【短歌の作り方】超簡単!!テーマの決め方から言葉選びのコツまで徹底解説!

 

国語の教科書でもよく題材にあげられる「短歌」。

 

平安時代に大流行した短歌は、現代にも受け継がれる日本文化となりました。

 

  • 短歌って何?
  • 実際に短歌を作ってみたいけど、どうすればいいの?
  • 作り方にコツとかはあるの?

     

    など、短歌についての疑問をお持ちの方は少なくないでしょう。

     

     


    そこで今回は、誰でも簡単にできる短歌の作り方をご紹介します。

     

    短歌職人
    ぜひ本記事を参考に短歌作りに挑戦してみてください!

     

    そもそも短歌って何?基本的なルールを知ろう!

     

    短歌とは、和歌の種類のひとつで、「五・七・五・七・七」の合計31文字で成り立つ歌のことです。

     

    【例】夜明けて(5) 気づく休みの(7) 短さを(5) 嘆く間に(7) 終わる休みぞ(7)

     

    俳句には季語が必要ですが、短歌には必要ありません。文字数も多いですし、かなり高い自由度で作成できるようになっています。

     

    短歌の歴史は古く、「古事記」や「日本書紀」、「万葉集」には既に登場していました。

     

    「短歌」として明確な名前がついたのは奈良時代頃と言われています。長歌に対して、短歌という呼び方が誕生したのがちょうどこの頃でした。

     

    それ以降、漢詩に対しての短歌、新体詩に対しての短歌など、短歌の位置づけは、時代と共に少しずつ変わってきました。

     

    短歌職人
    現代で言われている、この五・七・五・七・七の形式を短歌と呼び始めたのは明治時代以降の話。一口に「短歌」といっても、長い歴史があるんです。

     

    簡単!短歌の作り方を徹底解説

     

    【歌を詠む】と言うと、「難しそう…」「上級者じゃないと出来ないのでは…」「自分はボキャブラリーがないしな…」と躊躇ってしまいがちですが、短歌を作るのは意外と簡単です。

     

    短歌職人
    下記の手順を参考に早速短歌を作ってみましょう!

     

    (1)まずはテーマを決めよう!

     

    ます短歌作りにおいて大事なことは、「テーマを何にするかということ」です。

     

    テーマは、基本的に何でもOK。季語が不要なので、幅広く選べます。

     

    人気の高いテーマを取り上げてみましょう。

     

    おすすめテーマ

     

    • 人間関係

    家族、友人、恋人、親戚、先生、ペット、先輩、後輩、上司、部下、など

     

    • 趣味

    映画、音楽、スポーツ、レジャー、ショッピング、ゲーム、料理、お酒、SNS、など

     

    • 日常生活での気づき

    登下校の道、近所のスーパー、天気、ニュース、流行、など

     

    • 悩み

    恋愛、進路、人生、ダイエット、お金、健康、など

     

    • イベントごと

    お正月、クリスマス、入学、卒業、誕生日、記念日、夏休み、冬休み、など

     

    短歌職人
    気になった単語はありましたか?まずひとつ、自分が今気になっていることや語りたいテーマを用意してみましょう!

     

    (2)「気持ち」を切り取り、伝えたいものを決めよう

     

    テーマが決まったら、次に考えるのは短歌に乗せて伝えたい「気持ち」の部分について考えましょう。

     

    嬉しい、悲しい、寂しい、つらい…以外にも、微妙な感情がたくさんあります。

     

    気まずかったり、物悲しかったり、切なかったり。言葉にしづらい感情を込めることができるのも、短歌のいい点です。

     

     

    • 家族と北海道に旅行に行った。寒かったけどとても楽しかった。
    • 部屋の掃除をしていたら、昔の友人との写真が出てきた。今どうしているだろう、と懐かしくなった。
    • 片思い中の人に誕生日プレゼントを渡すかどうか、一ヶ月以上ずっと悩んでいて困っている…
    • 深夜に勉強をしていたら、滅多に会話しない父親が夜食を差し入れてくれて嬉しかった。

     

    など、どんなシーンでも短歌の材料として活用できます。

     

    短歌職人
    選んだテーマについて、自分がどんな感情を揺さぶられたのかを思い出しましょう!

     

    (3)五・七・五・七・七の形にあてはめて読もう

     

    なんとなくイメージができたら、いよいよ五・七・五・七・七の形にしていきます。合計で31語であれば、多少文字数のバランスが前後しても問題ありません。

     

    決まったテーマ、伝えたい感情をもう一度思い出してみましょう。

     

    そのテーマにした理由、いつの話か、誰がそう思ったのか、どうしてそう考えたのか…など、1つのネタについて深く掘り下げて考えてみましょう。

     

     

    • 北海道 美味しいごはんに 雪景色 みんなでワイワイ とっても楽しい
    • 断捨離中 3年前の 友人と 全力笑顔の 私の写真
    • あの人に 何をあげたら よいものか そもそも渡さぬ べきなのか
    • 夜四ツ 机に向かいし 私の横に そっとおにぎり 置きつ父

     

    短歌職人
    考えた内容を少しずつメモにしていくと、短歌も思いつきやすいかもしれません。思いついた単語全部メモにしていくのがコツです!

     

    (4)単語選びや違和感解消のためには、言葉を変えてみよう

     

    伝えたいワードは決まったけど、「何となく違和感がある…」「5文字や7文字にぴったり収まらない…」という時もありますよね。

     

    そういう時は、言葉を変えてみましょう。

     

    多少言い回しを変えるだけでしっくりくることもあります。似たような言葉を思い浮かべ、ニュアンスを調整すればより完成度が高くなるでしょう。

     

     

    • 考える ⇔ 思いつく
    • しかし ⇔ それなのに
    • 試みる ⇔ チャレンジ
    • 嬉しい ⇔ 喜ばしい
    • すごい ⇔ 素晴らしい
    • 悲しい ⇔ 物寂しい

     

    言葉の言い換えパターンって、実は意外にたくさんあります。

     

    類語辞典にたくさん例が載っているので、参考にしてみるといいかもしれません。

     

    (5)表現技法(切れ字)や季語を活用してみよう

     

    少し手を込んだ作りにするなら、表現技法を使うのもオススメです!

     

    歌の区切れの部分に切れ字を置いたりすると、注目してほしい部分が分かりやすくなります。現代でよく使われている切れ字は3つ。

     

    ■「や」

    短歌の途中で入れることが多いです。特に、強調したい名詞や、呼び掛けする相手の後につけると効果的。

    ■「かな」

    短歌の最後に入れることが多いです。余韻を残したいときや、気持ちがしっかりと晴れないときに使うとよいでしょう。

    ■「けり」

    同じく、短歌の最後に入れることが多いです。断定の意味合いを持つので、過去に起きたことを紹介したりするときには使いやすいですね。

    切れ字を使った短歌例

     

    • 心なき 身にもあはれは 知られけり しぎ立つ沢の 秋のゆふぐれ
    • いつしかに 春の名残と なりにけり 昆布干場の たんぽぽの花
    • 晴れ渡る 空が美し 若者の 故郷の雲を 忍ばせるかな

     

     

    その他、俳句のように「季語」を入れても良いでしょう。

     

    春夏秋冬などの季節や、クリスマスといった季節もののイベントごとをテーマにした場合は、それだけで十分季語のような扱いになるので情景も思い浮かべやすいですよね。

     

    そうでない短歌の場合、季語を入れるだけでぐっとイメージが湧きやすくなります。

     

    短歌職人
    色々な手法にチャレンジしてみると、幅が広がって楽しくなりますね!

     

    参考になる!現代有名短歌を紹介

     

    圧倒的に有名なのは、俵万智さんが有名です。教科書にも載っていますね。

     

    短歌職人
    参考になる歌をいくつかピックアップしてご紹介します。

     

    「この味が いいね」と君が 言ったから 七月六日は サラダ記念日

    日常の何気ない一言でも、マイ記念日にしていまいたくなるくらい嬉しいことってありますよね。好きな人同士、「おいしいね」と言いながらご飯が食べられる幸せを感じられる短歌です。

    男には 首のサイズが あることの 何か悲しき ワイシャツ売場

    普段スーツを着ない人だと、首のサイズがあることなんて分からないですよね…!人にプレゼントする時は、首回りのサイズまで聞いた上で売り場に行った方がよさそうです。

    うちの子は 甘えんぼうで ぐうたらで 先生なんとか してくださいよ

    三者面談でお母さんが言ってそうな、あるあるネタ。読んでいる方も思わずくすりと笑ってしまう、ユーモアある作品です!

    この星の オアシスとして ゆるやかに 眠れる水を 湿原と呼ぶ

    とてもきれいな情景が思い浮かぶ短歌です。自然の美しさをテーマにするのも素敵だと思います。

     

    さいごに

     

    短歌に正解・不正解はありません。

     

    どんな話題でも、どんな感情でも歌にできるのが短歌のいいところです。

     

    ゴロのいい五・七・五・七・七のリズムは自然と口に出して読みたくなってしまいます。このリズムは意外と生活にも取り入れられていることにも気づくはず。

     

    身近なテレビコマーシャルや商品のPOP用紙など、よくよく見てみると「五文字」や「七文字」の組み合わせで出来ているものってあるんです!

     

    短歌職人
    短歌って、生活の様々なことに気づかせてくれますね。是非、短歌作りにチャレンジしてみてください!

    季節別!短歌の作り方