皆さんは、花に関する短歌をどのくらいご存じでしょうか。
花を題材にした短歌は、花の様子を自分に例えて気持ちや恋を歌ったものが多くあります。
君想い
君に手向ける
桜花
開きて君を
誘い来るかな#tanka #短歌
#花#kokoro#Photopoem#写真撮ってる人と繋がりたい#ファインダー越しの私の世界 pic.twitter.com/az220Hf8Gl— からしちゃん・ぼーちぼーち (@usahiyori) April 5, 2015
死は一度
梅には梅の花が咲き
雨の降る日は
天気が悪い
(小島ゆかり・NHK短歌選者)
当たり前のことひとつひとつに深い味わいがある pic.twitter.com/X9gABU7ZaH
— ☆ つよし ☆ (@kokeyama) February 25, 2015
今回は、いろんな「花」を題材にした有名短歌やおすすめの素人オリジナル短歌をご紹介します。
花を題材にした有名短歌【おすすめ12選】
【NO.1】紀友則
『 列車にて 遠く見ている 向日葵は 少年のふる 帽子のごとし 』
意味:日の光がのどかな春の日に、落ち着いた心をもたないかのようになぜ桜は散っていくのか。
【NO.2】大判坂上郎女
『 夏の野の 繁みに咲ける 姫百合の 知らえぬ恋は 苦しきものそ 』
意味:夏の野にひそやかに咲いている姫百合のように、相手に知られていない恋は苦しいものです。
【NO.3】凡河内躬恒
『 月夜には それとも見えず 梅の花 香をたづねてぞ 知るべかりける 』
意味:
月の明るい夜は、梅の花を上手に見分けることができない。香りをたどることによってありかを知る。
【NO.4】詠み人知らず
『 月草に 衣は摺らむ 朝露に 濡れて後は 移ろひぬとも 』
意味:
月草(露草)の色に衣を摺り染めよう。朝露に濡れた後は色が落ちてしまうとしても。
【NO.5】源実朝
『 小夜ふけて 蓮の浮き葉の 露のうへに 玉とみるまで やどる月影 』
意味:夜が更けて、蓮の浮き葉の上にある露に玉のごとく月が映りこんでいる。
【NO.6】大伴池主
『 うら恋し わが背の君は 撫子か 花にもがもな 朝な朝見む 』
意味:心から慕わしいあなたが撫子の花だったらいいのに。そうしたら毎朝のように見つめていられるのに。
【NO.7】山部赤人
『 春の野に 菫摘みにと 来し我ぞ 野をなつかしみ 一夜寝にける 』
意味:春の野原に菫を摘みに来たが、あまりの美しさに心を惹かれてここで一夜を明かしてしまった。
【NO.8】長塚節
『 口をもて 霧吹くよりも こまかなる 雨に薊の 花はぬれけり 』
意味:雨に濡れた薊の花の花弁のひとつひとつに細かく雨粒がついている。
【NO.9】与謝野晶子
『 髪に挿せば かくやくと射る 夏の日や 王者の花の こがねひぐるま 』
意味:夏の王者である向日葵の花を自分の髪に挿すと、輝く太陽のようだ。
【NO.10】小池光
『 廃駅を くさあぢさゐの 花占めて ただ歳月は まぶしかりけり 』
意味:利用されなくなって久しい駅を「くさあぢさゐ」が覆っている。その歳月に思いを馳せると眩しく感じる。
【NO.11】寺山修司
『 君の歌う クロッカスの歌も 新しき 家具のひとつに 数えんとする 』
意味:君が歌っているクロッカスの歌も、家具のひとつとして数えよう。
【NO.12】俵万智
『 思いきり 愛されたくて 駆けてゆく 六月、 サンダル、 あじさいの花 』
意味:鬱々とした6月の空、思いっきり愛されたくなって駆け出していく。素足にサンダルを履いて、あじさいの花の咲き乱れる中を。
花を題材にした素人オリジナル短歌【おすすめ10選】
【NO.1】『 秋の野に 子首傾げて 手招くは 黄花コスモス 嫋やかに咲き 』
【NO.2】『 野に生きる きみに今まで どれだけの 勇気を得たか 姫女苑の花 』
【NO.3】『 人知れず 花を咲かせ 魅了する 美しきかな 十月桜 』
【NO.4】『 一人では 生きてゆけない 狭すぎる 鉢いっぱいに パンジーの花 』
【NO.5】『 百合の花 咲き誇るなか 僕たちは 壊れていくね 小指重ねて 』
【NO.6】『 思えども 姿の見えぬ 君いずこ 金木犀の 香に似て哀し 』
【NO.7】『 鶏頭花 冷たき露が 葉を滑り 今鮮やかに 色づきのとき 』
【NO.8】『 梅の花 匂いひときわ 鮮やかに 我も我もと 空へ空へと 』
【NO.9】『 白き花 徐々に 赤らむ酔芙蓉 君への思いも 濃さ増すばかり 』
【NO.10】『 知ってるの? 八月終わる 寂しさを マリーゴールド 鮮やかなまま 』
以上、花を題材にしたおすすめ短歌でした!
花を題材にした短歌は、花によって印象が大きく変わるのが印象的です。
また、形のない気持ちというものを姿のある花に例えることによって多くの共感を呼ぶのではないでしょうか。
自分の気持ちを花にたとえて一句詠んでみるのも面白いかもしれませんね。