犬は自分が主人と思う人間に心から尽くす動物です。
主人を見れば駆けて来てちぎれんばかりに尾を振り、撫でてもらえば嬉しそうに甘えます。その素直な愛情表現に心打たれる人も多いでしょう。
今回は、「犬」を題材にして詠まれた短歌を20首紹介します。
電柱は 人にとっては もう不要?
でもね犬には 必要なんよ ♯tanka
ちゃんとさ マナーを守る だからねェ 少し位は 残しておいて pic.twitter.com/EPcbqpTfze— eggy&merurin (@zokkonbuhi) February 17, 2015
守るべきものなんだろう親犬のひよこをつれて浅瀬を歩く #tanka pic.twitter.com/PKtstkOvKe
— 睦月くらげ (@imitationrascal) November 21, 2014
犬を題材にした有名短歌【おすすめ10選】
【NO.1】伏見院
『 小夜ふけて 宿もる犬の 声高し 村しずかなる 月の遠方 』
【意味】夜が更けて、番犬の声が静かな村に高く響いている、月に照らされた遠くで。
【NO.2】藤原定家
『 里びたる 犬の声にぞ 知られける 竹より奥の 人の家居は 』
【意味】素朴な犬の声がして、竹林の奥にも人の家があるのだと気が付いた。
【NO.3】石川啄木
『 庭のそとを 白き犬ゆけり ふりむきて 犬を飼はむと 妻にはかれる 』
【意味】庭の外を白い犬が行くのを見て、振り向いて「犬を飼おうか」と妻に尋ねた。
【NO.4】若山牧水
『 枯草に わが寝て居れば あそばむと 来て顔のぞき 眼をのぞく犬 』
【意味】私が枯草の上に寝転がっていると遊ぼうよと来て顔をのぞき目をのぞく犬。
【NO.5】若山牧水
『 指に触るる その毛はすべて 言葉なり さびしき犬よ かなしきゆふべよれ 』
【意味】指に触れるその毛はすべて言葉なのだ、寂しい犬よ、かなしい夕べよ。
【NO.6】島木赤彦
『 我が家の 犬はいづこに ゆきならむ 今宵も思ひ いでて眠れる 』
【意味】我が家の犬はどこに行ってしまったのか、今夜も思い出しながら眠る。
【NO.7】斎藤茂吉
『 目のまへの 売犬の小さき ものどもよ 生長ののちは 賢くなれよ 』
【意味】目の前に売られている小さき犬たちよ、成長したら賢くなれよ。
【NO.8】齋藤史
『 獣骨を くはえて埋めに 行く犬が われに見られて いたくはにかむ 』
【意味】獣の骨をくわえて埋めに行く犬が私に見られてひどくはにかむ。
【NO.9】中野昭子
『 少年は わが少年の 留守にきて 帰りぬ犬と しばらく話し 』
【意味】少年は、うちの少年の留守に来て犬としばらく話して帰った。
【NO.10】木下龍也
『 愛された 犬は来世で 風となり あなたの日々を 何度も撫でる 』
【意味】愛された犬は来世では風となってあなたの日々を何度も撫でるのだ。
犬を題材にした一般短歌【おすすめ10選】
【NO.1】
『 どこまでも 行け我が身を 引っ張って 秋風のように 走る黒犬 』
【NO.2】
『 一人では 散歩行きたく ない日にも 促す相棒 いるから行くか 』
【NO.3】
『 犬がいる! 駆け寄ってみて 少しずつ 岩だったって ことに気がつく 』
【NO.4】
『 涼しくて 犬ら顔上ぐ 10月の 最初の朝を 風の吹き抜く 』
【NO.5】
『 前かごに 乗って背中を まっすぐに のばして道を まっすぐに犬 』
【NO.6】
『 はやい月 西の空で 笑いたる 老犬と俺の ヨボヨボ歩き 』
【NO.7】
『 頑張れの 言葉なくとも 亡き犬の 夢に出て来て 足を舐めたり 』
【NO.8】
『 犬探し どこにも居らず 焦る吾の 背後でちょんと 鼻で押す犬 』
【NO.9】
『 目が見えず 耳が聞こえず 声出ずに ご飯の匂いに スキップの老犬 』
【NO.10】
『 ひとつだけ 話せるならば うちにきて しあわせだったか おしえてよ、いぬ 』
以上、犬を題材にした短歌集でした!
みなさんも是非、犬に感じる愛情や犬と接して思ったことを短歌にしてみましょう。
また、反対に犬が苦手だという人も、どういうところが苦手なのかをストレートに表現してみても自分なりの短歌ができて、かえって犬好きの人より面白味のある歌が作れるかもしれません。
実家の犬w pic.twitter.com/a2b5gn7SJW
— ヨーゼリー (@ko_tanka) November 7, 2015