現代短歌)をご紹介いたします!

 

【NO.1】若山牧水

『 大きなる 月にしあるかな 冬凪の 空の低きに さし昇りたる 』

意味:大きい月である。冬凪を感じながら砂嘴に登って月を眺めるよ。

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「冬凪」とは、強い季節風が収まり波が穏やかになった状態のことで、「砂嘴」とは、海中に細長く突き出た地形のことです。作者はどんなことを考えながら、大きな月を眺めていたのでしょうか。

 

【NO.2】樋口一葉

『 くれてゆく 年の道さへ みゆるかと おもふてばかりに てる月夜かな 』

意味:暮れていく年への道のりを照らすかのように、月夜は輝いている。

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12月は一年のうちの最後の月です。そんな年の瀬を感じながら月を眺めている作者の様子が浮かんでくるような歌です。

 

【NO.3】正岡子規

『 冬枯の 花なき園に とぶ蝶の けふの命に 嵐ふくなり 』

意味:冬の寒さで枯れてしまった花園に、蝶が飛んでいる。小さい命に容赦もない、冬の嵐に吹き付けられながら。

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枯れてしまった花、冬の嵐に消えてしまいそうな蝶の様子。この歌から、作者のどこか寂し気な様子が伝わってくるような気がします。

 

【NO.4】与謝野晶子

『 冬の空 針もて彫りし 絵のやうに 星きらめきて 風の声する 』

意味:冬の空は、まるで彫った絵かのようにとてもきれいな星空で、風のささやく声もする。

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「風の声」という擬人法が使われています。冬の澄んだ空に、星がきらめいている情景が目に浮かんできますね。

 

【NO.5】伊藤左千夫

『 わがめづる 庭の小松に このあした 初雪ふれり 芝の小松に 』

意味:私が手をかけているこの庭の小松に、今朝初雪が降りました。

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「めづる」とは「かわいがる」といった意味があります。普段とは違う庭の様子に感動している様子が伝わってきますね。

 

【NO.6】島木赤彦

『 冬の日は 短けれども 椿の下 白き布団の ふくらめるかも 』

意味:冬の日はあっという間に過ぎてしまうが、その間にも椿はつぼみをふくらませているんだな。

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「椿」という言葉で春の歌を予想させますが、この歌の季語は「冬の日」です。冬の寒さの中で、春の訪れを楽しみにしている作者の様子を感じ取ることができます。

 

【NO.7】北原白秋

『 巓(いただき)の 裏行く低き 冬の雲 榛名の湖は 山のうへの湖 』

意味:山の頂に届かないほど低い、冬の雲がかかっている。そんな場所に、榛名湖はある。

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榛名湖とは、群馬県西部にある湖です。榛名山のカルデラ内に生じた湖で、山の上に存在するその壮大な風景が目に浮かんできます。

 

【NO.8】斎藤茂吉

『 湯たんぽを 机の下に 置きながら けふの午前を しづかに籠る 』

意味:湯たんぽを机の下に置いて、こんな寒い日の午前中は家でゆっくり過ごそう。

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「湯たんぽ」という季語から、冬らしさが伝わってきますね。寒い日こそ家で過ごしたい、という気持ちにとても共感が持てる歌です。

 

【NO.9】大野信夫

『 クリスマス・ツリーを飾る 灯の窓を 旅人のごとく 見てとほるなり 』

意味:クリスマスツリーを飾っている家を横目に見ながら、私は旅人かのようにただ通り過ぎるんだ。

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クリスマスの即得な雰囲気は、ワクワクする人もいれば、寂しい気持ちになってしまう人もいるかと思います。作者は、その灯を見ながら何を考えていたのでしょうか。

 

【NO.10】俵万智

『 「寒いね」と話しかければ「寒いね」と 応える人のいる あたたかさ 』

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有名な短歌ですね。冬の寒さの中でも、誰かといると心が温かくなります。そんな心情をストレートに表現している歌です。

 

以上、12月の有名短歌集でした!

 

同じ12月でも、時代が変われば感じることも違ってくるということが歌に表れていましたね。

 

特に現代短歌では、「クリスマス」などといった、カタカナのいわゆる「横文字」も取り入れられたりと、時代の流れを短歌から感じ取ることができます。

 

短歌職人
有2月も厳しい寒さですが、冬はまだまだこれからが本番です!そんな寒い日は、偉人たちの短歌を楽しみながら、家の中で温かく過ごしてみるのも良いのではないでしょうか?
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