現代短歌の舞台によく選ばれるものの1つに、「学校」があります。
授業や宿題で短歌を扱うことも多く、自然と身近な学校がテーマになることもありますね。
文化祭、体育祭、合唱祭、入学式、卒業式、といったイベント。部活、授業、テスト、席替え、移動教室、昼休み、といった日常の様子。ひとつ「学校」と言っても、思い浮かべるシーンは様々です。
今回は、そんな中でも思わず笑ったり、同意したりしたくなってしまうような『学校あるある短歌』をご紹介致します。
短歌職人
上手な作品ばかりですので、ぜひ短歌作りの参考にしてみてください!
中学生&高校生の日常生活!!学校あるあるの面白い短歌【前半10つ】
【NO.1】『 練習は 暑い中でも 大変だけど 必ず実る でもキツい 』
短歌職人
真夏の日差しの中、部活を頑張る様子が伝わります。頑張ろう、でもキツい、いやいや頑張ろう、どうしてもキツい…と、気持ちが行ったり来たりしているようです。きっと練習は自分の力になるはず。頑張れ!
【NO.2】『 文化祭 楽しみだった 豚汁は もう見たくない 里芋の数 』
短歌職人
文化祭の醍醐味のひとつが店番だとはいえ、ずっと芋の皮を剥いていると飽きてきます…。なんだか手も疲れてくるし、しばらくは豚汁いいやと言いたくなる気持ちが分かります。
【NO.3】『 文化祭 みんなで販売 全力で 早く売り切れ 自由時間 』
短歌職人
今後は反対に、文化祭の醍醐味は自由時間だ!と言わんばかりの短歌。早く売り切れればその分早く遊びに行けると売り子を頑張っているのでしょうか。みんなで協力したことも、大切な思い出の1つになりそうです。
【NO.4】『 体育祭 リレーを走って 筋肉痛 その後三日は 足が動かず 』
短歌職人
運動部でもない限り、全力疾走すると筋肉痛になりますよね…。三日も長引くのは相当辛そうです。
【NO.5】『 フライング 緊張したなら しょうがない だけど流石に 二度目はないね 』
短歌職人
体育祭でのフライングシーンは結構見かけるもの。でも二回連続となると、場の空気が冷たくなる気がして気まずいですね…。リレーや徒競走に緊張はつきものですが、なるべくほぐすようにするべきなのかも。
【NO.6】『 おしまいを 告げるチャイムと 同じくに 去りし若者 時早かりし 』
短歌職人
チャイムが鳴った瞬間、教室を出る人っていますよね。まるでタイミングまで見計らっていたかのような身のこなしに驚くこともあるでしょう。
【NO.7】『 毎日が 同じことの 繰り返し ほんとにそんな 貴重かねぇ 』
短歌職人
「若い時の時間は大事にしなさい!」と言ってくる大人の声が伝わるような短歌です。当の本人たちはそこまで実感していないことがほとんど。いつか分かる日がやってくるのでしょうか。
【NO.8】『 梅雨の時期 総合実習 雨に濡れ 生徒みんなの 作業着濡れる 』
短歌職人
実習で作業着を着ることのある科では、雨は大敵。全員傘を差すわけにもいかないシーンもあり、溜め息が聞こえてきそうな短歌です。
【NO.9】『 声上げて 部活に走る 夏の朝 自分の未来も スタートライン 』
短歌職人
朝練に精を出す様子が伝わります。学生の未来は幅広く開けているもの。自分が将来何にでもなれるという無敵感が歌によく表れています。
【NO.10】『 昼休み あっという間に 流れて終わり またも授業か かったるい 』
短歌職人
休み時間って、やたらと短く感じたりしませんか?本当はあれもこれもしたかったのに、いつの間にか予鈴が鳴っていたりします。お昼ご飯でお腹も膨れ、午後の授業に対するモチベーションが上がらない様子が伝わります。
中学生&高校生の日常生活!!学校あるあるの面白い短歌【後半10つ】
【NO.11】『 自分には すごい青春 なかったよ うらやましいな あの集団 』
短歌職人
クラス内でできているグループを少し遠巻きに見ている様子が目に浮かびます。思い切って声をかける勇気も、なかなか湧かなかったりするのでしょうか?
【NO.12】『 席替えは 誰が隣か 分からない 仲のいい人 どこでしょう 』
短歌職人
席替えは季節ごとの一大イベント!自分の席だけではなく、仲のいい友人たちの席まで全部気になってしまいます。学期ごとのクラス替えも同様、一喜一憂あるものです。
【NO.13】『 昼休み 部活に委員 忙しく 何が休みか 仕事の嘆き 』
短歌職人
掛け持ちで色々やっている人は、昼休みに活動が入ることもしばしば。「休み」なんて名ばかりだ!という嘆きが聞こえてきそうな短歌です。
【NO.14】『 学校に つくまで長い この電車 気づけば遠く 背中の方に 』
短歌職人
思わず登校中の電車で寝過ごしてしまうこともあります。心地よい揺れを感じながら寝るのは幸せですが、遅刻するととても慌てますよね。「すみません、寝過ごしました!」と、その後先生に謝る様子まで想像してしまいます。
【NO.15】『 風を切り 友と行くのは あの場所だ 3年前は ない景色しか 』
短歌職人
仲のいい友人と、久しぶりに母校に行った時の短歌です。中学生が小学校へ、高校生が中学校へ行くと、なんだか通学路も変わって見えますよね。その分、自分が成長した証です。
【NO.16】『 蛙鳴く 今日も夜まで 疲れたな 頭の中は 飯のことだけ 』
短歌職人
帰路はどうしてもお腹が空いてしまうもの。晩ご飯のことを考えながら、買い食いの誘惑に打ち勝とうとする様子が伝わります。大好物のメニューだったらいいな…なんて考えてしまいますね。
【NO.17】『 敷地内 広すぎて道 分からない 卒業までに 覚えられるか? 』
短歌職人
附属のマンモス校や農業高校など、敷地面積が膨大な学校だと、最初は必ず戸惑うもの。校舎内で迷子になったら少し恥ずかしい…と思う気持ちを詠んだ短歌です。
【NO.18】『 レポートの 提出期限 まだ先と 未だ書かずに 我愚かなり 』
短歌職人
夏休みの宿題などに起こりがちな現象ですよね。提出期限がまだ先だと、ついつい油断してギリギリまで引き延ばしてしまいます。直前になって慌てるかもしれないと分かっていても、どうしても机に向かう気持ちが湧かないものです。
【NO.19】『 昼休み 友と弁当 食べたいが いつの間にやら 食べるの忘れ 』
短歌職人
会話が盛り上がってしまい、昼休み終了直前に急いでご飯をかきこむ様子が想像できます。毎日話したいことがいっぱいな学生生活は、きっと充実したものなのでしょう。
【NO.20】『 テスト後に 「自信ないよ」と 言うやつは 大体ほとんど 裏切者 』
短歌職人
思わず頷いてしまうような短歌です。「勉強していない」「全然できなかった」という言葉程、信じられないものはないのかも…
以上、学校あるあるの短歌でした!
同じようなシーンに心当たりがある人もいたのではないでしょうか?
短歌というと「作るのが難しそう…」というイメージが湧くかもしれませんが、短歌のネタは意外と日常生活の中に転がっているもの。案外簡単に作ることができます。
おもしろ短歌は、見ている人の気持ちを楽しくさせます。
短歌職人
是非、あなたも短歌作りにチャレンジしてみてくださいね!