有名短歌の解説 詠み人知らず 【筒井つの井筒にかけしまろがたけ過ぎにけらしな妹見ざるまに】徹底解説!!意味や表現技法・句切れ・鑑賞文など 2020年2月5日 日本の伝統文芸のひとつ「短歌」。歌を詠むことが必須の教養であった時代もありました。 今回は、平安時代の歌物語『伊勢物語』の125の章段の中の第23段にある歌をご紹介します。 筒井つの 井筒にかけし まろがたけ 過ぎにけらしな 妹見ざるまに 女、返し、 くらべこし ふりわけ髪も 肩過ぎぬ 君ならずして たれかあ...
有名短歌の解説 島木赤彦 【隣室に書よむ子らの声きけば心に沁みて生きたかりけり】徹底解説!!意味や表現技法・句切れ・鑑賞文など 2020年2月5日 短歌は、五・七・五の俳句より、十四文字多い分だけ、俳句とはまた異なる抒情性や奥行きを持った詩となります。 その歌風も様々で、歌人によってそれぞれ独自の境地が切り開かれてきました。今まで数多くの名歌が詠まれてきています。 今回は明治時代から大正時代にかけて活躍した歌人・島木赤彦の名歌をご紹介します。 隣室に...
有名短歌の解説 柿本人麻呂 【東の野に炎の立つ見えてかへり見すれば月傾きぬ】徹底解説!!意味や表現技法・句切れ・鑑賞文など 2020年2月4日 日本最古の歌集、『万葉集』。全20巻、4500首あまりの歌が収められています。 万葉集の成立は奈良時代末期といわれ、古代の人々の思いを生き生きと現代に伝えてくれます。この歌集に名があることで、千年の時を超えてその事績が伝えられている歌人もいます。 今回はこの『万葉集』から、柿本人麻呂の歌をご紹介します。 ...
有名短歌の解説 詠み人知らず東歌 【信濃路は今の墾道刈株に足踏ましむな沓はけわが背】徹底解説!!意味や表現技法・句切れ・鑑賞文など 2020年2月4日 日本最古の歌集『万葉集』。4500首以上の歌が全20巻に収められている長大な歌集です。 成立は、奈良時代末期。この歌集の特徴の一つは、地方の庶民の歌も多く収められていることです。 今回は『万葉集』の中の庶民の歌をご紹介します。 万葉集はこれとか好き 「信濃道(しなのじ)は今の墾道刈株(はりみちかりばね)に...
有名短歌の解説 穂村弘 【シャボンまみれの猫が逃げ出す午下がり永遠なんてどこにも無いさ】徹底解説!!意味や表現技法・句切れ・鑑賞など 2020年2月4日 古典文学の時代から日本に伝わる詩のひとつに短歌があります。 五・七・五・七・七の三十一文字で自然の美しい情景を詠んだり、繊細な歌人の心の内をうたい上げます。 今回は、ニューウェイブ短歌を牽引し、歌壇の枠を超えてエッセイストとしても活動。若者を短歌に引き寄せるのに大きな力を発揮している、穂村弘の歌をご紹介します。 ...
有名短歌の解説 俵万智 【君のため空白なりし手帳にも予定を入れぬ鉛筆書きで】徹底解説!!意味や表現技法・句切れなど 2020年2月4日 従来の短歌の概念を覆すカジュアルな表現で、若い世代をも魅了した現代短歌の先駆者・俵万智。 まるで日常会話の延長のように、口語短歌を鮮やかに展開させた彼女の歌風は「ライトバース」と称されました。 今回は爽やかな女性の恋心を詠んだ歌をご紹介します。 君のため空白なりし手帳にも予定を入れぬ鉛筆書きで (サラダ記念日・...
有名短歌の解説 寺山修司 【森駈けてきてほてりたるわが頬をうずめんとするに紫陽花くらし】徹底解説!!意味や表現技法・句切れなど 2020年2月4日 日本特有の梅雨という鬱々とした季節を、美しくあでやかに、そして静かに彩る花、紫陽花。 瑞々しい明るさ、どこか怪しげな美しさ、色が次々と移り変わることから連想されるはかなさ、心情を投影したほの暗さ。紫陽花は私たちにさまざまな印象を与えてくれます。 そんな紫陽花の花は、特に近現代において、短歌のモチーフとしてたびたび...
有名短歌の解説 木下利玄 【牡丹花は咲き定まりて静かなり花の占めたる位置のたしかさ】徹底解説!!意味や表現技法・句切れなど 2020年2月4日 万葉の時代より親しまれてきた日本の伝統文学のひとつに短歌があります。 五・七・五・七・七の調べで、「花鳥風月」に象徴される豊かな自然の風物を詠みこんできました。 今回は、牡丹の豪華で艶麗な美を歌い上げた歌をご紹介します。 牡丹(連鶴) 牡丹花は 咲き定まりて 静かなり 花の占めたる 位置のたしかさ 木下 利玄 ...
有名短歌の解説 与謝野晶子 【髪五尺ときなば水にやはらかき少女ごころは秘めて放たじ】徹底解説!!意味や表現技法・句切れなど 2020年2月4日 古来より親しまれてきた日本の伝統文学のひとつに短歌があります。 「五・七・五・七・七」の調べにのせて、歌人の心情を描く叙情的な作品が数多く残されています。 今回は、青春の美を誇らかに歌い上げた与謝野晶子の歌をご紹介します。 昨晩RTした神ノ川智早 @chihaya_ka さんの写真展DMをみて、髪が長かったころ...
有名短歌の解説 詠み人知らず 【君があたり見つつを居らむ生駒山雲な隠しそ雨は降るとも】徹底解説!!意味や表現技法・句切れ・鑑賞文など 2020年2月4日 平安時代には和歌を詠むことは一定以上の階級の人にとっては必須の教養でした。様々な歌集や歌にまつわる物語、本が書かれました。 今回は平安時代の歌物語『伊勢物語』からをご紹介します。 私の天使は... いつ会えるんでしょうか。いや、でも...いつも駅に、いるよね。 君があたり見つつを居らむ生駒山 雲な隠しそ雨は降...
有名短歌の解説 詠み人知らず東歌 【多摩川にさらす手作りさらさらに何そこの児のここだかなしき】徹底解説!!意味や表現技法・句切れ・鑑賞文など 2020年1月30日 『万葉集』は、奈良時代末期に成立の日本で最古の和歌集です。4500首以上の歌が全20巻に収められています。 この歌集には、やんごとなき上流階級の人々の歌ばかりではなく、庶民の歌も多く集められています。 今回は『万葉集』の中の庶民の歌をご紹介します。 国語総合 古典編 p.64 多摩川に さらす手作り さら...
有名短歌の解説 菅原孝標女 【散る花もまた来む春は見もやせむやがて別れし人ぞ恋しき】徹底解説!!意味や表現技法・句切れなど 2020年1月30日 古来より親しまれてきた短歌は、四季がある日本ならではの伝統文学です。 「花鳥風月」に象徴される自然の風物を「五・七・五・七・七」の調べで表現し、歌人の心情を詠みこんできました。 今回は人の死生を桜花と対比して詠んだ歌を紹介します。 散る花もまた來む春は見もやせむ やがて別れし人ぞ恋しき(菅原孝標女 更級日記)♪...
有名短歌の解説 折口信夫 【葛の花踏みしだかれて色あたらしこの山道を行きし人あり】徹底解説!!意味や表現技法・句切れなど 2020年1月30日 近現代においては、短歌のモチーフとしてたびたび取り上げられている葛の花。都会に住んでいると葛の花がどんな花なのか知らない人の方が多いでしょう。葛の根っこから作られる葛粉は、真っ白で清浄なイメージです。くずきりやくず餅の原料として有名ですね。 葛の花も白い花なのでは?と思われがちですが、葛の花は、色鮮やかな赤紫。鮮烈...
有名短歌の解説 防人の歌 【韓衣裾に取りつき泣く子らを置きてそ来ぬや母なしにして】徹底解説!!意味や表現技法・句切れ・鑑賞文など 2020年1月30日 『万葉集』は、奈良時代末期に成立の日本で最古の和歌集です。4500首以上の歌が全20巻に収められています。 『万葉集』以降の歌集は、上流階級の人々の歌がまとめられていますが、『万葉集』は庶民の歌や、方言で歌われた歌も含まれており、文学的な価値だけではなく、史料として大きな価値も持っています。 今回はそんな『万...
有名短歌の解説 防人の歌 【防人に行くは誰が背と問ふ人を見るが羨しさ物思ひもせず】徹底解説!!意味や表現技法・句切れ・鑑賞文など 2020年1月29日 奈良時代末期に成立したとされる、日本で最古の和歌集『万葉集』。 この万葉集には全20巻、4500首以上の歌が収められています。天皇や貴族の歌だけではなく、庶民の歌や方言で歌われた歌も含まれているという点で、この歌集の意義は大きなものです。 今回は『万葉集』の中の庶民の歌をご紹介します。 防人に行くは誰が背...
有名短歌の解説 与謝野晶子 【なにとなく君に待たるるここちして出でし花野の夕月夜かな】徹底解説!!意味や表現技法・句切れなど 2020年1月28日 古来より人々の心を映し、親しまれてきた「短歌」。「五・七・五・七・七」の三十一文字で、歌人の心情を歌い上げる叙情的な作品が数多くあります。 今回は、浪漫派の女流歌人として活躍した与謝野晶子の歌を紹介します。 - - なにとなく 君に待たるる ここちして 出でし花野の 夕月夜かな - - 〜 みだれ髪より 〜#短歌...