夏といえば海水浴やバーベキューなど、暑さを楽しむイベントが盛沢山です。
中でも「夏祭り」は、夏のメインイベントと言っても過言ではありません。浴衣を着て、出店でゲームを楽しんだり、夜空に咲く花火を眺めたり…などなど。
今回は、そんな「夏祭り」をテーマに素人が詠んだ短歌をご紹介いたします。
短歌職人
ぜひ、あなたのお気に入りの短歌を見つけてみてください!
夏祭りのおすすめ素人短歌集【前半10選】
【NO.1】『 お神楽の 音近づきし 涼風の 目を閉じれば 夏の華やぎ 』
短歌職人
「お神楽」とは、神様を祭るときに奏する舞楽のことです。感慨深い日本の伝統的な夏祭りの情景が目に浮かんでくるようです。
【NO.2】『 太鼓打ち 声高らかに 祭り子が 閉めた窓すら 震わすほどの 』
短歌職人
日本各地で開催される夏祭りには、参加者が太鼓を鳴らし、歌いながら練り歩く祭りも多く存在します。そんな太鼓の音や歌声を耳にすると、今年も夏がやってきたんだと感じてしまうのかもしれません。
【NO.3】『 いそいそと 真昼の風呂で 汗流し 浴衣まとって 夕暮れを待つ 』
短歌職人
「夕暮れを待つ」という言葉から、夏祭りへのワクワク感が伝わってきます。夏の暑さと、それに勝るほどの高揚感も感じられる歌です。
【NO.4】『 雨の中 金魚すくいの 小さな背 溶ける薄紙 すりぬける赤 』
短歌職人
「すりぬける赤」という言葉は、ポイから逃げてしまった金魚のこと。抽象的な表現を用いている、とても素敵な歌です。
【NO.5】『 夏祭り 賑わい抜けた 木々の下 神様たちが そっと見ている 』
短歌職人
賑わう屋台の道から一歩入ると、一気にしんと静まり返り、まるで別の場所かのように感じることがあります。この歌の通り、きっとそんな場所から神様たちは、楽しむ人々をそっと見守っているのかもしれません。
【NO.6】『 来年のほうが似合うと思うから またお祭りへ この浴衣着て 』
短歌職人
少し背伸びをして浴衣を着てみた、そんな乙女心が感じられる歌です。作者の純粋でまっすぐな想いが伝わってきます。
【NO.7】『 清き夜の 黒を切り裂く 大花火 光に続き はじける鼓動 』
短歌職人
夜の空にひらく花火をなんとも神秘的に表現しています。花火の音が胸の奥にまで響いてくる様子を「鼓動」と表現しているのは、作者のセンスを感じられます。
【NO.8】『 夏祭り 夜店にはしゃぐ 子らの声 友に重ねる ふるさとの夏 』
短歌職人
幼い頃に行った夏祭りを、ふいに思い出した瞬間の歌です。ふるさとを懐かしく思い、遠い友に思いを馳せる様子が歌われています。
【NO.9】『 あげた髪 揺れる簪 りんご飴 染まった頬の 想いは空に 』
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「夏祭り」という言葉がなくても、目の前にその煌びやかな様子が浮かんでくるような歌です。咲いた想いを花火に重ねて歌っており、なんともお洒落で粋な歌です。
【NO.10】『 紫陽花の 色をまとった 華奢な君 悔しいくらいに 花火が映える 』
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浴衣を「紫陽花の色をまとった」と抽象的に表現しています。それがとてもよく似合っている様子をきれいな花火と重ねて歌っていて、なんとも素敵な歌です。
夏祭りのおすすめ素人短歌集【後半10選】
【NO.11】『 燃ゆる花 匂う火薬に 振り返る あなたと同じ 空を見上げる 』
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空に打ち上げられた花火の様子を五感だけで表現しています。花火が打ちあがった後の火薬の匂いは、夏らしさを感じられる瞬間です。そんな一瞬をうまく切り取って歌っている、作者の感性の豊かさが感じられますね。
【NO.12】『 来年は彼氏と行くし!とふざけ合い みんなで食べる 焼きそばが好き 』
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恋人や家族と行く夏祭りももちろん楽しいですが、やはり仲のいい友達と行く夏祭りも格別の楽しさがあります。この歌を読んでいるこちらまで笑顔になってしまうような、そんな歌です。
【NO.13】『 どこからか 祭囃子の 音聞こえ 思い出すのは いつもあの夏 』
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祭囃子(まつりばやし)とは、祭りの際に流される音楽のことです。夏祭りと言えば、こんなこともあったなあ…と、思わず自分の思い出を振り返ってしまうような歌です。
【NO.14】『 焼きそばは やめとこ両手が ふさがるからさ せっかくふたりで 来たのだから 』
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語り口調で、まるで自分がその歌の中に居るかのような感覚になります。優しく、暖かい気持ちになるような歌です。
【NO.15】『 暑いねと ぼやく浴衣の 君といる 私のほうが 暑いのですが 』
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まるで小説をぎゅっと短くしたような、とても素敵な歌です。熱く火照ってしまいそうな恋心が、うまく表現されています。
【NO.16】『 夏祭り 夜空に散る花 輝く目 そんなあなたが 今日も好きです 』
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作者の一途で純粋な想いが伝わってきます。心にすーっとまっすぐ入ってくるような、そんな歌です。
【NO.17】『 昨年と 同じ花火に 同じ音 違うのは 空かないこの右手だけ 』
短歌職人
まるでポップスの歌詞のような、今にもメロディーが聞こえてきそうな歌です。作者のセンスが感じられる歌です。
【NO.18】『 袖振るう あぁもうまた濡れてるよ 君が狙うは 朱のきらめき 』
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ほほえましい光景が目の前に浮かんできます。金魚を「朱のきらめき」と表現していて、より一層ワクワク感を感じられる歌になっています。
【NO.19】『 藍色に 泳ぐ金魚 若かりし 母も着ていた この浴衣 』
短歌職人
同じ浴衣が、母から子へ受け継がれていく。きっと他の浴衣より何倍も、いろんな思い出が詰まっているのでしょう。浴衣が手渡された瞬間を想像すると、心が温かくなります。
【NO.20】『 「また来よう」 20年前の約束を 思い出して笑う 変わらぬ君と 』
短歌職人
「字余り」が複数ある構成ですが、その分小説の一文のようなこの短い歌からたくさんの思い出が滲み出ているような気がします。作者の愛情や、長い月日を共に歩んできた絆が感じられます。心温まる、とても素敵な歌です。
以上、夏祭りのおすすめ短歌でした!
さいごに
同じ「夏祭り」をテーマにしていても詠み人が違えば全く違う歌になり、とても趣がありますよね。
夏祭りは、日本に古くから存在している伝統的な行事です。
そのため、私たちにとって馴染み深いものであり、世代を超えて愛されているものでもあります。
短歌職人
幼い頃に家族で行った夏祭りや、青春時代の想いが詰まった夏祭り。いろんな夏祭りを思い出しながら、皆さんもぜひ「夏祭り」の短歌を詠んでみてはいかがでしょうか?